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常闇の始まり

中二臭いタイトルだこと

誰でも睡眠中に夢は見た事はあるだろう


夢なんてものは覚えていることがあったり所々記憶してなかったりとかなり曖昧なモノだ


そんな夢だが、夢の存在意義は二つの説がある


一つは

「無意味な情報を捨て去る際に知覚される現象」


一つは

「必要な情報を忘れないようにする活動の際に知覚される現象」


と、二つはまったく逆の説なわけなんだが


だとすると


「今の俺の状況はどっちだ」


目覚めと同時に朝日を感じ、目をあけてみれば何故か外で寝ている状況


もしかして沙織がやったのか?とかありもしない事も思ったがまったく見覚えのない森の様なところで寝てたのでそれは無いと思う


なにより


俺は今、何故か女の子に追い掛けられている


自慢じゃないが俺は女の子に追い掛けられる程モテるわけない


それに一目で俺に対して好意を持ってるわけじゃないのがわかる


左手に持ってる刀がそれを表している


「銃刀法はどうしたよ、ちくしょう」


つか夢だろこれ、夢であってくれよ


出会った瞬間切り掛かられて右腕を軽く切られたせいで地味に痛いんだが


「誰だよ夢なら痛くないとか行った奴は!」


最悪の展開で最悪の状況、軽くパニックに陥ったせいで叫んでしまった


そしてこれが失敗だった


「動くな」


おいおいおい背中に軽く刃の先が刺さってるぞ、ちくしょう


「お前、何者だ」


その前にその刀なんとかしてくれないかな、まぢで


「聞いてるのか?」


「あ、あんたなんなんだよ?」


「…?」


いきなり背中に軽く刺さっていた刀を下ろされる


「お前には私の言葉が通じているのか?」


振り向けば、そこにはなんともわかりやすく可愛い子が居た


「…両手を上げろ」


言われた通りに両手を上げる


「…何処から来た?」


「…何処からと言われても俺は…」


「もういい、わかった」


いきなり言葉を遮られる


「男なのか…そんなはずは…」


ぶつぶつと一人言を喋り始める


「よし」


そして一人で納得した様子


「お前、私に着いて来い」なんという身勝手な、いくら夢だからってこれはどうなん…


スッと


刃が喉元に当てられる


夢であってくれ、頼むから…



…………



着いた所は中世の雰囲気を醸し出した場所


さすが夢だ、RPGの中に迷い込んだみたいだ


遠くの方にとてつもなくデカイ城が見える


さながらここは城下街


露店が並び、屋台では串にささった肉が焼かれていて匂いだけで腹が減ってくる


「こっちだ」


そんな中、この女はどんどん進んで行く


「なあ、あんた名前なんて言うんだ?」


意思の疎通をしてみる



「すまない、答えてやりたいが私はお前の言っている事がわからないんだ」


とんでもない事を言われた


…どうりでさっきから話しかけても無視されてるわけだ


…せめて名前だけでも伝わらんか


「あ」言葉の通じない人間に、なんとかして伝える方法があると親父に教わっていたのを思い出す


そしてそれを試みようと肩を叩く


「どうした?」


女は振り向く


そして俺は


「一樹!」


自分をおもいっきり指差し叫ぶ


人間なんてものは、動きが伝わればたいてい相手に意思が伝わる


親父が何故かよく言ってた


とりあえず今はその言葉を信じてなんとか伝えようとする


「…カズキ?」



アネットが呟くと俺は力強く頷く


「そうか…カズキか、お前の名だな?」


もう一度、頷く


「そういえば自己紹介がまだだったものな…私は、アネットだアネット・フリジア」


聞いた事ある名前のような無いような…小説かなにかのキャラクターだったか…?


