7話 アドレス帳の君
「わ、私とお友達になってください!!!!」
っと、びっくりしたぁ!!!
うわ、マジで告白されるのかと思ったぁ!!
うわぁマジビビるわ!!
あんなに可愛い顔で告られたら・・・
ヤバかったわ・・・
まあ、でも友達か・・・
うう、俺が告白なんてあるわけないよな・・・
自意識過剰だぜ俺・・・
自惚れるんじゃないよっ!!
でも、友達か・・・
まあ、ちゃんと人目を気遣ってくれるって言うし・・・
楓さんが悪い子じゃないってのは今日のでよく解ったし。
それに・・・いままで悪いことしちゃったしな・・・
何より可愛いし・・・あと、なんかほっとけないしな・・・
まあ、友達くらいなら・・・いいよな?
「・・・わかったいいよ」
「ほ、ほっ、本当ですかぁ!!!」
うお、まぶしっ!!
何だこの笑顔!!
やべえ、なんか、よくわからない何かが咲き誇ってる!?
「・・・あ、ああ」
「う、嬉しいです!!!!」
な、なんか泣いてるぞ楓さん!?
どうした!?
なにがあった!?
「じゃ、じゃあアドレス交換してもらえますか!!??」
お、おう!?
そ、そうかアドレスね・・・
しかし、こんなに友達で喜ぶとは・・・
はっ!!
まさか・・・
そうか・・・
楓さん、きっと友達少ないんだな・・・
そうか・・・
こんな泣く程嬉しいんだもんね・・・
うん!
いいよ!!
アドレスくらいいくらでも持ってきなよ!!
「ああ、アドレスはこれだ」
・・・でも、友達か。
戦友ならいっぱいいるけど・・・
こういう友達は・・・初めてだな・・・
・・・うん。
俺も嬉しいかも・・・
ーーーー
楓は自宅前で円と別れ、彼の帰る後ろ姿が見えなくなっても名残惜しそうに見つめていた。
そして見えなくなって暫くしてから目線を落とす。
そこにはアドレス帳に表示された「伊浦円」の文字。
楓はその文字を見つめてニヤニヤと嬉しそうにいつまでも微笑んでるのであった。
彼が立ち去っても決して冷めやらぬ熱と、高鳴る鼓動・・・
彼の事を考えるだけで・・・
胸が・・・苦しい・・・
「はぅ・・・恋でしにそうだよぉ・・・」
楓は熱に浮かされた瞳で空を見上げそう呟くのだった。
ーーーー
翌日、登校の時間。
何時もの様に登校を始める楓と、その楓を見つけてかけよる西條寺夕凪。
夕凪は昨日の今日で楓がまだ落ち込んでいるのだろうと思い、楓に優しく声をかけようと肩を叩く。
しかし、振り返った楓の表情は落ち込んでいるどころか満面の笑みであった。
しかも何故だろうか?
昨日より遥かに女らしく美しい表情をしている。
あまりに意外な楓の様子に、なにがあったのかと問いつめると、楓は携帯のアドレス帳に書かれた伊浦円の文字を見せる。
円と楓が友達になったという、あまりに意外すぎる展開に愕然とする夕凪。
聞けば円があのとき体が目当てだと言うのは嘘で、そのあとじっくりと話し合ったら実はとても良い人で、あの嘘は自分に対する追求を防ぐ為についたのだとか・・・
楓は昨日の出来事を、円がブレイカーである事がバレないようかい摘んで話す。
この円の為の気遣いが、彼に対する更なる迷惑をかける事とも知らずに・・・
夕凪はまるで恋でもしているかの様に円の名前の書かれたアドレス帳を眺めている。
その様子をみて夕凪は憤怒の表情を浮かべる・・・
伊浦円・・・
楓を・・・私の親友を騙すなんて・・・
許せない!!
私はやつを許さない!!
次回 夕凪が円へと詰め寄る、果たして円の運命やいかに!?
第8話 私はお前を許さない!!
※タイトルは変わることもあります。