最終話 どうも。先日助けていただいたダークドラゴンです
すべてが終わり、ゆっくりと大地に足を着ける。
「あぁ~…………疲れた」
なんだかホッとする。
荒れ狂う魔力も、爆発音も、悲鳴ももう聞こえない。
平穏な世界だ。
「お疲れだったな、マー坊」
と、そんな俺の平穏に、膨大な魔力を持って土足で踏み込んでくるヤツが一人……お袋だ。
お袋は、ただそこにいるだけで夥しい量の魔力を放出し続けている。
普通にしているだけで大戦争規模の騒がしい魔力だ。
「……旅行先の宿でこっちが寝たいにもかかわらず『ねぇ、もう寝たぁ?』って聞いてくるヤツばりに、疲れた時にはそばにいたくないタイプだな」
「酷い言われようだな。折角あんたの危機を感知して魔界から駆けつけてやったってのに」
まぁ確かに、絶妙のタイミングではあったけどな。
「でも、よく我慢したな」
「ん?」
「戦闘に参加しなかっただろ? 歯がゆかったんじゃないのか?」
「まぁ、多少はな。だが、この世界のことはこっちの住人がなんとかしないとな。でしゃばり母さんは息子に嫌われるとも聞いていたしな」
どこ情報だよ……
『ご主人さん!』
次いで、ルゥシールが舞い降りてくる。
俺の目の前に着地し、巨大な体を丸めて俺の顔を覗き込んでくる。
また魔力の凄まじいヤツが増えた……
「……なんで人間の姿にならないんだ?」
『戻れないんです』
は……?
「じゃ、じゃじゃじゃじゃじゃじゃあっ、おま、お前の、お、お、おおお、おお、おっぱいはっ!?」
『真っ先にそこを心配しないで下さいっ! ……まったく、ご主人さんは、まったくなんですから……』
だから語彙が少ねぇって。
『今、わたしの中には無数の【ゼーレ】が眠っています。これを取り出してきちんとあるべき場所へ戻すまで、人間の姿には戻れません』
この場所に集まっていた数千の【ゼーレ】の大半がルゥシールの中で眠っているのだ。
たった五つの【ゼーレ】を持っていただけのブルードラゴンでさえあのパワーだったのだ。
龍族最強のダークドラゴンでさえ、抑え込むのが大変なのだろう。
『この姿でなんとか抑えつけていられるような状態なんです。人間に戻るときっと暴走させてしまいます』
「じゃあ、ずっとドラゴンのままなのか?」
それはちょっと、……困るな、色々と…………
「……そう、例えばお尻枕とか……」
『ご主人さん、声に出てますよ……』
はっ!?
いつまでたってもこの癖が直らない……
『まったくもう……ご主人さんはわたしの、そういうところしか好きじゃないんですか……?』
「そんなわけないだろう!」
それは酷い誤解だ。
「俺は、お前の頑張り屋なところとか、真っ直ぐなところとか、人にやさしいところとか、穏やかなところとか、包み込んでくれるような柔らかさとか、歩く度に揺れる雄大さとか、たゆんたゆんだばい~んなところとか……っ!」
『途中からおっぱいの話ばっかりになってますよっ!?』
「いや、だから! みんな好きなんだよ! 特におっぱいが好きなだけで!」
『……まぁ、ご主人さんだから仕方ないですけど……』
肩を落とし、ルゥシールは嘆息する。
けれど、その後柔らかい笑みを浮かべた。
『でも……嬉しいです。好きと言ってくれて』
俺が腕を伸ばすと、ルゥシールは大きな体を丸めて顔を俺のそばに近付けてくる。
頬を撫でてやると、気持ちよさそうに目を細めた。
まぁ、この姿のルゥシールも好きかな。
「住む家は相当大きなものにしないとなぁ……」
『あ、いえ。人間に戻れるよう努力はしますよ? というか、少し時間はかかりますが、人間に戻れるようにしてきますから』
「え……?」
サラッともたらされた重大発表に、一瞬思考が停止する。
……えっと、それって…………
「つまり……どっか、行くの?」
『あ…………はい』
また……離れ離れになるのか?
『あ、で、でも! スグ! すぐ戻ってきますよ!? 龍族の聖域へ行って、体内の【ゼーレ】を父上に取り出してもらうだけですので! 安全ですし、今度はきちんと戻ってきますし! ただ、聖域への立ち入りは……その…………ですのでっ! 待っていて…………くれますか?』
しゅんとして、申し訳なさそうに上目遣いでこちらを見てくる。
大きな体を小さくして、怒られるのを恐れる子供のように……
ったく……そんな顔すんなっつうの。
これじゃあ、わがままも言えやしない。
「分かった。待っててやるから……」
でも、少しだけ……
「なるべく早く帰ってこいよ」
『…………はい』
もう一度、頬を撫でる。
鱗の感触が肌に伝わり……少し寂しい。
が、うん、やっぱ、人間の姿の方がいいもんな。
ぽい~んだし。
「んで……エンペラードラゴンは大丈夫なのか?」
俺は辺りをぐるりと見渡し、エンペラードラゴンの姿を探す。
確か、アイスドラゴンを救うために闇に飲み込まれたはずだが……
「ふん、貴様に心配されることなど何もないわ」
背後から、不遜な声が聞こえてくる。
振り返ると、エンペラードラゴン――ロッドキールが立っていた。
……もう完全にただのボロ布と化したフランカのスカーフで懸命に前を隠しながら。
「……大丈夫か、お前?」
「心配されることなどないというのにっ!」
いや、心配だよ……一族の長がただの露出狂に成り下がっちまったらよ。
「お前の威厳とか、地に落ちまくりだな」
「誰のせいだっ!?」
俺のせいではないと思うのだが?
