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どうも。先日助けていただいたダークドラゴンです  作者: 紅井止々(あかい とまと)


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93話 ルゥとシルヴァとご主人さん あとフランカとテオドラも

 渇いた喉が強引に唾を飲み込む。そんな小さな音が、俺の鼓膜を震わせた。

 数千を超えるドラゴンの一斉蜂起…………そいつはもはや、『天災』と呼べる一大事だ。


 ルゥシールが成人を迎えると、その『天災』が起こると、シルヴァネールは言う。



 なんだよそれ……



「それで、俺がそのバカドラゴンどもを片っ端からぶっ飛ばせばいいのか?」

「ご主人さん……?」


 ルゥシールは俺に助けを求めた。

『この娘を…………救ってあげてくれませんか……』と。


 初めて会った時……この姿のルゥシールに初めて会った時だが……あの宿屋で、ルゥシールは『もう一度頑張る』と言った。

 俺は、ゴールドドラゴンに負けない意思表示だと思った。

 けれどあれは、自分の中に眠る『闇』との戦いから逃げないという意思表示だったのだ。


 だから、ルゥシールにとってこのゴールドドラゴン――シルヴァネールは敵ではなく、保護対象なのだ。


 ルゥシールが泣きながら頼んできた案件を、俺が無碍に断ると思うか?


「なんか色々と大変そうなのは分かった。まぁ、正直、全部は理解出来てないが、要するに、シルヴァネールはルゥシールを死なせたくないし、ルゥシールはシルヴァネールを消失させたくないわけだろ?」


 問いかけに、二人は同時に頷く。


「で、ゆっくり時間をかければうまくいくかもしれないことを、頭の固い臆病者どもが騒ぎ立て、急かし、鼻水垂らして茶々入れてきてるわけだ」

「いや、鼻水はどうかと……」


 ルゥシールが一部否定するが、大事なのはそこじゃない。

 大事なのは……


「ウチの仲間を困らせてるヤツがいるんだろ」


 そいつはちょっとばかり強力で厄介なヤツだ。

 人間よりも長くこの地で生き、魔神並みの力を持ったバケモノ集団。

 逆らえば、街をまるごと焼き尽くされ、骨も残らない。


 だから、なんだ。


「『俺たち』にちょっかいを出すヤツがいるなら、『俺たち』がぶっ飛ばしてやる」


 ルゥシールを見つめながら、俺は背後へと声を飛ばす。


「なぁ、みんな」

「……そうね。身の程知らずがのさばるのは気分がよくないわ」

「【ドラゴンスレイヤー】としての修業はしていないが……実戦で開眼することもあるやもしれんな。これはいい練習相手だ」


 フランカとテオドラが、俺の背後にいた。

 ずっとそこにいて、ルゥシールたちの話を聞いていたのだ。


「……みなさん。でも、相手は数千のドラゴンで……」

「バッカ、お前」


 くだらないことを言うルゥシールを鼻で笑ってやる。


「ドラゴンと俺、どっちがイケメンだよ?」


 絶対の自信をもって言ってやる。

 答えはもちろん、俺だ!


「……イケメンは関係ない」

「バカ、フランカ、バカ! イケメンは無敵なんだよ!」

「……理論として成り立っていない」

「『どっちが強い』辺りでよかったのではあるまいか、主よ?」

「強いのは俺に決まってるだろ」

「……でも、【搾乳】の強さは卑猥な行為の上に成り立っている」

「うむ、なるほど。『主の強さ=卑猥な行為』ということは『主=猥褻物』ということだな」


 って、おいこら。

 誰が猥褻物だ!?

