な、なんだってーっ!
あれ?何で?この世界では魔力は生まれないし存在しないはずなんだが。
1人唸っていると「何だ?何か問題が発生してるのか?」と声をかけられた。
「いやな、さっきこの世界には魔力だとか何だとか存在しないはずなんだ。って言ったろ?でもな、今俺の体に魔力があるんだわ。」
取り敢えずお互いよく分からない状況な訳で情報の共有はしといた方がいいだろうと思い今の自分の状態を説明してみることにした。
「うーん、まぁたしかに無いはずの物がそこにはっきりとあるっていうのは気分がいいものではないな。しかも起きるはずはない現象まで起きているわけだしな。」
更なる未知の現象にこれは困ったなと二人揃って頭を抱えていると不意に「因みにその魔力っていうのはどんなものなんだ?何となく不思議エネルギーと認識しているが。」
と問いかけられたので
「そうだなぁ、別の世界の常識として説明するなら生き物の体の中には血液と同じように魔力が常に循環していて、その力に方向性や定義を与えることで魔法として発現させるって認識なんだが。この魔力が魔法として消費されると血液と同じように常に一定量体内を巡るように再生産されるか空気中から酸素を取り入れるように吸収するんだが何度も言ってるけどこの世界に存在しないはずの魔力の補充なんて本来不可能なんだ。」
「だが現実として今のお前にはその存在しないはずの魔力があると。でだ、何でそれがわかったんだ?感覚的に解るもんなのか?」
「あぁ、それなんだけど無意識に前の世界の感覚でスキルを発動させてたんだがあまりに自然にできてたもんでおかしいと思ってたら魔力が回復していることに気づいたんだ。魔力自体はちょっと意識すれば何となく感覚的に有るってわかるんだよ。例えるなら自分の部屋で意識して呼吸してみると何となく俺の部屋の匂いだなって感じる感覚かな。」そんな感じで説明してみると。「そんなものなのか。」と少々考え込みはじめてしまった。
しかし、どうしたもんだろう。魔力が回復している以上今の俺は正真正銘本物の魔法使いだ。外部魔力を使うタイプでない魔法ならスキルが発動した以上恐らく発動できる。それはこの世界にとって驚異以外の何者でもない。非武装の人間が銃火機で武装した人間より遥かに強大な火力や防御力をもっているのだ。正直俺なら単身、しかも生身でこの星をどうにかできるレベルだ。伊達に化け物相手にいくつも世界を救っちゃいない。すべての世界でその世界の理に従いその世界の力を振るって戦ってきたのだ。今の体や魔力の状態での戦い方も何となく掴めるし把握している。少し慣らしで動けばすぐにでも現役復帰できそうだ。
まぁ、あんな命のやり取りなんて二度とごめんだが。そんなことを考えていると不意に
「なあ、多分なんだが俺にもあるぞ。」
考え込んでたコイツが何気無しにこんなこといってきやがった。
いや、まさかな、え?嘘でしょ?聞き間違えか?このタイミングで有るっていったらまさか。「有るって何が?」ほぼ確信に近いが敢えて聞いておこう。うん、嘘でしょ?いや、無いでしょ?有り得ないから!う~わなんつーか聞きたくねぇ~っ!更なる厄介事に間違いねぇよ!
「魔力」
ハイ。ありがとうございます。ンギャーッ!もうなんなのこれ!簡単に言いやがってこの野郎!皆さ~ん、今この世界には異物が2つ転がってますよ~♪わ~い♪俺なんて核よりスゴいよ~♪コイツもやり方次第で同じ事出来るようにナッチャ~ウヨ♪