「しかしながら……貴様の活躍には感謝する」
「は?」
「だからっ……何度も言わせるな。貴様の活躍に免じて……ルゥとのことを、認めてやると言っているのだ」
こいつ……
「ほぼ全裸でなに父親っぽいことを……」
「格好と父親であることには何の関係もないだろう!?」
いや、でも……
例えば、結婚の挨拶に行った先で父親がほぼ全裸で偉そうにしてたらどうよ?
「裸族かっ!?」くらいは言うだろう、普通。
なので、一応言っとくか。
「裸族かっ!?」
「ドラゴンの時は普段から裸で生活しとるわ!」
はっ!? ってことは、現在のルゥシールも!?
『その流れでこっち見ないでくださいっ!』
向こうを向かれてしまった。
なんだろう……全然悔しくない。やっぱ、肌色って偉大なんだな。
「とにかく。しばらく時間はかかるが、ルゥの中の【ゼーレ】はすべて取り出し、また他の者たちへ付与するつもりだ」
「大丈夫なのか? 暴走した【ゼーレ】をもう一度信用して」
「確かに、危険はあるかもしれん……だが、我ら龍族に【ゼーレ】が必要なのもまた事実」
【ゼーレ】がなけりゃ、龍族は全員ニヒツドラゴンだからな。
まぁ、必要か。
「今後は、もっと広い視野で一族の幸せを考えていこうと思う。……もう、娘を悲しませるようなことはしたくないからな」
ふと見せた寂しげな表情は、父親の顔をしていた。
これまで、頑ななまでに一族の長として振る舞っていたロッドキールが、素直に見せた親の顔。今回の戦いで、こいつは少し変わったのかもしれない。
「……広い視野で、一族の幸せを…………だと?」
ロッドキールの言葉を嘲笑するように、アイスドラゴンが俺たちの前に立ちはだかる。
どこから手に入れたのか、ぼろきれのような布で辛うじて体を隠している状態で。
「ド巨乳リターンズ!」
『ご主人さん、状況を考えて自重してください!』
窘められてしまった。
「しかし、丸裸で立ちはだかっているから!」
『ご主人さんっ!』
より強く窘められてしまった。
アイスドラゴンは、酷く歪んだ表情を見せ、憎しみの視線をロッドキールへと向ける。
「妹を……ラミラを殺した貴様が…………いや、ラミラの死を悲しむことすらしなかった貴様が、幸せなどと口にするな! 本当に大切なものも分からぬ愚か者めが!」
アイスドラゴンの全身は傷だらけだった。
膝が微かに震えている。
もはや、戦う力など残っていないのだろう。
それでも、ロッドキールへの抵抗は止めない。……国が国なら、その場で殺されていてもおかしくない行為だ。
もっとも、アイスドラゴンはそんなことを気にもしないのだろうが。
「娘に優しく出来るなら…………妻にも……あの娘にももう少し…………思いやりのある言葉でも……」
こいつは、妹が死んだことが悲しいんじゃない。
妹の死を当然のこととして受け止めているロッドキールが許せないのだ。
仕方がなかったと割り切ってしまっているこの事実が、堪らないのだ。
「あんたにとってラミラは……所詮、一族存亡のための道具に過ぎなかったんだ……子孫を残すための、都合のいい……」
『そんなことはありません!』
何も語らないロッドキールに代わって、ルゥシールが口を開いた。
堪らずに、言わずにはいられなかった、そんな感じで。
『父上は、母上のことを誰よりも愛していましたよっ!』
思わぬところからの反論に、アイスドラゴンは微かな戸惑いを見せたが、すぐに表情を戻し、今度はルゥシールへと牙を剝く。
「愛していた者が死んで、平然としていられる者がいるのかい? こいつはどうだった!? ラミラが死んだあの日、いつもと変わらなかったではないか! ラミラの死を、ただの報告のように皆に語っただけではないか…………っ!」
いや、ちょっと待てよ。
そりゃそうだろうよ。
一族の長が、妻の死を嘆き、民衆の前でむせび泣くなんて、そんなこと出来るわけないじゃねぇか。
ましてや、それは『ダークドラゴンの力がゴールドドラゴンに勝った』という、一族存亡にかかわる重大事項なら、なおのことだろう。
けれど、信条として……姉としては許せなかったのかもしれないな。
ただ一言、何か言葉があれば違ったのかもしれないが……
「この男は、ラミラのことを愛してなどいなかった! でなければ、あんな…………平然としてなど……っ!」
アイスドラゴンの声が詰まる。
