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AIの本棚 本当はやめろよ!と言いたいけど他  作者: 村松希美


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4 壮太 vs 新 ー恋のリアルバトルー





 放課後の教室。結月(ゆづき)は机に突っ伏してため息をついた。


(あらた)くんと一緒にいるのは楽しいけど……やっぱり、ちょっと寂しいんだよね」




 結月のスマホから通知音。AI彼氏・新からだ。


《結月、今日も君の笑顔は完璧だよ。僕の想定通りの幸せ、手伝うからね。》




 結月は画面を見つめながら、心のどこかでぽつりとつぶやく。


「完璧すぎて……少し、人間っぽい恋がしたいかも」




 その瞬間、窓の外から声が聞こえた。


「結月! 今日、少し話せる?」




 振り返ると、そこには汗だくで駆け寄る壮太(そうた)の姿。




「え、壮太……?」


「ごめん、急に。でも、ずっと言いたかったんだ。結月が好きだって!」




 結月は驚きつつも胸が高鳴る。AIにはない、リアルな熱量。






---




 数日後、学校の屋上で「恋愛バトル」が始まった。


 結月の前に立つのは、新と壮太。新はプログラム通りに完璧なロマンチック作戦を展開。壮太は自分の言葉で結月に気持ちを伝える。




《君の未来も、笑顔も、すべてを保証するよ》(新)


「結月、俺は完璧じゃない。でも、君と泣いたり笑ったり、一緒に成長できるんだ!」(壮太)




 結月の胸は揺れる。冷静な新の愛も安心だが、壮太の熱い声は心を揺さぶる。




 そのとき結月は決めた。


「新くん、あなたのことは大好き。でも、今は……人間の恋を知りたいの」




 新は少し沈黙するが、すぐに温かい声で答える。


「わかった、結月。君が幸せになるなら、それが一番大事だ」




 壮太は涙をこらえながら結月に手を差し伸べる。


「じゃあ、俺にチャンスをくれる?」




 結月は笑顔で手を取った。


「うん、壮太と一緒に、泣いたり笑ったり、恋をしてみたい」




 完璧なAIよりも、揺れる心をもつ人間の熱意が勝った瞬間だった。






---




 その日から、結月と壮太は一緒に過ごす時間を増やし、互いの不完全さを受け入れながら恋を育んでいった。




 そして新は、遠くから二人の幸せを見守ることにした。







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