―黄昏時の夢・幻夢5―
〈幻夢〜リズダSide〜〉
―カルティ?カルティ?!起きてくれ…カルティ!―
あの子は三日三晩傍で……呼びかけていた。
「エドワード様…。もう…息がありません。カルティ様は…死んでしまわれた」「嫌…「エドワード様!」イヤ…嫌なんだよっ……。メイデルも、ラディスも、ナディスも、兄さんだっていないっ…!!もう城での私の仲間はっ!!」
「エドワード様!私めが、居ります。このリズダが、一生あなた様にお仕えしますからっ!その辺にしとかねばお身体に障ります!」
「……リ、ズダ…その。…その言葉本当だな?」
「はい。むしろ…エドワード様にお仕えすることが、出来て光栄ですよ。」
その言葉で取り乱しては、いたものの泣かなかった、エドワードが大声を上げてリズダに泣きついた。
実際、五歳も年上のリズダはエドワードの頭を撫でて慰めた。
結局泣き疲れたエドワードはすぐに寝てしまった。
「……。(ふふっ、エドワード様が泣いた所を久し振りに見ましたよ。ずぅーっと我慢してたんでしょうね。良くも悪くもエルド様に…似ています。その頑固で、頑なで本当は泣き虫なその性格とか…)なぁエルド。そうだよな…」
リズダにとってエルドは、大好きな友達であり、仲間であり、そしてなにより…主であった。
「エルド…安心しろ、お前亡き今、私はエドワード様にお仕えし一生御守りすると誓うから。…我、汝の弟君、エドワード様に主従の因果を結び、汝の全てを伝えきると正式に誓い、一生の守護を約束する。…だから、逝けよ。まだそこに…いるんだろ、エルド。私に霊感勘力があることを忘れたのか?…ほら、逝けよ。じゃあな、エルド。さようならだ。…エルド様。」
リズダの後ろで一筋の光が天に昇って行った。
「今までありがとうございました。とても良い時間でございました、エルド様」
そうリズダが伝えると、上…つまりは天空から言葉が降ってきた気がした。
「リズダ…。今まで本当に世話になった。」と。
。アナタノ幸ヲ願イマス。