―黄昏時の夢・幻夢3―
〈幻夢〜エドワード Side〜〉
―泣いている…?誰が…?私がか…?…それとも?―
泣いていた。自分と同い年、それか1つ、2つ…3つ迄はいかない年下の女の子が……この夢の中で。
……本当に夢だろうか?
そうだとしたら。なぜ。
泣かせてしまったのか…。
「死な…ないで…お願い…エドワード、お願い。」
きっと私は生と死の境に、…境界線にいるのだろう。
『何だ、ここ?夢か…?』
―ハイ…リ。私はもう…―
「何、弱気なことをっ!!生きるのよ!まだ生きてよエドワード。…村の人々達はエドワードを待って…」
―ハイ…。リ、し、かし…私はっ―
「私はまだ…」
―ハイリ?―
「私はっ、まだエドワードとやってないことばかり。エドワードと一緒に生きて行きたい、生き延びてよ」
―そ、れが…出来、れば、良いの、だ、が…なぁ…。もうこの世にとどまる…、力は…ないよ。あの約束、守ってやれなくてゴメン。ゴメンなぁ…ハイリ…。―
感覚が死ぬ。
意識が削がれてく。
=心が死んだ。
そして…体内の灯が消えた
自分が入り込んだ人物の中、内側が時を止めたんだと感じた。
―エドワードォ!―
最期に聞こえたのは好きな人が呼ぶ、
(―自分の名―)
「なんだったんだ…今の夢…。俺が…、…、死ぬ夢…?」
ただ。少女の『生きて!』
「何だよ…生きろって…」
でも。たった1つだけ…。
見覚えがあった。それは、夢の中の、少女に抱かれて眠るように死んでいた…、どこか幼さを持った、青年だった。
間違いない。それにしても不思議な事があった。
見覚えがあったと思った、しかし…自分ではなくって自分の持つ記憶にである。
「……………悩んでても、しょーがないかぁ…、さて起きるか。―」
目覚まし時計を止めて。
夏芽 妃於瑠は起き出した。
言葉は呪いの様に残酷な 時を刻んでー
。言ノ葉ハ現実ニ変ワル。