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水銀少年  作者: 草野 冬綺
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薄命な灯心蜻蛉







【此の花咲くや】



春になったら

君が呟き


どうかな 駄目かも

僕が呟いた


咲くよ

君がまた呟き


そうかな

僕がつられて呟いた


萎れかけた 花束を

見つめる幼い君


君が早く大人になることを望んでいるようで

望んでいない僕







【砂糖菓子】



甘い 甘い

甘過ぎる


舌先が痺れるような

目眩でその場に

崩れ落ちてしまいそうな


そんな甘さには

吐き気しか感じない


心地良くなんて

感じてしまったら


それは もう

手遅れだろ







【雪】



雪が熔ける

その瞬きの間に


恋をして

諦めた


誰だか

名前も思い出せない

顔見知りが


言っていた


あんたはさ 恋とか愛とかないよな 向いてない


別にないわけじゃないさ

お前とは違って

自制心が強いだけで


その後どんな言葉が

返ってきたかなんて


思い出せない


ただ

ああ 確かに

無いだろうな、と


気怠い諦念と共に


けれど もし次に

誰かに惹かれることが

あれば


あったなら次は

自制なんて

効かないだろうな


そんな予感











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