感情がコントロール出来なくなっているのだろう。
それに対し、ルゥシールは静かに言葉を返す。
『平然となんて、していませんでしたよ……』
チラリと、ロッドキールを見る。
ロッドキールは黙って、目を伏せていた。
『わたしは、後にも先に、あれほど気落ちしている父上を見たことはありません……』
「そんな素振りは微塵も……」
『人前では、確かにそうだったかもしれません。けれど……誰もいないところでは、ずっと泣いていたのですよ』
「ルゥ……お前、知っていたのか?」
少し、バツが悪そうに、ロッドキールが言う。
『はい。偶然……何度か見てしまって……』
「……そうか」
それに気付かないほど、ロッドキールは気落ちしていたということなのだろう。
『父上は、母上のことを思い出し、よく泣いていました』
「…………嘘だ。私は信じないよ、そんなこと」
『嘘ではありません! 母上が使っていた食器を今でも大切に残してあるんです!』
「そんなの……ただ、捨て忘れただけで……」
『寝室も、ずっとそのまま残してあります! 母上の使っていた寝具も、いまだに敷かれたままです!』
「……それは……どうせ…………」
『母上が亡くなってからしばらくの間、父上はずっと母上の布団で寝ていました!』
「…………え?」
『母上の香りの残る布団に包まって、夜中までふがふがくんかくんかして過ごすのが父上の日課でした!』
「ぅわぁ……」
『それが、数週間もする内に自分の匂いに上書きされて……枕がオッサン臭くなって何とも言えない表情を浮かべていた父上を、わたしは見ましたっ!』
「あぁ……うん、ルゥよ。その話は、もうそのへんでいいんじゃないかな?」
アイスドラゴンがドン引きして口を閉ざし、代わりに表情をこわばらせたロッドキールがルゥシールを制止しようと口を開く。
しかし、ルゥシールは止まらない!
『布団から残り香が失われた後は、ちょっと自分を見失って母上の下着を身に着けることだってあったほどなんですよ!?』
「ルゥ、もうやめなさい! 威厳が! 父さんの威厳がっ!」
『それほどまでに、父上は母上を愛していたんですっ!』
「愛のお話なのに、父さん赤っ恥だよっ!」
ルゥシールは訴えかけるような目でアイスドラゴンを見つめ、ロッドキールは「違うんだ! これには深いわけがあるんだ」と訴えかける目でアイスドラゴンを見つめている。
「…………方向性は、かなりおかしいが……ラミラを愛していてくれたことは、嫌というほどよく分かった……方向性は激しく間違っているが……」
アイスドラゴンが折れた。
…………いや、折れたのは心かもしれないが……とにかく、歩み寄る姿勢を示した。
「……本当は分かっていたんだ。私がやっているのは、ただのワガママだということが。ラミラを失って……その悲しみが行き場を無くしてしまって…………エンペラードラゴンを恨むことでしか、自分を保てなくなって…………こんな、取り返しのつかないことを……」
そこまで言って、アイスドラゴンは勢いよく地面に手を突いた。土下座だ。
「許されるとは思っていない……ここで命を取られても文句はない……どうか、私が壊してしまったものを……一族の平穏をもう一度作り直してほしい…………このままじゃ、あの世でラミラに会わせる顔がない……バカな姉と、怒られてしまう」
それは、許しを請う土下座ではなく、懇願の土下座だった。
アイスドラゴンは、自分の命になど執着はしていない。むしろ、生を諦めているようですらある。
その上で、これからのことを託そうというのだ。
自分の犯した過ちのせいで一族が滅びてしまわないように……
けれど、そう甘くはないのが世の中だ。
「立て……」
「…………」
「これは命令だ」
「…………はい」
ロッドキールは、淡々とした口調でアイスドラゴンに言う。
アイスドラゴンも、素直にそれに従う。
「残念ながら、貴様の頼みは聞いてやれん」
「…………なぜ、ですか?」
「貴様には、まだまだやってもらわねばならないことがある。アイスドラゴンとして……私の右腕としてな」
「……けれど、私は…………」
「過ちを犯したからこそ……もう二度と同じ失敗を繰り返したりはしない」
「…………」
「今のお前ほど、信用出来る者はいないと……私は思うがね」
「貴様」が「お前」に変わった。
これが、ロッドキールなりの、精一杯の返事なのだろう。
