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水銀少年  作者: 草野 冬綺
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琥珀の眸 青銅の躰






【適正距離】



人は各々、独自の

適正距離を持っている


その距離を計り間違えると手酷い仕打ちが返ってくる


人懐っこいと思っていた

奴に


踏み入りすぎて

痛い目をみるのなんか


いい例だ







【既視感】



この人は

何だか懐かしい


夢を見ているような

夢から醒めたような


そんな感覚







【イコール】



君はあまり怒ったりしない泣いたりもしない


歓びもしないし

笑ったりもしないけれど


君という人について考える


君という人はいつだって

不機嫌で不健康

欠伸ばかりしている


そんな君の傍にいるから

すっかり不健康で不機嫌になってしまっていた







【青銅の躰】



硬質で冷ややか

ざらつきさえ素っ気ない


鉛のように

気を失って 凭れかかる


心地良さとは

ほど遠い


けれど 口から漏れるのは安堵のため息







【空アオイ】



瞬間、

頭が燃えたぎるように

熱くなった


憤慨 不快 恐慌


衝動のまま

傷つけ 踏みにじり

傷口さえ抉りながら


時に笑っていたような

気さえする


瞬間的に

生きるという行為は

あまりにも

周囲を傷つけ過ぎて


救いようのない自分を

噛み締めながら


空を仰ぐ日々









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