139話 切り札
「はぁっ……はぁっ……はぁっ……はぁ……っ!」
全力疾走なんて、どれくらいぶりだ?
手のひらを目いっぱい開いて、指は揃えてピンと、そして親指だけを直角に曲げ、右、左、右、左とテンポよく振る。それと連動するように足が地面を蹴り、それらすべての運動が心臓に「もっとエネルギーを寄越せ!」と負荷をかける。
心臓、破裂しそうっ!
『魔力が尽きたようだな、ムシケラッ!』
エンペラードラゴンが恐ろしい形相で追いかけて来る。
つい先ほどから、『娘にちょっかいを出す輩など虫だ! ムシケラだ!』という理由でムシケラ呼ばわりをされている。
……一部族の長がなんて品の無い…………
「へっ! 魔力はなくなってねぇけど、あえて走ってんだっつの!」
『苦しい言い逃れを! そうする理由などなかろうが!』
「ダイエット中なんだよ!」
『貴様は全然太ってないだろう!?』
「え~、そう見えるぅ~? 嬉ぴぃ~!」
『貴様は女子かぁっ!?』
無のブレスが容赦なく襲い掛かってくる。
かわす、かわす、かわしまくる!
後方を振り返っている余裕などない。
すべては勘だ。直感だけで背後から迫りくるブレスをかわしまくる!
今、あの結界に閉じ込められたら脱出する術がない。
俺には、もう魔力が残ってない。
マーヴィン・エレエレを試してみるも、エンペラードラゴンの鱗には無の結界が付与されているようで、これっぽっちも魔力が奪えない。
ケチケチしやがって、魔力あり余ってる癖に!
『観念して、世界から消滅しろ、ムシケラァ!』
まったく、人を世界規模の害虫みたいに……
せめて、どこかに身を隠せるような場所でもあれば小休憩が取れるのだが……
生憎、ここは荒涼たる大地。
あるのは平坦な干上がった大地だけだ。
くそ……こんな時に四天王でもいてくれれば…………囮に出来るのに!
もしくは魔力を根こそぎ強奪できるのに! 罪の呵責も一切なしに!
体内の魔力はスッカラカンになったが、ルゥシールから貰ったお袋が固定してくれた小さな魔力の核は俺の中に残り続けている。
そいつは、他のやつらと同様、時間が経てば回復する。
今みたいに、エンペラードラゴンというバケモノが魔力を盛大に放出し続けている状況なら回復も早い。
回復したそのわずかな魔力を回復魔法に変え、体の疲労をクリアにする。そして、また全力疾走だ。これで、なんとか今まで逃げおおせてきた。
『そろそろ限界だろう!? 観念せよ!』
「へっ! お前だって魔力を無駄撃ちし過ぎてヘバってんじゃねぇの!? さっきから全っ然高速移動してねぇじゃねぇか! アレ、疲れるんだってなぁ!?」
一番の脅威である高速移動――不可避の突進は相当疲労するのだとルゥシールが言っていた。
ルゥシールも一日に一度くらいしか使わない。
エンペラードラゴンは既に何度か使用していた。もう限界だろう。……だといいな。
『弱ったムシケラなど、これで十分だ!』
そうしてまたブレス。
つか、あのブレスって卑怯だよな!? 魔力使ってないのかよってくらい連発しやがって。
お前も一回くらい魔力切れになってみやがれ!
『……うっ!』
なんて思っていたら、一瞬エンペラードラゴンがよろめいた。
ブレスを吐ききった後だった。
まさか、ついに魔力切れか!?
『な~んて、ウソぴょん』
「お前、そんなキャラじゃねぇだろ!?」
『一瞬期待した? 残念ぷぅ~!』
ムカつくなぁこいつ!?
あぁ、よくわかった!
お前やっぱルゥシールの親だわ!
ここぞって時にアホの遺伝子が顔を出す!
『さて……遊びはもうおしまいにしようではないか』
「急に真面目な声出しても、もうお前の威厳は失墜したからな!? へっへー、残念ぷぅ~だ!」
『…………残念「ぷぅ」?』
「不思議そうな顔して見てんじゃねぇよ! お前発信のワードだよ『残念ぷぅ』!」
こいつ!
マジで、ムカつく!
いいのか、こんなのが長で!? えぇ、龍族よぉ!?