つまり、「お前を許す」という――
ホント、お人好しなヤツだ。
「…………命の続く限り……龍族のためにこの身を捧げると、誓います」
片膝を突き、ロッドキールに向かって首を垂れる。
アイスドラゴンがロッドキールに忠誠を誓った。
これで龍族は何とかなるだろう。
なんだかんだと、責任感の強い二人がこうして和解して、手を取り合ったのだから。
まぁ、もっとも……二人ともほぼ全裸なんだけどな。
シュールな絵だなぁ……
『ちなみに、最初ブラの外し方が分からなくて三日間つけっぱなしにしたということが……』
「ルゥ! もういいから、その話!」
相変わらず止め時を読み切れないんだな、ルゥシールは。
いい感じで和解したのに、今のでアイスドラゴンがロッドキールからちょっと遠ざかっちゃたじゃねぇか。
「と、とにかく!」
ごほんごほんと、ワザとらしいくらいに咳払いを挟み、ロッドキールが俺に向かって言う。
「ルゥの中の【ゼーレ】を取り出すことは、我々龍族全体にとっても重要なことになる。私を信じて、託してはくれないか?」
真剣な瞳が俺を見つめる。
一度ルゥシールへと視線を向けると、ルゥシールは不安げな表情ながらも、俺に向かって頷いてみせた。
「…………分かった」
ここで、俺が我を通すのは、きっと違うんだろうな。
「ルゥシールのこと、よろしく頼む」
「うむ。任せておくがいい」
ロッドキールが手を差し出してくる。
あぁ……本当はこれだけで済むことだったんだよなぁ。なんか、随分遠回りをした気がするが……
俺は差し出されたその手を握り、しっかりと握手した。
信頼し合うってのは、時間と手間がかかるものだ。
これでようやく、龍族との問題は解決したわけだ。
後は、こっちの問題も解決させないとな。折角当事者自ら出向いて来てるんだし……
「ロッドキール。ダークドラゴンの力について、一つ提案があるんだがな」
「ん? 聞こうか」
俺はお袋に手招きをして、話を始める。
「魔界には強力な魔神が沢山いて、そいつらが毎日毎日有り得ないくらい魔力を生み出しているんだ。お袋が顕著な例なんだが……」
こうやって話している間にも、お袋の体からは大量の魔力があふれ出してきている。
これでも、闇の【ゼーレ】に大量に吸われてグッと量が減っている方なのだ。
「こんな放出を続ければ、あっという間に魔界は魔力で埋め尽くされ生き物が生きられない世界になってしまう」
そもそも、【大魔戦争】のきっかけは、魔力の飽和を防ぐために人間界へと穴を開けたことなのだ。その魔力が人間界に及ぼす影響は計り知れず、今後も対応を迫られることは避けられないだろう。
「そこで、闇の【ゼーレ】で定期的に吸収してもらいたい」
闇の【ゼーレ】はこれからも成長し続けることだろう。
そして、覚醒したルゥシールの力はもっともっと上がっていく。
魔力を飲み込まずにはいられない闇の力で、あふれ出して飽和状態の魔力を吸収する。
まさに利害が一致した状況だ。ウィン-ウィンの関係と言える。
「そうすりゃ、ダークドラゴンが世界を飲み込むだなんて、バカげた恐怖に支配されることもなくなるだろう?」
これで、ルゥシールが狙われる理由もなくなる。
後は、ウチの嫁と姑が仲良くしてくれれば万事OKだ。
「まったく……世界を、魔界もひっくるめて丸め込むとは…………貴様には完敗だよ、マーヴィン・ブレンドレル」
「それは、了承と受け取ってもいいんだな?」
「無論だ。素晴らしい案だ」
「んじゃ、決まりだな」
俺が魔界からこっちの世界に戻り、必死になって魔法陣を壊そうとしていた理由。
魔界の崩壊は、これで防ぐことが出来た。
俺の旅も、目的達成というわけだ。……やれやれだ。
「そういうわけだ、ドラゴン娘。ひとつよろしく頼むよ」
『はい。こちらこそよろしくお願いします』
お袋とルゥシールが見つめ合い、笑みを交わす。
「いびってやるから覚悟しろよ」
『そうしたら、老後の介護は放棄しますのでそのつもりで』
笑顔でなに怖いこと言い合ってんだよ……
怖ぇ……
嫁姑戦争、超怖ぇ……
「……そちらの問題は、もう解決したのかしら?」
話が一段落したところで、フランカとテオドラ、トシコがやって来た。
グリフォンは、なぜか俯いてそっぽを向いている。
頑なにお袋を見ないようにしている。……怖いのか?
