トーマスタウンの怪物
11話 トーマスタウンの怪物
トーマスタウン
「ココはゴーストタウン?」
「ホラあそこに人が」
アスカとチコはトーマスタウンという町に着いた。
トーマスタウンと書かれた倒れかかった札板。
その先の荒れ果てた町並みを見た。
少し先の家の前にチェアーに揺られたお婆さんが居た。
町に入ると人が住んでる様子がほとんどなかったが。
「こんにちは」
お婆さんは耳が聞こえないのか、何も応えない。
「こんにちは! お婆さん」
「なんじゃ」
「この町に宿はある?!」
「今はない……その辺の空いた家で寝るがイイ」
「だってさ。アスカどうする」
通りの半分ほどまで行くと、男が出て来た。
「あんたら旅人さんだね。良かったらウチに泊まりません?」
胡散臭そうな男だ。
服装は良いとは言えないが、そのスーツ姿は、ちゅうぶるだろう。
度のつよそうなメガネ。
ヒゲはきれいにそろえてるが顔半分はヒゲ。
「ちゃんとベッドも毛布もあるよ。希望があれば夕食と明日の朝食付けて、二人で100レオーネ」
「ココは宿なの?」
「人が来れば宿になる。普段は雑貨屋だけどね」
ココに泊るしかなさそうだ。てきとーな空家で寝るつもりだったけど食事が出るというので。
出た夕食は豆のスープとかたいパンだけだった。多分、朝食も同じだろう。
「この夕食で100レオーネは高くないか?」
「お客さん、贅沢言っちゃいけません。この町じゃ豆が一番のごちそうです」
髭ヅラの主人はいろいろと町の事情を話した。
数年前に近くの川で金が見つかりゴールドラッシュに湧いた町だったが、あまりに大勢の連中が来て金を採取したんで、すぐに金が取れなくなり、皆町を出て行ったと。
残ったのはわずかな老人たち。
主人は老人たち相手と旅人で商売してるとか。
わずかだが元気な老人が農場をしているので食い物にはあまりに困らないそうだ。
チコたちの村もそうだった。
「チコ、先に寝る」
アスカは夕食を早々と食べ主人から毛布を受け取り、言われた部屋に。
「坊やの姉さんか? 金はあるよな」
主人の態度が変わった、チコが子供だからあつかいが違うのか。
まあアスカも子供だと思うが。
「心配するな金は払える」
お金はあるんで偉そうに言ってやった。
夜になった。
そーいう町なのでおそくまで呑んだ酔っぱらいの声とかない静かな所だ。
ドドドドド
沢山の馬の鳴き声と走る音がした。
「ナニ?」
アスカは起きて窓の外を見た。
「チコ、来い」
アスカと部屋を出ると主人が窓の外を見ていた。
「もう、ひと月たったか」
「おい、あの連中はなんだ? うるさくて寝られない」
「あ、お客さん。ちょっとまずい時に町に来てしまったようで」
「スゴいなぁ四十人以上はいるなぁ」
「夜盗か?」
「いえ、そのような類いの連中では、ただ物騒な奴らでして」
「アスカ、角みたいなの生やしてるのも居る」
「先住民か?」
「でもないみたい」
「お客さん、あれは……」
つづく




