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決闘のくノ一

1話 決闘のくノ一


 街の大通りに立つ二人。

 決闘の様子に町の連中がざわつき、見物に群がった。

 一人は町中誰もが知る太った中年男、町の町長だ。

 その決闘の相手は少女で町の連中とは違った身なりで、どこか先住民にも見える。

 決闘だというのに銃らしい物は持っていない。武器と言えそうなのは背にある刀らしき長物。


「あんた、俺と賭けをしねーか?」

「かまあねぇが、あんた保安官だろ?」

「気にするな、俺は町長に500だ」

「流れ者の俺をカモにする気か、俺はあの娘っ子に1000だ!」


  ズキュン!


 町長が撃った弾丸は、空を走った。

 娘の動きが見えた人間が何人居たのか。


「俺の勝ちだ。保安官」

「負けたよ。ああいう死に方はしたくねーな」


 保安官は札をポケットから出し、流れ者のポンチョの男に渡すと事務所に帰っていった。


 少女は懐から倒れた男の似顔絵がある手配書を出し。


「保安官事務所で賞金を」


 少女は駆けつけた大きなボロボロの帽子をかぶった少年に言った。

 少年は手配書を手に保安官事務所に走った。


 凄かった、まえの奴を殺ったのは闇討ちだったけど、今回は白昼堂々とだ。

 さすがアスカだ。


「ほらよ、まさか町長が殺れるとはな、小僧あの女は何もんだ?」


「くノ一さ」



 少年の乗る馬車は、馬に乗る少女に追いついた。


「しばらく食うに困らないくらいは出たよ、でも生きてりゃもっともらえたけど」


「そう。べつに食うために殺ったんじゃない。アレも仇の一人よ」


「だね、あのヤロー強盗団だったのに町長になってたんだからびっくりだ」


「誰もあんな奴、町長だと認めてなかった。保安官ですら。どーせ、金で買ったんだろ町長の椅子。本当ならあの豚野郎は斬りきざんで肉屋にでも売るつもりだった」


「アハハハ怖いよアスカ」


 引きつった顔で笑った。アスカは見てない。

 アスカはま、えはこんなこと言う娘じゃなかった。

 三年前に親たち、村のみんながあいつらに殺されてから変わった。


 チコもみんなを殺した強盗団はにくい。

 あの時はチコとアスカは、近くの駅馬車のステーションに水を運びに行っていた。


 偶然、保安官のビリーさんも賞金がもらえる大きな町に賞金首を護送し村を離れていた。


 村に居たアスカのパパは病気で寝込んでいた。

 でなければ。



「あの村やるか?」

「あそこは、妙な連中が集まった村だ。なんにもねーだろ」

「ああ、だがよ腹減っちまってよ。それに聞いたことあんだが、あの村は異国人ばかりで集まってるが、その連中が皆、お宝を隠し持ってるてよ」


 そう言った男は村に馬を走らせた。


「その噂、オレも聞いたぜ」


 十人程の見るからに悪人ヅラの男たちがその村を襲った。

 男たちは目にする住人を撃ち殺しまくった。


「誰だ、お宝があるって言ったのは、なんにもねーぜ!」


 ならず者集団の銀髪の男がある家に。


 病で床に寝ていた男の前に、見慣れないサーベルを持った先住民の女が。


「変わったサーベルを持ってるな」

「来るな!」


  ズキュン! ズキューン!


 銀髪の男は先住民の女と寝ている男を撃った。



 チコたちは、あの村の惨劇で、偶然に生き残った。

でも、ソレはチコたちだけじゃない。

 保安官のビリーさん。

 あの日裏山に金採取に行ってた兄妹。

 そして隠れていてすべてを見た、サルタナ爺さん。


 チコたちとビリーさん、ダイゴ、メロディ兄妹と、ある町で合うことになってるので、そこへ向かう途中にチコが嫌いなあの男と出会った。


「見てアスカ、誰かいる」


「妙な奴ね、なんでお棺引きずってんのかしら」


「よく見るとお棺の上に人が……なんだあいつ」


               つづく

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