『つくづく元気のいい人間だ。だが……』
突然、エンペラードラゴンが上昇し、そして俺の頭上から落下してきた。
「なぁっ!?」
地面が抉れ、大地に激震が走る。
何とか直撃はかわしたが、衝突の余波は俺の体を容赦なく吹き飛ばし、さらに発生した突風によって二転三転と地面の上を転がる。
ようやく体が停止した時、俺は立ち上がることが出来なくなっていた。
……ヤバい。
小回復を繰り返しギリギリのラインで誤魔化してきたが、着実にダメージは蓄積されていたようだ。
たった一度の大きな攻撃で、俺の全身は糸が切れたみたいに動かなくなってしまった。
心臓だけが、有り得ない速さで暴れている。
『確かに、貴様の言う通りだよ』
俺の前に、エンペラードラゴンが降り立つ。地に足を着け、ゆっくりと座る。
空を仰ぐように倒れる俺の頭上に……顔を上げれば目の前という表現になるが……静かに佇んでいる。いや、座ってんのか……犬のお座り状態なのだが、デカくて立ってんだか座ってんだかもう分かんなくなっている。
『高速移動を使い過ぎたようだ。先ほどのめまいも、演技ではない』
「……んだよ、強がっただけかよ…………」
喉がゼェゼェと音を鳴らす。
吐き出す息が気管に擦れているようだ。
『正直に言えば、ブレスを吐くのも辛くなってきた』
「もう歳なんだから、無茶すんなよ、ジジイ……」
『はっはっはっ! 確かに、そうかもしれんな』
余裕だ。
エンペラードラゴンは、おのれの勝ちを確信しているのだ。
『だが、魔力などなくとも、お前一人を踏み潰すことは出来る。造作もないことだ……』
ゆっくりと、エンペラードラゴンの巨体が動く。
前足が持ち上げられて、俺の体の上に巨大な影が落ちる。
『確実に止めを刺さねば、貴様は何をしでかすか分からんからな……』
くそ……もう少しで魔力が回復するのに…………
そうすりゃ、体力を回復させてもう一回、全速力で…………逃げて…………
逃げて、どうなるよ?
逃げるだけじゃ、何にもならないじゃねぇか…………
…………あぁ、くそ。ボロ負けか。
『せめて、最後くらいは潔く散れ……無様な足掻きなどはせんでくれよ』
「はは……っ、もう、おっぱいを揉む力も残ってねぇよ…………あ、でも、ここにきてくれたら揉める……」
腕を胸の前に伸ばし、天を掴むように指をもにゅもにゅさせてみる。
うん、ここに巨乳がぶら下がっていたら揉める。
『……最後の最後までそうなのだな、貴様は……ある意味尊敬するぞ』
だったら、毎朝乳揉み素振りを百回やってろ。少しは俺に近付けるかもしれないぞ。
仰向けに寝転んで、腕を空に向けて伸ばすのは、これでなかなかしんどいものだ。
肘が曲がり、腕は自然と胸の上へと降りてくる……
『よかったな。それで、自分の胸を……貴様流に言えば、おっぱいを揉めるではないか』
「バカヤロウ……俺にはおっぱいなんて…………」
………………おっぱい?
………………………………あるじゃねぇか。
魔力がなくなった時の、最後のおっぱい。
切り札おっぱい。
切っぱい!
俺は、ゆっくりと懐に手を滑り込ませる。
エンペラードラゴンが『え、マジで揉む気なの?』みたいな表情を浮かべるが、そんなものは無視だ。
「………………あった」
思わず笑みが漏れる。
指先には硬い感触が伝わっている。
そいつを引っ張り出す……懐から出てきたのは、手のひらサイズのおっぱいだった。
『…………なんというか、貴様は存在の根底からもう終わっているな……』
なんか酷いことを言われたが……
これを作ったのは俺じゃねぇ。ポリメニスだ。
だから存在を完全否定されたのも俺ではなくポリメニスなのだ。
「なぁ、エンペラードラゴン。このおっぱいの、乳首の部分を押すと…………どうなると思う?」
『…………テンションが上がるのか?』
俺は思春期か!?
まぁ、分かんねぇよな……
勝ちを確信して不用意にしゃべり過ぎたお前の負けだ。
魔力を使い果たし、ブレスもまともに吐けないお前にはもう、勝機はない。
何せ、こいつを押せば…………俺の魔力が復活するのだから!
そういうことだろう、ポリメニス!?