 失敬な。


 俺たちがこっちでワイワイやっていると、ルゥシールはシルヴァネールをギュッと抱きしめた。そして、シルヴァネールの耳元で、頬を緩ませて囁く。


「シルヴァ……よかったですね…………ご主人さんが守ってくれるって…………」

「…………うん。でも、いくら特殊とはいえ、人間なんかに……」

「人間だけど、人間じゃないんです。『ご主人さん』ですよ」

「……よく、分からない」

「あのですね……ご主人さんは……」


 ルゥシールが顔を上げる。と、頬に涙が一滴流れていった。

 しかし、涙の跡が持ち上がり、ルゥシールは笑みを浮かべる。


「わたしとの約束を、破ったことがないんですよ。とても頼りになる……優しい…………ご主人さん、なんです……よ」


 涙を流しながら微笑むルゥシール。

 その顔を見て、俺は……言葉を失う。


 何かを言いたい。

 けれど、なんと言うべきなのか……分からない。

 今はただ、ルゥシールの笑顔をもっと見ていたいと、そう思うことしか出来なかった。


「……それならそうと、もっと早く言ってくれればよかった」

「そうだぞ、ルゥシール。水臭いヤツめ」

「あ、いえ……出来る限り戦闘は回避したいと思いまして……一応は同じ種族ですし、とても危険ですし、どちらにとってもいい結果にはならないかと……」


 こんな重要なことを黙っていたルゥシールにフランカとテオドラは少し不満そうに漏らす。

 ルゥシールは困り顔ながらも、どこかホッとしたような表情を見せる。


「みなさん。……ご主人さん」


 ルゥシールが改まって俺たちに頭を下げる。


「ご迷惑をおかけします。ですが……」


 そして、頭を上げるとにこりと微笑んだ。


「よろしくお願いします」

「……任せて」

「当然だ」


 フランカとテオドラは即答する。

 そして俺はというと……


「まぁ…………なんとかなるだろう」


 お前は笑っていればいい。

 そんな言葉を言いかけて、大慌てで誤魔化した。

 なんというか、素直にそういうのは、ちょっとだけ、……恥ずかしかった。


「そっちのちびっ子も、大船に乗ったつもりでいろ」

「ちびっ子では、ない。私は、あなたよりも年上」

「年上だろうがなんだろうが、ちびっ子じゃねぇか」


 と、俺は自分の胸をぺたぺた押さえながら言う。ふふん、ちびっ子め。


「…………なら、そっちの黒い人もちびっ子」

「……あら、目の前に敵がいるわ。【搾乳】、戦闘準備を」

「まぁ、待てフランカ。相手は子供ではないか!」


 シルヴァネールの言葉にフランカが魔法陣を展開し、それをテオドラが宥める。

 まったく、騒がしい連中だ。なんでこんなことになったんだ?


「私の体は、光の【ゼーレ】を使う度に少しずつ消失しているだけ。本来ならそっちの剣士くらいはある……はず」

「……所詮は仮定の話ね」


 フランカの否定が早い。やや食い気味だ。


「ルゥシールほど、とは言わないんだな」

「ルゥの胸は異常」

「い、異常ってなんですか!?」

「……やはり、ドラゴンの中でも異常だったのね」

「異常なのか。なるほど、納得だ」

「お二人とも、変に納得しないでください! わたし、普通ですからね!?」

「……それが普通なわけあるかぁ!」


 フランカがクレッシェンドで叫ぶ。

 ルゥシールの胸が普通な世界…………うん、いいじゃないか!


