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菫の空を泳ぐ水魚
【時々】
大丈夫?
訊きながら
どうしてこれほど
もどかしいのだろう、と
息を詰める
君が傷を負うことを
願ってなんていないけれど
それと同時に
どうでもいい とも
ふと思ったりするんだ
ひとは所詮他人で
ひとは他人のことなど
気に留めたりしない
救いようのないほど
ただ淡々と
思う
【藍色】
藍色の空
まるで笑いながら
泣いているみたいな
曖昧な色
【アイとは】
身勝手な君
傲慢で不可侵
でも
愛してしまったら
おしまいだよね
愛することって
絶望なんだ
【雑踏にて】
雑踏の中
ぼんやりと
立ち尽くしていたんだ
俺は歩くのが
速いわけじゃないけれど
特別
遅いというわけでもない
人々は
忙しなく
通り過ぎる
なのに
俺は立ち止まったまま
どうしても
大人に成りきれずに
此処にいる
子供みたいに
泣きじゃくることも
柔らかい弱さを切り捨て
前に進むことも
出来ずに
【死】
死ね、って言われたんだ
もういいから
死ねよ
って
笑って
僕は傷ついてもいないし
悲しんでも
いないけれど
君に死んで欲しいと
思うほどには
憤ってる