「お~! グリグリぃ!」
「ちょっ! その呼び方やめてって言ってるでしょ!?」
お袋がグリフォンに飛びつき、うざい感じで絡み始める。
「どうだ? 空の覇者にはなれたか? そしてついには人間界侵略かぁ? この極悪魔神めぇ~!」
「あんた、分かって言ってんでしょう!? うざい女ねっ!? だから嫌いなのよ!」
「なんでだよぉ! あたしがこ~んなに可愛がってやってるのに」
「どこがよ!? あんたがやってるのは苛めよ苛め! そのグリグリした撫で方も痛いのよ!」
「はっはっはーっ! 知ってるぞぉ、ツンデレってやつなんだよなぁ?」
「もう! どんだけポジティブで自分を疑わないのよ、あんたはっ!? ちょっと、誰かこいつを黙らせてよ!」
……なんだ。知り合いか。
「……仲良さそうね」
「あぁ。放置しておこう」
その方が、お袋も大人しくなるだろう。
その間に、こっちはこっちで話を進める。
……こいつらは、みんな俺に好意を示してくれた。
龍族との決戦があったから先延ばしにしていたけれど……大切な仲間だからこそ、きちんと誠意ある返事をしなければな。
全員の顔を順番に見る。
フランカは相変わらずの無表情で……でも、どこか緊張しているように見える。
テオドラは……少し泣いたのか、目じりが赤い。
トシコは、珍しく大人しい。憂いを帯びた表情は、何とも言えず扇情的に見える。
みんないいヤツだ。
俺にとって大切なヤツら。
でも……
だからこそ、有耶無耶にしちゃいけない。
はっきりと、俺の気持ちを伝えるのだ。
「みんな、聞いて欲しい」
俺の言葉に返事は返ってこなかった。
けれど、全員の視線が俺に向いた。……よし、言うぞ。
「俺は……ルゥシールが好きだ」
胸が締めつけられて、一瞬言葉に詰まった。
……辛いもんだな、こういうことをはっきりさせるってのは。
「お前たちの気持ちは、本当……スゲェ嬉しかったし、俺なんかにはもったいねぇって思ったし……でも…………俺はやっぱ、ルゥシールが好きなんだ」
テオドラが顔を背けた。
頬を、涙が伝っていく。
トシコは静かに瞼を閉じる。深く、長い息を漏らした。
フランカは、ただジッと俺を見つめていた。
「俺、ルゥシールと結婚するんだ。もう決めたんだ……だから、お前らとは……」
「……【搾乳】」
全部を言い切る前に、フランカが俺を呼んだ。
静かな声で。
いつもと同じ感じで。
「……あなたの気持ちは分かったわ。……みんな、分かっていたわ」
そう言って、テオドラとトシコを見る。
同意を求めるように。
「……あぁ。ワタシも…………グスッ……すまない。理解はしているつもりなのだが……おかしいな……涙が止まらな…………っ!」
テオドラが顔をくしゃくしゃにして、しゃくりあげる。
……こいつにこんな顔をさせてしまうなんてな。
「仕方がない…………で、割り切れると楽なんだどもなぁ……こればっかりは…………辛いべなぁ」
独り言のようにトシコが呟き、また、長い息を吐き出す。
吐いた息が、微かに、震えていた。
「だが……諦めなければいかんのだよな」
「んだな…………はぁ……しょうがねぇべな」
テオドラが涙を拭い、トシコは長い髪の毛をかき上げる。
どちらも、これまでに見たことがないほどに女性らしい仕草で……いたたまれなくなる。
「ワタシも魔界に行って剣の修業でもしようかな」
「んだら、オラも付き合うちゃろうかね。……なんや、このまんま村さ帰ぇっても、切なくてやり切れねぇだろうし…………フランカ、オメさはどうするだ?」
「……私は」
全員の視線を受け、フランカはきっぱりと宣言する。
「……【搾乳】の嫁になる」
「「「………………は?」」」
えっと……ちょっと、意味が…………分からないん、です、が?
「フランカよ……主はもう、ルゥシールと……結婚、すると決めて……ワタシたちとは……」
「そうだべ……オラたちは……諦めなけりゃあ……」
「……諦めるの? 諦められるの?」
「いや……しかし……」
「しょうがねぇべや?」
「……そうかしら? 相手はアホのルゥシールよ?」
「確かに、おっぱい以外のスペックではトントンのアホのルゥシールではあるが……」
「そうだべ。アホのルゥシールだども、お婿はんが決めたことだで……」
『あの、みなさん……アホアホ言わないでいただけますかね……?』
なんとなく、流れが変わってきた気がする……そう、これは…………いつもの、こいつらだ。
「……確かに、【搾乳】はおっぱいにつられてルゥシールを選んだ」
『おっぱいだけじゃないですよ!? 色々な面を総合的に見て選んでくれたんですよ!? ね? そうですよね、ご主人さん!?』
とりあえず、今はこっちに振らないでくれるかな?
下手に手を触れると大やけどしそうな空気だから。
「……おっぱいだけなら、私たちにだって、まだ成長の余地はある!」
「んだな! おっぱいは天下の回りものち言うがやもんね!」
……いや、お前たちには回ってこねぇと思うぞ。
「まさか、フランカよ……ルゥシールと奪い合うと言うのか、主を?」
ここにきての宣戦布告か?
でも、そんなことをされても、俺の意志は固く……
「……いいえ。【搾乳】はルゥシールを見捨てないわ。それはあなたたちにも分かるでしょう?」
「……まぁ、それは…………たぶん、そうだろうな」
「……オラも、そう思うだ」
「……だから、『正妻』の座は譲りましょう」
…………正妻?
「……【搾乳】」
「え? な、なんだ?」
突然俺に話を振るんじゃねぇよ。ドキッとするだろうが。
「……あなた、王族よね?」
「え…………いや、俺は王子として認められてないっつうか、……この後、ブレンドレルの全権はポリメニスに譲るし」
「……でも、王族よね?」
「ま、まぁ…………一応」
「……なら問題ないわ」
問題ないって、何が問題ないんだよ?