「ルゥは闇の【ゼーレ】で飲み込んだ魔力を全て胸に蓄えているだけ」

「そんなことしてませんよ!? シルヴァ、嘘はやめてください!」

「……ルゥシール! 今すぐ闇の魔法を教えて!」

「してませんってば! フランカさん落ち着いて!」

「ルゥの胸はチート。ズル。不正。偽物っ!」

「偽物ではありませんよ!?」


 そう言って、天然ものの膨らみをゆさりと揺らす。

 うむ。やはり天然ものは張りと弾力が違うな。


「ズルも不正もないですよ。勝手にこうなった……いわば、自然現象です!」

「……自慢かっ!?」

「勝利者の余裕かっ!?」


 フランカとシルヴァネールの声が重なる。

 こいつら、仲良くなれそうだな。


「まぁまぁ、フランカもシルヴァネールとやらも、胸の大きさなど取るに足らないことではないか」

「……そこそこあるテオドラには分からない!」

「黙っていて、そこそこ!」

「そこそことか言うのはやめてくれまいか!?」


 テオドラは、藪をつついて蛇を出したかのごとく、ナインちゃんズの『口撃』を一身に受ける。

 まぁ、これはテオドラが悪いわな。


「テオドラ。おっぱいは大きければ大きい方が価値があるんだぞ」

「諸悪の根源は口を挟まないでもらおうか!」


 酷い言われようだ。

 まるで俺が悪いみたいに。諸悪の根源って……


「私は、光の【ゼーレ】によって体を失いつつあるから……これくらいの体型ならこの程度の膨らみが妥当。別におかしなことでは……」

「ねぇねぇ、みんなぁ。テントの用意が出来たよぉ」

「ロリ巨乳だとっ!?」


 シルヴァネールのキャラがどんどん崩壊していく。

 自分と同じくらいの体格で、ルゥシールばりの巨乳を携えたメイベルの登場に、もはや理性を保っていることが出来なくなったのだろう。

 なんとなく、劇画タッチな集中線が背後に見える気がする。


「さては…………闇魔法使い」

「……メイベル、あなたそうだったの?」

「違うよぉ、どうしたのお姉ちゃん?」


 シルヴァネールとフランカの気迫に、メイベルが少し後ずさる。

 つうか、闇魔法使いといえばフランカっぽいけどな。当初は呪い系の魔法を使ってたし。


「あの、シルヴァもフランカさんも落ち着いてください。胸には奪った魔力は詰まっていませんよ」

「そうだぞ。おっぱいに詰まっているのは夢だ!」

「ご主人さんは少し黙っていてください!」


 ちぇ~、また邪魔者扱いかよぉ。


「シルヴァ、胸は大人になれば自然と大きくなるものなんですよ?」

「……大人って、いくつからかしら?」

「なんでフランカさんが食いついてくるんですか!?」

「……十五はまだ子供かしらっ!?」


 まぁ、ウチの国では成人扱いだな。


「私だって、今年でもう――」

「わぁーっ!」

「――歳になる。…………どうしたの、ルゥ?」


 シルヴァネールの言葉の間に、ルゥシールの絶叫が割り込み、一部が聞き取れなかった。


「わたしが、シルヴァより先に生まれていることが知れている以上、シルヴァの年齢も知られるわけにはいきません!」

「ルゥは気にし過ぎ。全然――」

「わぁーっ!」

「――歳には見えない。それに――」

「わぁーっ!」

「――歳にしては、随分と若く見える」


 見事に年齢の部分を隠し通している。

 ルゥシールの執念を感じる。


「ルゥは、若く見えるよ?」

「若く見えるといわれてちょっと嬉しい時点で、わたしはもうダメなんですぅっ!?」


 ルゥシールにはルゥシールなりのコンプレックスがあるようだ。


「ちなみに、ドラゴンの成人っていうのは何歳なんだ?」

「それは――」

「わぁーっ!」

「――歳」


 おしい。

 まるで聞こえなかった。


「ご主人さん! 女性の年齢を探るようなマネはしちゃダメですよっ!」

「いや、お前が成人するとドラゴン軍団が来るって言うからさ。情報だよ情報」

「うぅ………………もうすぐです!」


 ザックリした情報だなぁ……


 まぁ、とにかくもうすぐルゥシールは成人し、闇の【ゼーレ】は覚醒するわけか。

 そうなったら数千のドラゴン軍が押し寄せてきて……


 それを俺たちみんなでぶっ飛ばす!


