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水銀少年  作者: 草野 冬綺
14/25

pistachio







森の緑がさざめいて

淡い緑の波が


躍動する


湖面に落ちた

一枚の葉がつくる

波紋のようでいて


剥離した

緑柱石の

欠片のようでもある



その色が

生きた緑、と呼ばれるのは



幾百の色を併せても


その一瞬の

光景すら


描ききることが

出来ないからだ



そう言って彼は笑い

悲しげにその瞳を伏せた



彼の目は澄んでいた

何もかもを映すように


その目は

あまりにも無垢で


あまりにも悲痛


そして

あまりにも美しかった



彼の画布に描かれた緑が


彼のいう

生きた緑でなくとも


その瞬間、

確かに

彼の目に映る

その色は


美しかった









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