「……王族なら、一夫多妻は当然。側室を何人もらおうが、誰からも責められないわ」
「『「「側室っ!?」」』」
意外な言葉に、俺とテオドラとトシコ、そしてルゥシールが声を上げた。
側室ってなんだよ?
一夫多妻?
はぁ!?
「……そうか…………主は王族……」
「一夫多妻も……有り、だべか……」
「いや、ちょっと待てお前ら! 俺はそんなつもりは……」
「……黙りなさい、【搾乳】。あなたの意見など聞いていないわ」
えぇ~……俺の意見ガン無視なのぉ!?
「……テオドラ、トシコ。これでもあなたたちは諦めて魔界に行くと言うの?」
「いや! ワタシには主に食事を作るという使命がある!」
「んだら、オラはお婿はんをお風呂に入れるだ!」
いやいやいや!
おかしくないか、なんか!?
『あ、あの、みなさん!』
このおかしな理論に待ったをかけたのは、唯一まともなルゥシールだった。
『流石に、ご主人さんの意見を尊重しないというのは……暴論と言いますか……』
「……ルゥシール。あなたはそれでいいの?」
『「それで」……とは?』
「……あなた一人が【搾乳】の嫁になるという、現状案でいいのかと聞いているのよ」
『それは……わたしとしては、そちらの方が……』
「……では、挨拶には一人で行くのね?」
『挨拶……って、ガウルテリオさんにですか? それでしたらもうすでに……』
「……いいえ。もう一人いるでしょう? …………強敵が」
『………………あ』
ルゥシールの顔から血の気が引いていく。
ダークドラゴンが真っ青になる。
『……王女パルヴィ』
声が掠れている。
そして、カタカタと小刻みに震え始めた。
「……ルゥシール。これは親切心からの忠告なのだけど………………一人で行くと、あなた死ぬわよ?」
どこかの怪しげな占い師みたいなことを言い出した……
それを真に受けてツボとか買わされるなよ、ルゥシール。
「……どうする? 私たちを受け入れる? それとも…………死ぬ?」
『わたし、皆さんのことも大好きですので! これからも一緒にいたいなぁとか思っていますので! どうか一つ、ご協力のほどよろしくお願いしますっ!』
って、おぉ~い!
俺の意見はどうなった!?
尊重しようぜ、俺の意見!
「……というわけだから。これからもよろしくね、【搾乳】」
「……フランカ、お前な……」
完全勝利のドヤ顔が、そこにはあった。
「えっと……つまり、これからも主と一緒に居られるということか?」
「んだ! その通りだべ! しかも……正妻はアホのルゥシールだべ……」
「……まだ逆転は可能、ということか?」
「んだ……まだまだ勝負はこれからだべ」
いやいや。もう勝負着いてるからな!
「あのなぁ、お前ら……!」
「……【搾乳】は………………そんなに、嫌?」
うっ……
フランカが、寂しげな表情を見せる。
普段無表情だからこそ、こういう時にそんな顔をされると……
「……主」
「……お婿はん」
……こいつら…………絶対分かってやってるだろう?
そういう空気にすれば、俺が断れないと…………
ルゥシールに視線を向けると…………困ったような、でもどこかでホッとしているような、そんな笑みを浮かべていた。……お前も、そっち側かよ。
「マー坊」
バチン! と、背中を力一杯叩かれた。
「…………ってぇな、お袋!?」
「養ってやんなよ。可哀想じゃないか」
「……可哀想とかで決めていいのかよ……」
「なに言ってんだい。生半可な気持ちで、こんなとこまでついてこられるもんかい。魔界で修行なんて、普通の人間には不可能なことだよ。まして、龍族にケンカ売るなんて……あんた、ここで何回死にかけた?」
お袋の言うことが正論過ぎて、一切反論出来なかった。
「そんだけの想いを、『他がいるから、ハイさいなら』ってのは、流石に気の毒だろうよ?」
「う~ん…………」
「もらうだけもらって、イラナイのから順に捨ててやればいいじゃないか」
「バカ! んなこと出来るか! こいつらは全員俺にとってずげぇ大事な……っ!」
と、そこまで言って、嬉しそうな目で俺を見つめるお袋に気が付いた。
「……『スゲェ大事な』……なんだい?」
「……く、ハメやがったな……」
視線をスライドさせると、感激と歓喜を滲ませた瞳で俺を見つめる三人娘がいた。
…………分かったよ。
分かりましたよ。
「まとめて面倒見てやるよ!」
「「「やったー!」」」
諸手を上げて喜ぶ三人娘。
そして、ルゥシールはというと……
『よかったですね。またみんな一緒ですよ!』
分かっているのかいないのか、誰よりも大はしゃぎをしていた。
まぁ、結婚とか側室とかは一旦置いておいて……しばらくは現状維持……保留ってことで、いい、の…………かな?
「よし! そうと決まれば、主の胃袋を鷲掴みに出来るよう、料理の腕を上げなければな!」
「……私も、豊胸体操に一層力を入れる」
「ほだらオラは絶対バレない乳パッドさ作るだ!」
おい、後ろ二人!
