―黄昏時の夢・幻夢1―
たくさんの方に読んで頂きたくさんの感想が欲しい、と他のサイトと重複投稿をしています。ぜひ感想を、お聞かせください。よろしくお願いいたします。
―これは古代の4つの島国の人々と現代日本の人々の世界で起こった話である―
〈幻夢〜ハイリSide〜〉1
―約2000年前・ イースタンルビー国、 (別名:東国島)―
「…リ、…ハイ…リ、」
私を呼ぶ声。
『誰…なの?あなたは…』
問う。
応えてはくれない。
これは誰かの意識か?
はたまた夢か?
「今宵…悪魔がっ…ふっ…復活、するぞ…!気を、…つけ…、ろ。」
耳に残ったその声に少し、少しばかり覚えがあるような気がして。
なんっ、だっけ…?
そう考える間もなく場面が変わった。
ххх
私の中の過去の私がその名を呼ぶ。
―エドワード。―
鈴の音の様な軽やかで優しい、綺麗な声質。
思わず聞き耳を立てる。
(↑私の中の自分の声を聞きたいなんて馬鹿らしい)
その時、前を歩いていた、青年が振り返り口を開いた
「ハイリじゃあないか!…またこんな所にまで来たのか。よく城内に入れたな…―君の行動は私の予想をも越えているよ。」
まただ…。
青年の笑顔に涼やかな声で私ではない私が笑う。
―だって、エドワードは 一度も逢いに来てくれないし、私が来るしかないでしょう?―
「私だって逢いに行きたいのだが、城を出ようとすると、いつもエルド兄さんに捕まってしまうのさ。あの兄から逃れる術があると…そう言うのか?」
クスクスと昔の私はとても良く笑う。
―えぇ。あなたが私を愛していれば何とかなるわ!―
目の前の青年―エドワードも笑う。
「さあ、着いた。私の部屋にようこそ、姫」
―ちょっと、今の聴いていたの?エドワード。―
「あぁ、聴いていたよ、ハイリ。ただ、それは愚問、だな。」
―愚問?一体どの辺が?― 「解らないのかい?」と、エドワードはいじわるく言う。からかわれているようでついむきになる。
―解らないわ、ちっとも。だって私を愛してくれる、素振りなんて小指の先の、ひと欠片くらいしかないものね。―
「愚問、というのは君が私に話を聴いていたかと聴いてきた事についてだ。 …こんなにも愛している君の話を私が聴き逃すはずが、あるわけないだろう?」
―嘘ばっかり。本当に私を愛しているわけ…「まったく。またそれか」―
そう言うと……エドワードはハイリの額にキスを落とした。
―な、…いきなり何?!―
「私がこんなにも君を愛しているのにも気づかないからだよ。」
笑っていて、でも何となく拗ねているようにも聞こえる声音だった。
―だって。なんだか私ばかりが好きと言っている気がして。―
「まったく…」
『まったく…って言いたいのはこっちだっつーのよ、このバカップルめ。』
こっちの声が聞こえないのをいいことに悪態をつく。
コンコン。とその時鳴ったのはドアのノック音。
私はエドワードに言われた通りに身を隠す。ばれたら二度と城内に潜り込めなくなってしまう。
「誰だ、…ガサドか?」
私が身を隠したのを確認するとエドワードは扉の外へ呼び掛けた。
問うてしばらくすると…、ドアが開き、エドワードの兄でこのイースタンルビー国第一王子、フランツ・ルビー・エルドが入って来た
「どうしたんですかエルド兄さん」
しばらくの沈黙。
そして口を開いたエルドが最初に発した言葉は…、
「ふーん。ドアを開ける許可が降りるまで約15秒と言った所か。何か隠し事か?まあ、いい。それよりこれを見てみろよエドワード」
紙の束を受け取ったエドワードは読み上げつつリストを読む。
「西軍による…東軍、30人、殺戮リスト?…バルト・シトリン・ネルラドとロイド兄妹…カリドス家なんて一家皆殺しじゃないか…ハイザス・トパーズ・カルティ…あのカルティか!!私と同い年のカルティまでも…そして後はほとんど知らないな…」
「無理もない。後に書いてあるのは村人の名だから、…「!!……兄さん、これは本物のリスト!?」」
エルドの言葉を遮って叫んだのはある理由からだ。
「残念だが本物だ。―すぐに戦が始まる。」
そこまで言うとエルドは…エドワードの耳元で呟いた
「―大事な奴なんだろう?命に替えても守れよ、そのハイリと言う奴を」
「兄さん、知って…!」
それを聞いて心外だとでもいいたげにエルドは言う。
「城内にちょこちょこと、潜り込んでいて私にばれない訳がないだろうよ。それに今も居るようだしな…。まぁ、いい。しっかりな」
エルドはそう言い捨てて部屋を出ていった。
「…もういいよ。」
そう言われて私はベットの下から這い出た。
―何?どうしたの…?―
「リストにハイリ、君の名が書いてあった。…西国島―ウエストサファイア国に目をつけられたらしい。」
―そんなっ…!―
「ここはもう危ないか…」
―隠れろというの?―
「ここは戦場になる。隠れて戦が過ぎるのを待て。」
―でもっ…!―
「戦が終われば逢いに行くから。わかったね?」
エドワードに言われると、逆らえない私だ。
―わかった…。必ずしも、戦の後で。―
「あぁ。必ず、な。」
…戦は二年間に及び、東国島は勝利を納めた。
作者もこのあとの展開を読めていません。不安だらけですが頑張ります。