「じゃあ、押してやるぜ! どうなるか、その目でしかと見届けろ!」
勢いよく乳首を押し込む。
カチリと、何かがはまる感触が伝わる。
さぁ、何が起きる!?
『な…………なんだ、この気配は?』
直後、エンペラードラゴンの様子が変わる。
慌てたように辺りを見渡し始める。
感じる……大きな魔力が、高速で移動している…………そう、こちらに近付いてきているのを。
『貴様、何をした!?』
俺にも分かんねぇよ。
けど、俺が何をしたかってことなら答えてやれるぜ。
「最後の力を振り絞って、おっぱいを突っついたのさ」
『くっ!』
エンペラードラゴンが前足を振り上げる。
何かが起こる前に俺の息の根を止めておこうというのだろう。
何が起こるのか知らんが、急いでくれポリメニス!
『………………なっ』
前足を振り上げた姿勢で、エンペラードラゴンは動きを止めた。
視線は遥か前方を見つめ、表情が固まっている。
仰向けで寝ている俺からすれば足もと方向だ。
あっちは里がある方だから…………そのずっと向こうにはブレンドレルがあるはずだ。
その方角から、轟々と唸りをあげて接近してくるものがあった。
俺の目に、有り得ないほどの魔力反応が映る。
なんとか首を持ち上げて、空の彼方へ視線を向ける。
純白の光を放つ魔力の塊が、こちらに急接近していた。
アレは、魔力砲か?
パルヴィの魔力をブレンドレルの大砲に込めて発射でもしたのだろうか……そうとしか考えられない。
ポリメニスがブレンドレルの大砲を改造して、パルヴィ、そして四天王やバスコ・トロイ、エイミーたちまで協力しているかもしれんが、とにかく込められるだけ込めた魔力を発射したのだろう。
『魔力が底を尽いて、もう無理だと思った時に、中心のスイッチを押すように』と、ポリメニスは言っていたようだ。
そうか。俺の魔力が尽きて攻撃が出来なくなった時にこれを押せということだったのか!
そうして、起死回生の超必殺技で逆転勝利ってわけだ!
『くっ! こ、こんな切り札を……まだ、隠し持っていたとはっ!?』
エンペラードラゴンが翼を広げ飛び立とうとする。
が、さっき無駄話をしていたあのわずかな時間が俺に勝機を授けてくれた。
俺の魔力が回復したのだ。
「行かせるかっ!」
回復には一切回さず、全魔力を電撃に変換してエンペラードラゴンへ放つ。
『ガァァアアアっ!?』
どうだ! お袋直伝の漆黒のイカヅチはっ!?
体が痺れて飛び立つことも出来まい!?
『……貴様っ!? どこまでも悪足掻きを……っ!』
「負けるわけにはいかねぇんだよ、俺はぁ!」
『このぉ…………っ!』
エンペラードラゴンが何かを言おうとした時、世界の輪郭がくっきりと浮かび上がった。
眩い輝きを放つ魔力の塊が、俺たちの頭上にまで迫っていたのだ。
『……しまっ!?』
よし!
ヤツはもう回避できない!
これで、俺の勝……………………って!?
「なんで、俺に向かっておちてくるんだよぉぉぉぉおおおおおっ!?」
エンペラードラゴンに向かって一直線に進んでいた魔力の光線が、俺の真上で直角に折れ曲がり、真下に向かって急降下してきた。
仰向けの俺、動けず…………そして、直撃。
「ぅわぁぁぁあああああああ……………………って、あれ?」
痛くない。
というか、むしろ気持ちいい。
あ、魔力が回復していく。
あぁ……そうか、そっちかぁ。
この魔力の塊は、俺の魔力を回復させるものだったのだ。
俺の魔力吸収能力を利用して、俺だけに魔力を届けるシステムってわけか。
なら最初から言っておいてくれよ。
そしたら、もっと早く回復させたのに。
まぁ、いいかぁ……
「どっちにせよ、形勢逆転に変わりはないからな……」
『くっ、貴様……っ!』
エンペラードラゴンが一歩、後退る。
俺の体には、なみなみと魔力が溢れている。
収まりきらなかった魔力が辺りに散らばって、この付近の魔力濃度が上がっている。
魔力を使い果たしても、この付近に漂う魔力を吸収することが出来る。
これで、いくらエンペラードラゴンが頑丈だろうと……
「勝ったな!」
ふふん!