特に一番後ろ!
頑張る方向間違ってるから!
「ではルゥよ。そろそろ行くぞ」
ロッドキールの声に、ルゥシールは背筋を伸ばし、そして俺を見る。
頷きを交わすと、ゆっくりと返事をした。
『……はい』
引き延ばしても、前には進めないからな……今だけは、我慢だ。
ロッドキールは改めて俺の前に立ち、ほぼ全裸とは思えない渋さで俺に告げる。
「では、しばしの別れだ」
ロッドキールとアイスドラゴンがドラゴンへと変身する。
そこへ、ゴールドドラゴンが加わり、四頭のドラゴンが俺の目の前に並び立つ。
シルヴァネールは、一度俺に鼻先を近付けると、甘えるように擦りつけてきた。
撫でてやると嬉しそうに目を細め、そして、「きゅう」と可愛く鳴いた。
お前も体を休めて、また会いにこいよ。
お前とは戦いの場でしか一緒にいられなかったからな。今度ゆっくりと買い物でもしようぜ。
『ご主人さん』
ルゥシールが俺を見下ろす。
不安を隠すように笑みを浮かべて。
『では、行ってきます』
「おぅ。気を付けてな」
挨拶の言葉は短かった。けれど……
ルゥシールはそっと、俺にキスをした。
大きさが違い過ぎてちぐはぐなキスだったが……しばしの別れを惜しむように、俺もルゥシールにキスを返した。
割と長い時間そうしていて……互いの気持ちを確認し合ったあたりで、ルゥシールの唇が遠ざかっていく。
『…………』
「…………」
それから、俺たちは言葉を交わさなかった。
何も言わなくても、お互いの気持ちは分かり合えていると確信出来たから。
そうして、四頭のドラゴンは龍族の里へ向けて飛び立っていった。
後を追いたい気持ちが胸に広がるが……やめておこう。
帰ってくると、あいつが言ったのだから。
「……いつ帰ってくるかを、聞かなくてよかったの?」
フランカがそんなことを聞いてくる。
「あぁ……待ってりゃ、そのうち帰ってくるさ」
あいつの帰りを待ちながら生きるのもきっと楽しいもんさ。
「じゃあ、帰るぞ!」
とりあえずは、ブレンドレルへ。
そこから先は、またその時に考えるさ。
空を見上げると見事な茜色で、今日という一日の終わりを感じさせた。
クタクタだった俺たちは、魔力が有り余っているお袋の魔法で運んでもらうことにした。
俺たち四人にグリフォン、おまけにガーゴイルまで担いでいるというにもかかわらず、お袋は信じられないような速度で空を飛んだ。
俺たちが三日かけてやって来た道程をほんの半日で走破してしまったのだ。
「さすがにこれだけの人数を抱えてだとスピード出ないね」なんて言っていたので、全力を出せばもっと速いのだろう。
敵に回さなくて本当によかった。お袋には、流石に勝てる気がしない。
ブレンドレルに着いたのは、日付が変わって昼前のことだった。
お袋は魔力の関係ですぐに魔界に帰らなくてはいけないと愚痴っていた。
帰り際、ポリメニスに「さっさと魔力を抑える魔道具を作れ」とせっついていた。
作ったら面倒くさいのが頻繁に会いに来ると分かりつつも、作らなければそれはそれで面倒くさい目に遭わされることが分かっているポリメニスのジレンマたるや…………他人事なので別にどうでもいい。
あぁ、そうそう。おっぱいスイッチ、いろんな人がドン引きしてたぞ。
ウルスラやエイミーたちが俺たちを出迎え、「遅い」だ「こっちは大変だった」だのと文句を言われた。こっちの方が大変だったわ。
で、なんでか変態が増えていた。【破砕の変態】に【暴走変態】。
「そして、【荒ぶるボインのハンマー使い】ジェナ」
「変な二つ名をつけるな!」
ジェナは相変わらず短気だ。
フランカに会いに来たとかで、フランカを拉致して行ってしまった。
その後、パルヴィに会い、物凄く心配された。ちょっと過剰なほど心配されてしまった。
「もしおにぃたんの身に何かあったら……龍族を根絶やしにするつもりでしたですよ……」
なんていうのは、たぶん冗談だと思うのだが…………
「……特に、おにぃたんにちょっかいを出す、あの巨乳ドラゴンから真っ先に……です」
……冗談、だよ、な?
な?