 うん。

 今後の予定はこんなところだろう。


「まぁ、なるようになるだろう」


 ドラゴン軍ってのの力は未知数だが、来る時は来る。

 今から憂慮していても仕方がない。


「シルヴァネールも、もう一人で頑張らなくていい」

「……っ!?」


 シルヴァネールの目が大きく見開かれる。

 大きな瞳は微かに揺れて……徐々に涙が溜まっていく。


「私は……別に…………ただ、ルゥを守り……たくて……」


 こいつには、頼れる者がいなかったのだろう。

 もしかしたら、唯一頼れる存在がルゥシールだったのかもしれない。

 光の【ゼーレ】が芽生え、ゴールドドラゴンの使命を押しつけられ……その宿命に抗うために己の身を削ってでもルゥシールを救おうとした。

 辛い時に身を寄せる相手もおらず。

 迷った時に話せる相手もおらず。

 泣きたい時に胸を貸してくれる相手もおらず……


 シルヴァネールは一人で闘ってきたのだ。

 ただ、大切な人を失いたくない一心で。


「よく、頑張ったな」


 目の前まで行き、頭を撫でてやる。


「……ひぐっ」


 ルゥシールの腕に抱かれながら、シルヴァネールは喉を詰まらせる。

 涙があふれ出し、幾筋もの跡を残し頬の上を滑り落ちていく。

 堪らず、ルゥシールの胸に顔をうずめるシルヴァネール。

 豊かなふくらみに顔を埋め、小さな肩を震わせる。ドラゴンとしてのプライドか、子供特有の意地か……シルヴァネールは嗚咽を漏らすまいと頑張っているようだった。

 そんな姿を見て、俺は思わず呟いていた。


「いいなぁ……おっぱいに顔を埋められて」

「他に感想はないんですか、ご主人さん!?」

「だってお前、前から右から左から……その気になれば後頭部まで包み込めるんじゃないか?」

「流石にそこまでは伸びませんよ!?」

「ルゥシール。…………『努力』と、言う言葉がある」

「いい話風に持っていこうとしても無理ですからね!?」


 努力の尊さを解さないルゥシールの腕に抱かれ、シルヴァネールが少し笑った気がした。

 伏せていた顔を上げるシルヴァネール。

 長いまつげが濡れ、あどけなさの中にか弱さが配合され、たまらなく保護欲を掻きたてられる。そしてまた、この窺うような上目遣いが何とも言えない。

 ドーエンがここにいたら、一瞬で脳みその血管が破裂していたかもしれない。それほどの破壊力だ。


 シルヴァネールは、俺をじっと見つめたまま、おずおずと、少し恥ずかしそうに、微かに聞き取れるくらいの小さな声でこう言った。


「…………ありがとう、…………おニィちゃん」

「「「あざとっ!?」」」


 凄まじい破壊力を持ったシルヴァネールの発言の直後、ルゥシール、フランカ、テオドラの三人が声を揃えてそんなことを言う。

 あざといとは何事か!?

 こんなに可愛い幼女を捕まえて!


「……この娘は、自分の容姿を理解した上で、緻密な計算を行っている」

「うむ……自分の容姿に自信がなければ出来ない芸当だ……」

「見えます……ご主人さんの心がぐゎんぐゎん揺れている様が、わたしにははっきり見て取れますっ!」


 まったく、なんてヤツらだ。

 こんなピュアで純粋で無垢な幼女の行動を、そんなうがった視線で見るだなんて……


「シルヴァたんの悪口を言うな!」

「まんまとしてやられているじゃないですかっ!?」

「シルヴァたん、マジ天使」

「……【搾乳】の病が悪化している……幼女は守備範囲外だったはずなのに」

「シルヴァたんはお菓子とぬいぐるみとおニィちゃんが大好き」

「主が勝手な設定を捏造し始めたぞ!?」

「シルヴァたんはトイレも行かない!」

「いや、それは流石に……行かなかったら病気になりますからね? 分かりますよね、ご主人さん?」


 物凄く心配そうな目つきで、ルゥシールが俺を覗きこんでくる。

 両腕を掴み、激しくゆする。

 えぇいやめろ! 俺の両腕はシルヴァたんを抱きしめるためにあるのだ!


「ダメです! ご主人さんが目を覚ましません!」

「……こうなったら、やむを得ない…………」

「何か、切り札があるのか、フランカよ?」

「……この手だけは使いたくなかったけれど…………」

「そこをなんとか、お願いします、フランカさん! ご主人さんの目を覚まさせるために!」

「…………分かった」


 ルゥシールに代わり、フランカが俺の前に立つ。

 えぇい、退くのだ! シルヴァたんが見えないではないか!


「……【搾乳】、聞いて」

「シルヴァたんは天使! シルヴァたんはみんなの妹!」

「……その天使には………………胸がないわ!」

「………………」

「あぁっ!? ご主人さんが黙りました!?」

「葛藤しているのだ! 今、主は、理想と現実の狭間で葛藤を繰り返しているのだっ!」


 翼のない天使なら、聞いたことがある。

 けれど…………胸のない、天使……だと?


「効いている! 効いているぞ! フランカ捨て身の切り札が!」

「はい! フランカさんが自分の心を切り裂いて発した渾身の自爆ワードがご主人さんの心に突き刺さっています!」

「……あなたたち、後で話があるから」


 胸のない…………天使…………胸………………む…………天使のちっぱい……


「……ちっぱいが、好きだ…………」

「ちぃっ! ダメかっ!?」

「ご主人さん、しっかりしてください!」

「……ちっぱい好きは、別に悪ではない……まぁ、私はちっぱいではないけども」

「…………でも、下乳の方がもぉ~っと好きですっ!」

「主が戻ってきたぞ!」

「ご主人さんっ!」

「……喜ぶべきか悲しむべきか判断に悩む……っ! まぁ、私はちっぱいではないけども」


 俺は、一体何をしていたんだ……

 危うく、自分を見失うところだった。


「……ドラゴンとの決戦は、熾烈を極めるかもしれんな」


 ちっぱいでこの威力だ。

 ルゥシール並みのドラゴンが大量に押し寄せてきたら……俺は俺でいられるだろうか?


