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作者: 柳葉魚太郎

 部屋の窓を開けて景色を眺めながら煙草を吸っている。そうすると必然的に家の前の道を通っていく人が見える。どうしても動いているものというのは目につくようで、私はその人たちを目で追いながら煙草を吸っていた。ほとんどの人は私に気づくことなく、自分が私という人間に監視されているのを露ほども知らずに、通り過ぎていく。しかし、何人かは私と目が合った。それは不思議なことにみんな子供だった。

 どうしてだろう、私は考えた。そして、子供たちは皆見上げているのだということに気づいた。子供はその小さな目で世界を少しでも広く見渡そうと空を見上げる。それは年を経るにつれ、意味のないものだと気づき、見上げなくなる。世界は見上げなくとも世界であるし、見上げようとそこにはいつもと同じ風景があるだけだからだ。私は空を見上げた。空には宵の明星が静かに輝いていた。

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