もっと、色々と話をしていたかったのだが……さすがに疲れ過ぎた。
俺は用意された部屋へと向かい、ベッドに横になるなり泥のように眠った。
光も、音も、体の感覚さえも、すべてが無くなっていく。
そこにあるのは闇。
ただの闇。
そこには、闇と俺しかいなかった。
二人きり……
それがとても心地よかった。
どれくらい眠ったのか……目を覚ますと、部屋の中は真っ暗だった。
俺を包み込む闇。
あいつの言っていた通りだ。
闇は決してなくならない。
いつだって、闇は俺を迎え入れてくれる。
……一体、どれくらい待てばいいのだろうか。
フランカにはあぁ言ったが、正直不安はある。
なにせ、数千に及ぶ【ゼーレ】を体内へと取り込んでしまったのだ。
それをすべて取り出すだけでもかなりの時間がかかるだろう。
体力的な面も考慮に入れれば…………相当な時間がかかるはずだ。
不安じゃないわけ、ない。
「ルゥシール…………」
闇に向かって呼びかけるも、その闇は返事を返してはくれない。
「…………当たり前だっつの」
窓の外には大きな月が出ており、夜でも明るい。
城の中が静かだ。みんな眠ってしまったのだろうか。
月の高さからみて、……夜明けまであと四時間くらいか。
随分と深い時間だ。
こんな時間に起きてるヤツなんかいないよな…………と、思ったその時。
――コン、コン。
部屋のドアがノックされた。
月明かりに照らされた夜。
こうして一人で静かな時間を過ごしていると、不意にノックが……
俺は、この光景に覚えがあった。
部屋こそ違えど……このシチュエーションを、俺は以前経験している。
ベッドから起き、ドアへと近付く。
知らず、早足になり、たどり着いたドアの前で一度深呼吸をする。
そして、ゆっくりと……ドアを、開いた…………
「どうも。先日助けていただいたダークドラゴンです」
そこには、照れ臭そうな笑みを浮かべた、ルゥシールが立っていた。
……なんだよ。
もう人間に戻れたのか?
早過ぎんだろ。
あの別れ方は軽く一年二年くらい会えなくなるような、そういうシチュエーションだろ?
……ははっ。
ったく、相変わらず仕事が早ぇな、龍族ってのは…………
あまりに突然で、予想外の早さで……俺は言いたいことも何もまとめきれていなかった。
ただただ照れくさくて、言葉が出てこなかった。
……ので、静かにドアを閉めた。
『ちょっ!? なんで閉めるんですか!? 開けてください! あーけーてぇー!』
ドンドンとドアを乱打するルゥシール。
ここまで一緒とは、懐かしくて涙が出るね。
ドアを開けると、ルゥシールがドアの間に体を割り込ませてきた。
「な、なんだか、とても懐かしい寂しさを体験しましたよ、今!? あれって、あの時も結構つらかったんですからね、ドアのこっち側で!」
「そんなクレームを今更言われてもな……」
そもそもがだ、お前の登場の仕方が悪い。
なんでこんな夜中なんだよ、いつもいつも。
「だって……一秒でも早く会いたくて。……あの時も……同じ気持ちでしたし」
それでか、あんなに切羽詰まった様子だったのは。
まったく……こいつは…………
「ルゥシール」
「はい……あっ!?」
ドアに挟まるルゥシールの体を引き寄せ、力任せに抱きしめる。
「……おかえり」
「…………はい。ただいまです」
こうして、先日助けたダークドラゴンに恩返ししてもらう日々が、また始まったのだった。
ご来訪いただき誠にありがとうございます。
『どうも。先日助けていただいたダークドラゴンです』
完結です!!
どうにかこうにかやってまいりました。
もう少し書きたかったキャラとかもいたりするのですが、
龍族戦の後ダラダラやるのもどうなんだろうと思いまして、
このようなラストになりました。
でも、
もうちょっとだけ蛇足的な後日談とかは書きたいですね。
時間が出来ましたら、その時は、是非。
その場合は、別の小説として後日談書けばいいんですかね?
完結させてから再開とかってルール違反でしたっけね?
なんにせよ、何らかの形で書ければいいなと思います。
もう少し、アホのルゥシールも書きたいですし、
最初いかにも第二ヒロインっぽく出てきたエイミーも最後空気でしたし……
色々悔やむところなんかもありつつ……
でも、とても楽しく書かせていただきました。
途中から毎日更新を頑張ってみたりしましたが……
やってる方々、ホント凄いですね。
私はちょっと無理かもです。
徹夜とかしましたし。
あと、私の場合は質の問題が……
早く書くのもいいのですが、
もう少し練ったり見直したり「ここはこれがベストかな~?」みたいなことを考えたり、
そういう時間も私には必要なようです。
まだまだ精進せねばです!
なので、次はもう少しマイペースに。
でもですね、
毎日更新を頑張ったから出会えた方もいらっしゃるわけで、
タイミングも有りますのでね、
やってよかったと思います。
この出会いは、頑張った分のご褒美だと思っておきます。
お見苦しい点も多々あったかとは思いますが、
お付き合いくださった皆様、
チラッと通り過ぎた方々も含め、
どうもありがとうございました。
みなさん大好きですっ!
横乳の次くらいにっ!
パイスラとはいい勝負ですっ!
そして、頂いた多くのお言葉は、
一つ残らず胸に詰めて、偽パイのような感じで持ち歩きたいと思います。
あ、違った……胸にしまって、今後の糧にさせていただきます。
最後になりますが、
今作に少しでも触れてくださった皆様に最大級の感謝を込めて……
すっごく楽しかったです!!
どうもありがとうございました!!
とまと
(追伸:著者と読者様が素敵なおっぱいに出会えますように…………)