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 オレは、夏葉が何を言っているのかわからなかったので、本屋にきた。

 

 何かヒントがあれば…

 

 えっとー…汚らわしい…とか外でしない方がいいこと…とか…キーワードからヒント、ヒント…

 

 汚らわしい…汚い…汚れ…

 

 オレはいつのまにかお掃除本のコーナーに来ていた。

 

 トンっ

 

「キャっ」

「あ、ごめんなさい」

 

 キャシャな女の人とぶつかってしまった。

 

 …って、この人は夏葉の親友のユリさんやん。

 

「「あ…」」

 

 お互い固まった。

 

 かと思うと、ユリさんは

「あー、どうもー…じゃ」

 と、慌てた様子でだれかと携帯で連絡をとり、外に出ていった。

 

 

 そのあとを追うように、彼氏っぽい人もお店を出た。

 

 …

 

 あれって…葉山じゃ?

 

 後ろ姿しか見えなかったけど…葉山っぽかったな…。

 

 でも、葉山なわけないか。

 

 だって今は、葉山は夏葉と付き合っているんだからな。

 

 

 オレの勘違いだろう。

 

 そう言い聞かせた。

 

 

 素直なオレは、まさか…まさかのことに気づいていなかった。

 

 葉山が…そんなやつだったなんて…

 

 

 どんなやつって…

 

 よくオレは、夏葉がうどん屋から出てくるのをみるので、葉山に

(うどんとそばどっち派?)

 って、ある日質問していたんだ。

 

 そしたら、まさかの

(そば一択)

 ってきたんです…

 

 

 彼女がうどん大好きなのに…まさかのそば一択って…

 

 そんなやつとは、思わなかったぞ!

 

 まぁ、好みが違うのは…仕方ないか…

 

 じゃあ、デート…

 

 昼は別行動?ってやつ?

 

 お昼食べてからデートしてるんかな?

 

 

 いや、こんなこと考えてるから、キモがられるんだよね…きっと。

 

 でも、オレは頻繁に葉山と連絡を取り合っている。

 

 だって…

 

 夏葉が心配だから。

 

 あと、なんか気になるんだ。

 

 夏葉の親友のユリさんが…

 

 

 葉山もユリさんもいい人ってことは、オレも中学で一緒だったから、わかる。

 

 でも…なんか…おかしい気がするんだ。

 

 夏葉は、今でもユリさんと仲がいいのだろうか?

 

 

 これは…葉山に聞くのは…気まずい。

 

 元カノと今カノって、仲良いの?とか聞けないよね…

 

 てか、仲良いわけない…かな。

 

 

 夏葉は、親友を失った?

 

 てか、夏葉が親友の彼氏奪った…り、してないよね…?

 

 夏葉…どうしちゃったんだろう。

 

 あんなに、葉山と親友のユリさんの交際喜んでいたのに…。

 

 

 …

 

 やっぱり…親友の彼氏奪った?

 

 いや、普通にユリさんが葉山と別れて…

 

 てか、葉山がユリさんと別れて夏葉を好きになっちゃった?

 

 …

 

 これは…これは…

 

 オレには全く無関係だか…心配だ。

 

 心配されなくていいって夏葉は、いうだろう。

 

 でも、どうしてそうなったか…夏葉は…ユリさんとケンカ別れしたのか…葉山とは、うまくいっているのか…心配だ。

 

 夏葉は…

 

 夏葉は、意外と寂しがりやなんだぞ?

 

 強がってるけど…泣き虫なんだからな?

 

 オレは幼馴染だから知っているんだ。

 

 でも…うどんが大好きって知らなかった。

 

 それと…彼氏募集中だったことも。

 

 そもそも…

 

 彼氏が同級生の葉山だってことも葉山から聞いた…

 

 夏葉は、いつから葉山を好きだったのか…

 

 …

 

 オレは…夏葉のこと、知らないことだらけだった。

 

 オレって、ほんとに夏葉の幼馴染なんかな?

 

 てか、ほんとに幼馴染⁇

 

 え、待ってください‼︎

 

 幼馴染って、どこがどうなったら幼馴染っていうんですか?

 

 あの…幼馴染認定証、どこで発行されているのでしょうか⁇

 

 …

 

 新事実発覚‼︎

 

 オレと夏葉がほんとうに幼馴染なのか説。

 

 …

 

 これって、どこに問い合わせしたらいい⁇

 

 …

 

 母ちゃんに聞いて…みるのは絶対ヤダな。

 

 すぐさま夏葉の母ちゃんに伝わるもんな…。

 

 母ちゃんと夏葉の母ちゃんは、どんだけ仲良しなんだよ…ってレベルだからな。

 

 前世は二人して、さくらんぼだった説。

 

 …ま、そんなことどうでもいい。

 

 

 夏葉に携帯で連絡してみようかな…

 

 最近どうー?とか、元気ー?とか…?

 

 いや、無理だろー…。

 

 

 そうこうしている間に、夏が片足を突っ込む勢いで、すぐそこまできている。

 

 

 夏は、名前通り…夏葉の誕生日がある。

 

 

 でも…オレは、おめでとうは言わない。

 

 

 

 

 

 

 そんなこんなでいつのまにか

 

 夏到来

 

 

 

 …

 

 

 

 誕生日…おめでとうを言わないっていうより、言えなかったの方がただしい。

 

 

 

 …

 

 

 夏になっても、オレは夏葉と仲直りしていない状態です…

 

 

 というか…そもそもなぜ夏葉がオレをあんなに避けているのかすら、わからない。

 

 ただ、わかるのは…夏葉は、いまだにうどんが大好きってことだ。

 

 

 夏祭り…夏葉は、やっぱり葉山と行くんだろうな。

 

 …オレはバイトだけどさ。

 

 

 でも、バイトが暇だったら早上がりできるそうだ。

 

 

 だから、バイト仲間でそのあと祭り行こうかって話になっていた。

 

 当日、やっぱりお店はガラガラで早上がりになった。

 

 だから、着替えてバイト先の自転車置き場に集合ってなった。

 

 一番乗りは、オレ。

 そして次に来たのは、佐藤さんだった。

 

 佐藤さんは、慌ててきたみたいでボタンのかけ違いをしていた。

 

 だから、オレが教えてあげた。  

 

 それからすぐにみんな来て、一緒にお祭りを堪能した。

 

 

 やっぱりお祭りって、非現実的な感じがして映画のワンシーンの中にいるような不思議な感じだった。

 

 美味しいにおいに、屋台の眩しいライトがまたお祭り感満載で、いい。

 

 電気を起こしている機械もなかなかの音でババババ音を立てているが、またそれも、イヤじゃない。

 

 通り過ぎていく子どもは、目がキラキラ輝いているようだった。

 

 なんなら、ユリさんの笑顔も…いいって…え⁉︎

 

 ユリさん…だれと来てる⁉︎

 

 葉山じゃないよね⁉︎って慌てて手を繋いでいる先の男性の顔をみようとしたけど…信号で、見失ってしまった。

 

 

 

 続く。

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