貴様はさっき、俺に余裕の態度を見せた。
そいつがフラグだったんだよ。
戦闘中に余裕の笑みを漏らした奴は、その直後に漏れなく、例外なく、余すことなく逆転されるのだ!
「ふははははっ! おのれを過信した罰だ! お前に完全なる敗北を味わわせてやるぜ! この、俺の、みなぎる様な、凄まじい魔力を、超~~~~~~~~~強い魔法に変換してなっ!」
俺、完っ全っ勝っ利っ!
笑いが止まらねぇぜ!
ふはっ!
ふははははっ!
ふぁ~~~~っはははははははははっ!
『エンペラードラゴンッ!』
「……ふは?」
そこへ二頭の巨大なドラゴンが飛んできて……いや、アイスドラゴンが首のいっぱいあるドラゴンを咥えて飛んで来た。
首の多いヤツはなんだかぐったりしている。
よく見ると徐々に縮んている。
『アイスドラゴン、やつらはどうした!?』
『申し訳ございません、敗北です!』
『なっ!?』
エンペラードラゴンの背後に降り立ち、首を低く下げるアイスドラゴン。
首の多いヤツはそのままぐったりと地面に横たわっている。
そうか、フランカたち勝ったのか。
……で、なんでこいつらだけがこっちに?
『ゴールドドラゴンが現れました』
『なんだとっ!?』
シルヴァネール、来てくれたのか!
『そして、ヤマタノオロチは【セーレ】を封じられて、今にも力を失いそうです』
『く……我らの、完敗か…………』
そうだ!
もう大人しく降参してしまうがいい!
どうせ戦ったところで、俺の圧勝は目に見えているからな!
ふはははは!
『いえっ! 私がヤマタノオロチの【ゼーレ】を解放いたします、私の【ゼーレ】を糧として!』
……ん?
『しかし、それではお前が……』
『構いません! しかし、【ゼーレ】が復活しても、ヤマタノオロチにはもうほとんど魔力が残っておりません』
ほっ……だよねぇ。今更増えたって、俺の勝ちは揺るがな……
『ですので、解放した【ゼーレ】をエンペラードラゴンが取り込んでください!』
……んん?
『九つの【ゼーレ】を取り込み、私の【ゼーレ】を糧に魔力を回復してください!』
『そうすれば、お前たち二人は……』
『構いません! 全龍族の未来のために、難敵をっ!』
……なんか、いや~な流れだな。
「なぁ、もう俺らの勝ちってことにして、平和的に話合い……」
『エンペラードラゴン! どうか!』
『……わかった』
分かられちゃった!?
『では、解放いたします!』
させるか!
こういうのは、えてして時間がかかって、その間は無防備に……
『完了いたしました!』
早いよっ!?
『うむ、ヤマタノオロチの【ゼーレ】、確かにいただいたぞ!』
お前も早ぇな!?
なに、龍族って仕事が早いのが売りなの!?
『力が…………みなぎって来るぞぉ!』
エンペラードラゴンを取り囲む空間が、高濃度の魔力によって歪んでいく。
肌にビシビシと魔力を感じる。
エンペラードラゴン、完全復活じゃねぇか!?
しかも…………これ、かなりパワーアップしてねぇか?
なんだよ!?
折角勝てると思ったのに!
……あ、戦闘中に余裕の笑みを漏らした奴はその直後に漏れなく逆転されるの法則……
うわぁ~…………やっちまったなぁ、俺……
心なしか、エンペラードラゴンが一回り大きくなった気がする。
っていうか、角が物凄いことになっている……
禍々しくも、鋭く尖った角が左右に五本ずつ、計十本も生えてやがる。
悪魔かよ。
そんな、悪魔的な容姿に変貌したエンペラードラゴンが口を開く。
『お前たちは下がっていろ……危険だ』
ヤツの足元には、全裸のド巨乳の美女が二人いた。
アイスドラゴンとヤマタノオロチだろう。
ド巨乳だなぁ、マジで!?
「エンペラードラゴン! 何を裸の巨乳美女に優しくしてんだよ! 子持ちのくせに!」
『なっ!? ふ、ふしだらな発想をするんじゃない! 一族の長として仲間を思いやるのは当然のことだ!』
「巨乳でもか!?」
『我が一族はみんな巨乳だ!』
お前、その発言聞いたらシルヴァネールが泣くぞ?