「おぉ、主が格好をつけておっぱいの話をしているぞ」

「キメ顔なのに残念な感じが払拭しきれていませんね」

「……【搾乳】は所詮、この程度」


 なんだか言われ放題だ。

 精神世界の壮絶な戦いに勝利して舞い戻ってきたこの俺に対して失礼ではないか?


「おニィちゃん……」


 俺のズボンを、シルヴァネールがちょいちょいと引っ張る。

 もう心を奪われることはないだろうが、その仕草はやはり可愛い。


「龍族は本気でルゥを……闇の【ゼーレ】を怖がっている」


 ドラゴンの【ゼーレ】は生命を司る。

 その【ゼーレ】を消失させる闇の【ゼーレ】。

 ドラゴンにとって、最大の脅威。


「闇の【ゼーレ】が覚醒すれば、一族の存亡をかけて襲い掛かってくる。正直……人間に太刀打ち出来るレベルじゃない」

「それでも、だろ?」


 俺はシルヴァネールの小さな頭に手を乗せる。

 片手にすっぽりと収まりそうなほど、小さな頭だ。


「それでも、お前はルゥシールを助けてほしい」

「……うん。無茶を言っていることは、承知している……けれど」

「心配すんな」


 ドラゴンだろうが魔神だろうが超イケメンだろうが、ルゥシールにちょっかいをかけるヤツは俺が許さねぇ。


「ルゥシールが自分で出て行くと言うまでは、誰にも渡さねぇよ」

「……ご主人さん」


 ルゥシールが声を詰まらせ、そして深々と頭を下げる。

 やめろよ。

 仲間を守るのは当たり前だろうが。

 まぁ……仲間ってだけじゃ、…………無いかもだけどな。


「……うん。期待、する」


 シルヴァネールはそう呟き、俺の腹に頭をぶつけてきた。

 トスッと軽い音と共に、温かい感触が腹に伝わる。

 和むような空間。


 そこに、場違いな声が響いてくる。


「いやぁ~、甘い! 甘いッスねぇ~!」


 神経を逆撫でするような軽い口調と人を小馬鹿にするような声音に視線を向けると……真っ黒な体をした巨大なゴーレムが一体立っていた。

 その肩に、軽薄そうな笑みを顔に貼りつけた男が立っていた。


「そんな甘い認識じゃ、死んじゃいますよ……マジで、ね」



 その男は、軽薄そうな笑みの向こうに闇を凍りつかせるような冷たい感情を潜ませて、俺たちを見つめていた。









いつもありがとうございます。


前回の流れを汲みつつも、いつもらしい話に戻ってきました。

やっぱり、本文に「おっぱい」が含まれていると落ち着きますね。

あるべき姿というか、人として終わり果ててしまったというか。



今回はタイトルに悩みました。


『 ルゥシール>メイベル>テオドラ>シルヴァネール=フランカ 』


に、しようかと思ったのですが、



『重要なネタバレ』



になる恐れがあったのでやめました。


ここまでご一緒くださった皆様であれば、

上記のタイトルで「お、今回おっぱい出て来るのか。どれどれ……」と察することでしょう。

でも、

しかしですよ?

よく考えてください。





おっぱいは不意にやってくるからこそ素晴らしい!




ねぇ、そうでしょう!?

違いますか、皆さん!?




「あ、この人おっぱい出すんだろうなぁ」という人のポロリと、

全く期待していないところでのポロリ、

どちらに価値がありますか!?


私は思うのです、

エロ本の全裸よりも少年誌のパンチラの方が高価値であるとっ!!



超有名ストリッパーの過激なヌードよりも、

街ですれ違うJKの生足の方が魅力的なように、

身構えていない時のさりげない『ラッキー』には、それだけで価値があるのです!



そんなわけで、

タイトル一つとっても、細心の注意が必要なのです。


読み終わった時に、

程よい満足感が残る作品。


そんなものを、私は書きたい。




あ、ちなみに、町中でJKの生足をガン見したりはしていないので大丈夫ですよ。

あくまで例えとして挙げただけで、

全然、

決して、

ウォッチングとかしてないので都条例的にもセーフなはずです!


ですが、まぁ……

明日あたり、

この作品のページがなくなっていたら、

「あぁ、セーフじゃなかったんだ……」と、思っておいてください。



法律が許す限り続けます!




今後ともよろしくお願いいたします。


とまと


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