小説を書くときに使える難読漢字・表現 ー喜び、笑いー
・笑壺に入る……思い通りになって大笑いすること、もしくは単に大笑いすることです。この場合、入るは「入る」とは読みません。よく言う「ツボに入る」と大体同じ意味ですね。
例文:道化師の催しを笑壺に入って見ていた。
頻出度★☆☆
笑い度★★★
・悦に入る……満足して笑うことを言います。ただ笑うのではなく、高揚感や満足感、達成感を含んだ笑いです。思わずにやけてしまうといったニュアンスですね。
例文:あまりの達成感に、彼は一人悦に入っていた。
頻出度★★★
笑い度★★☆
・嫣然、艶然……にっこりと微笑むことです。主に美しい女性の笑顔を指す言葉ですね。
例文:女は艶然と微笑んだ。
頻出度★★★
笑い度★☆☆
・快哉を叫ぶ……大いに痛快に思うことを言います。「やったぜ!」って感じですね。この表現は頻繁に見かけますし、筆者もよく使います。
例文:あまりの嬉しさに内心快哉を叫ばずにはいられなかった。
頻出度★★★
笑い度★★★
・呵々大笑……大声で笑うことです。別に嬉しいことがあった時だけに使われる言葉ではなく。単に笑い声が大きい人が笑った時にも使われます。
例文:彼は私を見るなり、呵々大笑した。
頻出度★★☆
笑い度★★★
・莞爾……にっこりと笑うことです。「莞爾として笑う」といったように使います。余裕ある笑いといった感じがしますね。これにルピをふって「莞爾と笑う」と書く場合もあります。
例文:「この私にお任せを」彼は莞爾と笑った。
頻出度★★☆
笑い度★☆☆
・喜色……嬉しそうな顔つきのことです。「顔に喜色を浮かべる」といったように使います。喜色満面とも言いますね。
例文:彼は喜色を浮かべて戻ってきた。
頻出度★★☆
笑い度★★☆
・吃吃……声を出して笑うことを意味する言葉です。「吃吃した笑いを漏らす」といったように使います。筆者は一度しか見たことがありません。
例文:老婆は私を見るなり、吃吃と笑った。
頻出度★☆☆
笑い度★☆☆
・哄笑……大笑いすることです。この言葉は頻繁に見かけます。「歪んだ哄笑を浮かべた」と表現すれば悪役にも使えますし、「鋭い目つきで哄笑した」とすれば戦う前にも使えます。とにかく色々な場面に使えて便利です。
例文:彼女は映画を見ると、腹を抱えて哄笑した。
頻出度★★★
笑い度★★★
・従容……ゆったりと落ち着いた様を表す言葉です。この言葉が笑いを意味することはありませんが、「従容と笑う」といったように使われることがあります。余裕の笑みというやつですね。
例文:それを聞いて、王は従容と笑った。
頻出度★★☆
笑い度★☆☆
・随喜の涙……ありがたさのあまり涙を流すことです。そのまんまですね。なので、比較的使いやすい言葉だと思います。
例文:それを聞いた者たちは皆随喜の涙を流した。
頻出度★★☆
笑い度★★★
・相好を崩す……顔をほころばせることを意味します。主に、厳つい顔の人物が急に笑ったときに使われます。
例文:堅物で知られる人物だが、彼女の前では相好を崩して笑う。
頻出度★★★
笑い度★☆☆
・溌剌……元気のいいことを表します。「溌剌とした笑顔」といったように使いますが、顔だけでなく、「溌剌たる春の息吹」、「溌剌たる活気」、「溌剌たる生気」といったように生命力にあふれた生き生きとしたものを表すこともあります。
例文:彼女は僕に溌剌たる笑顔を浮かべて昨日起こったことを話した。
頻出度★★★
笑い度★★☆
・憫笑……憐れんで笑うことです。完全に見下した時に使われますね。同情すら値しない時に浮かべる笑いです。
例文:彼はどうしようもなく憐れな敵を見て、底意地の悪い憫笑を浮かべていた。
頻出度★★☆
笑い度★☆☆