悲しいまでにぺったんこなんだから。
『さぁ、決着をつけようではないか……』
「いや、もうちょっとド巨乳を拝ませてくれ」
『一族の者を穢れた目で見るな! だいたい、貴様は我が娘に惚れているのではないのか!?』
「確かに……ルゥシールのおっぱいが一番大きいとは思うが……」
『貴様……そんな目で我が娘を……』
「だが、巨乳は世界の共有財産だ! 目の前にあったら見たいじゃないか!」
『滅ぼしてやるぞ、貴様ぁ! 骨のひとつも遺さず灰にしてくれる!』
エンペラードラゴンが空へと舞い上がる。
チャンスッ!
今のうちにド巨乳美女を!
『こっちを見ろ、貴様ぁ!』
……ったく、寂しがり屋め。
構ってほしくてしょうがないんだな。
『やはり、貴様は危険だ…………確実に、消す』
エンペラードラゴンの顔から笑みが消えた。
油断も、驕りも一切なくなった真剣そのものの瞳は、燃え上がるように赤く、爛々と輝いていた。
……また、逆転されたか。
だが……
「俺も、完全回復してんだ。……これまでと一緒だと思うなよ」
『……見せてもらおうか、貴様の全力を』
全力……
あぁ、いいだろう。
見せてやるぜ俺の全力を。
全力で…………俺は…………
「はぁぁぁ…………っ!」
全身をめぐる魔力を一点に集中する。
辺りを漂う魔力も掻き集めて、限界まで魔力を練り上げる。
全力だ……
「行くぞっ!」
叫び声と共に地面を蹴り、全魔力を一気に放出させて――
「待ってろ、ルゥシールゥーーーーーッ!」
全力で里へ引き返して行った。
『…………………………えぇぇぇぇえええええええっ!?』
はるか後方で、エンペラードラゴンの声がした。
バッカヤロウ!
こっちの目的は、最初から最後まで、徹頭徹尾ルゥシールの救出なんだよ!
テメェと遊んでる暇はねぇっつの!
ド巨乳美女と離れるのは悲しいが……
「俺は、俺の巨乳に会いに行くっ!」
出し惜しみ無しのフルスロットルで俺は龍族の里へ戻り、そして、ルゥシールのいる塔へと向かった。
いつもありがとうございます!
エンペラードラゴンが壊れたぁ~!
きっとアレです。
ご主人さんが伝染したんです。
「ぷぅ」とか言っちゃうんですから。
それはそうと、エンペラードラゴンとアイスドラゴン……怪しいですね。
ご主人さんにちょっと突っ込まれただけであの慌てよう……何かありますね。
何より、アイスドラゴンのエンペラードラゴンい対するあの信頼感…………あぁ、あるなぁ、これは。
龍族はみんな巨乳なんですね。
ご主人さんは、いまだシルヴァネールの成長を知りません。
ですので、まだご主人さんの中では「シルヴァネール = ぺったんこ」なのです。
ちなみに、フランカ以外のメンバーもまだ知りません。
なので、フランカ以外のメンバーも「シルヴァネール = ぺったんこ」と思っています。
フランカが教えてあげればそれで済むことなのですが……
フランカ「……今はそれどころじゃないから。そんな些末なこと、どうでもいいのよ。知る必要のない情報を与えても混乱を招くだけ、合理的ではない。だから、決して他意などなく、あえて教えていないだけ」
……と、いうことです。
そして今回も、
ポリメニス製のおっぱいスイッチはドン引きされていました。
……平和になった後、ポリッちゃんに降りかかる災難は計り知れないでしょう。
みなさんも、人助けをする際は、悪ふざけを控えた方が身のためですよ。
そんなわけで、
美女二人の生おっぱいを目の当たりにして、
ご主人さんは気が付きました。
「会いたいおっぱいがいる」
芥川賞を受賞した作品っぽくいうと、
『揉みたい胸』
うん。
背中を蹴るよりかは人道的だと思います。
そんな自分の中の素直な心に気が付いたご主人さんは、
死線を潜り抜けて一心不乱に駆け出しました。
「凄いおっぱいに、会いに行く!」
波動拳撃つ人も似たこと言っていましたね。
きっと、極めた者がたどり着く境地がそこなのでしょう。
そんなわけで、次回は、ついに!
お久しぶりの、あの人が出てきますっ!!
次回も、よろしくおねがいいたします。
とまと