ちょっと確認よろしいですか?
「イキナリ何を叫んでるんだ?何でも何もお前が教えてくれた通りにやってみたら出来たってだけだろうに。」
この天才さんめ、何当たり前みたいに言ってやがんだ。こっちは魔法の概要ちょっと教えただけだってのに。しかも、各異世界で割りとこの認識が多かったから多分ダイジョブだろうからって試しにいってみただけだってぇのにさ!
しかし、どうしたもんだろうか、まさか本当にこの世界で俺以外が魔法を使えるとはおもわなかったわけだし。てか、マヂにアブねぇからヤバい部分もしっかり伝えなきゃなぁ。気が重い。便利だなって軽く応用してくるようなヤツだし、多分気づいてるとは思うんだけど、一応なぁ魔法使いとしては先輩な訳だし、ヤベェ失敗談も恥ずかしいことこの上ないが、新たな被害者作るわけにもいかんからなぁ、その辺はホントしっかりしとかなきゃなぁ。さてと頭切り替えて久しぶりに魔法の先生の真似事でもしますかね。
「あのさ、もう使えちまってるもんは仕方ねぇからもうこの際その異常さは目をつぶっとくとして、魔法が何となくヤバいってのはきづいてんだろ?」
まぁ、一応な、何となくでも分かっててくれてるとそうそう無茶はしねぇだろうし、試しにやってみましたって軽い気持ちでやっちまってイキナリ日本消滅とかシャレにならんしなぁ、気合いいれて教えていかねぇと本当にヤベェ。
力ってのは強ければ強いほどより鍛えなきゃならなくなる。矛盾してるようだが実際大きな力を制御するにはより大きな力で押さえつけるか許容できるだけの器を持たなきゃならなくなる。制御しようと努力すればするほど力はより大きくなっていくし、そのために更に鍛えなきゃならんくなる。ホントバカみたいな話だよなぁ。何このイタチゴッコって思ってたなぁ。自分自身をしっかり把握しなきゃならんし、慣れない内は力の方に振り回されちまうからなぁ。制御できなきゃ自分の体を含めて無差別に被害が出るし、半端な力はいざという時に暴走か不発の危険ととなりあわせだからなぁ。
「ヤバいってのは自分が回りに与える被害と影響のことか?それなら説明を聞いたときに真っ先に思い浮かんださ。この魔法ってのは平たく言えばイメージの具現化、具象化ってことだろう?出来るかどうかは別として、まぁ出来るんだろうがな、可能性のなかでヤバい被害とヤバい影響両方兼ね備えてるヤバいヤツは俺的に核エネルギーの再現だな。」
「そうだな、ほぼ正解だ。ただなぁ少し訂正するなら魔法の概要はあってるが核エネルギーの再現云々に関しては魔法でやる以上魔力の強さや量にもよるからなぁ、核エネルギーを再現したつもりでも魔力を制御できなきゃ現実の核エネルギーがマッチの火に思える規模に被害と影響が膨れ上がる可能性があるってことかな。まぁ、何だ、そんなことができちまう可能性が詰まってる自分がイヤになったか?」
まぁ何にせよどんなレベルの魔力がコイツにあるって解らない以上どちらにせよ鍛えなきゃならんのだがな。それはもう無理矢理にでも。
「そうだな、認識がこれでも甘い方だったのには驚いたが別にイヤではないさ。力なんて使わなきゃ被害も影響も出ない訳だしな。だからと言って可能性がある以上この力とは向き合わなきゃならんし、振り回されんように制御できなきゃならんのも理解してるさ。どうせ俺のこと鍛えるつもりだったんだろ?俺だって自分の力のせいで死ぬのもイヤだし周りの誰かが傷付くのは願い下げたからな。」
「だよな。」
ホントしっかりしてんなぁコイツ。本当に同い年なのか?取り敢えず悲観的じゃなくてよかったよ。コイツなら有り得ないとは思ってても力に溺れてたりする可能性だってあったわけだし。自分の力や可能性に危機感があるのはいいことだ。いやぁしかし、ホント理解があって助かったわぁ。