まあ夢なんだし、記憶が夢に反映されるなんてよくある事だもんな



…………


そうしてアネットに案内(というか無理矢理)連れて来られた場所


そこはさっき遠くから見て居た城だった


「少し待ってろ」


そう言うとアネットは城門をくぐり抜け中に入っていく


「…はぁ」


一人になるといきなり不安になる


知らない所に置いて行かれるのはあんまりいい気分じゃない


そして一人になると色々疑問を抱く


なぜかアネットには俺の言葉が伝わらない


そして、アネットの言葉は俺に伝わっている


だが


口の動きが確実に違う


日本語なんてのは

「あいうえお」の五文字が基本の口の動きだ


だけど、アネットの動きはまったく違う


これが一つめの疑問


二つ目は


これは本当に夢なのか


信じたくもないが確実に体感が夢とは思えない


確実に夢だ、と言い切れないのは


匂いのせいだ


さっき屋台から感じた匂い、普通に肉を焼いた香ばしいいい匂いだった


問題は、これが夢だとしたら匂いを感じるのはどうなのだろう


個人的には夢で香りを感じた事がない


そしてもう一つ


痛みだ


色々あって忘れてたがアネットに腕を切られている、そのせいで今でも軽く痛みがある


いい加減治療して欲しいんだが


この痛みのせいで、夢とは思えなくなっている



そして最後の疑問なんだが


さっきから耳鳴りが酷い


城の前に来てからいきなり耳鳴りがしだした


こればっかりはどうしようもないが、これはちょっと酷い


頭に少し響くくらいと言えばいいのか


なかなかに強烈な耳鳴りだ



あー、いつまで待ってればいいのかなぁ



………


そして数分後


アネットに治療室に連れて来てもらう


医者に俺の傷の手当てをしてもらうらしいんだが


「おう!よく来たなひよっこ」


これはどうしたことか、俺は頭がイかれてしまったようだ


目の前にいるのは、少し青みがかった髪をツインテールに束ね、白のワイシャツ黒のスカート、そして白衣を纏ったなんとも色っぽいというかそれらしい格好をした医者だ


医者のはずなんだ


なんだこの低身長は


中学生…いや、下手したら小学生で通る身長


そしてこのロリボイス


何歳なんだ…


「ほれ、そこに座れ」


ちびに言われるがまま椅子に座る


「なんだよこの傷はー、治し甲斐がねーなー」


そのまま腕の傷をばしばし叩かれる


すっげぇ痛い


「よっ」

ばしばし叩いていたが、真面目な顔になるとそのまま傷口に手を当て、軽く力を入れられる


「あっつぅ!?」


え?なにこれ?


力を込められた手からとてつもない熱さを感じ飛びのいてしまう


「あー間違えちった」


なにこの子?ちょっとした間違いで俺の腕ミディアムにしようとしたよ、怖い


「フィア、遊んでないでちゃんとやれ」


アネットがちびに声をかける


「あーい」返事をすると俺に手招きをする


「そんな怖がるなってー、さっきのはちょっとした遊びだって、だからこっちおいで」


笑顔でそんな事を言われる


小一時間問い詰めてやりたいが、言われるがままに近くに行く


「力抜けよ」


また傷口に手を添える


「痛いの痛いの飛んでけー」


いい加減殺意が芽生えそうだ…


とか思っていたら


「…んなアホな」


しっかり傷口が治っている


これ…なに?


夢だから?


だめだ、わけわかんね


「今度はちゃんとした傷作れよー」


なんとも恐ろしい事を言われる


………


城の中はなんとも華やかなんだろうなー


とか思っていたが意外とそうでもない


まあ廊下に赤い絨毯敷かれていたりして一応華やかっちゃ華やかなんだが


期待し過ぎたか


というか、そんな城内より気になってしょうがない事がある


まず俺はこんな所になんで連れてこられたのか


それともう一つ


さっきからすれ違う人ほとんどが俺を見ている


かなり感じが悪い


………


「あんまり失礼の無いようにな」


言葉通じない分ほとんど失礼な事なんか無いと思うんだが


っていうかもしかして


「姫は居るか?」


扉の前に立っている兵士っぽい人に聞いてらっしゃるんですが


いきなり王族と会わせられるのか、俺


そして兵士の答えはイエス


「カズキ、お前はそこで少し待ってろ」


そう言うと、アネットは扉の奥に入って行く


ちらっと中が見えたが、謁見する場所っぽかった


マジで会わせられるのか…?


「…」


とてつもない視線を感じるんだが


言葉通じないらしいし、交流図ろうにもいきなりジェスチャーしだしちゃ危ない人だよなぁ


そんな事を考えていると、数分しか経っていないのに早くも扉からアネットが戻ってきた


「来い」


扉を開け中に入る


赤い絨毯の先


なんともでかい椅子があり、座っている少女がいる


「…」


目を凝らす


赤と白で彩られた色彩のドレスを着て、肌は白く髪は赤みがかった黒


俺はこいつを知っている


「…お帰り」


そう、この声だ


こいつも俺を知っている


なんでここにいる?


なんでそんなところにいる?


そうだ、こいつは夢だ


さすが夢だ、こいつがこんな笑顔見せるなんて


「どうしたの?」


あぁ、そうか、返事しないとな




「なんでもないよ…沙織」

一応ここから本編です。序盤は現代で過ごし異世界に送られるとかいうありがちな展開ですね、はい。大阪に住んだりしててトンフルの影響が心配なレンコンでした まる

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