誤送信?
なぜ…
なぜオレは夏葉から、異常な避け方をされているのでしょうか?
夜ご飯のカレーを食べながら考えていた。
「ちょっとー、莉央人?上の空みたいだけど大丈夫?」
心配そうに覗き込む母ちゃんは、服にカレーがべっとり溢れていた。
⁉︎
大丈夫じゃないのは、母ちゃんの方だった。
白いシャツの上に黄色いシミ…
なんなら、黄色いシミが三つあって顔みたいになってるやん。
カレー食いながら、息子を心配しつつ、シャツアートするって…ある意味すごい。
「母ちゃん…母ちゃんこそ服大丈夫かよ?」
「えっ?うわっ…やってしまったね、あははー」
って笑う母ちゃんは、歯が少しイエローがかっていた。
ほんのり淡く、カレー色のおしゃれデンタルの完成です!って遊んでいる場合ではありませんね…。
母ちゃんは、慌てて洋服をティッシュで拭いていた。
まぁ…予想通り落ちなかった。
そしてオレも、ふにおちないまま夕食を食べましたとも。
次の日は、休日だけどバイトがあるため、早めの就寝といたしました。
早番は、なにかと大変だ。
でも、お昼過ぎにはバイトから帰れるので、あぁ、これからマンガ読みながらおやつパーティーだぁってウキウキになった。
そんなバイト終わり、自転車にまたがろうか、またがらないかって時にバイト仲間の女子の佐藤さんがオレに話しかけてきた。
「待ってぇ」
と。
オレをみて待ってと言っている。
なので自転車にまたがるのは、やめにしておこう。
佐藤さんとは、同じ新一年生だ。
学校は違うが、最近バイトに入ったばかりどうしの仲間だ。
「あ、おつかれ。どうしたの?」
佐藤さんが髪を整えて、息も整えて
「バイト、来週かわってもらえない?」
と、オレの目を真剣に覗き込む。
そんなこと、おやすいご用意だ。
だって…オレ暇だからな。
てなわけで話も終わり、今度こそ自転車にまたがり、マンガとお菓子を物色の旅へと向かうのでありました。
あっという間に、自転車のカゴには読みたい本とお菓子がいっぱいだ。
もう、これだけでワクワクだ。
夏葉から避けられてるけど…今は、少しワクワクの方がまさっているぜぃ!
と、強がり家に帰りマンガを読んでいた。
やっぱりこの時間が最高だ。
…
でも、すぐに月曜日はやってくる。
寝て起きると、あっという間に次の日だ。
布団に入るのは好きだけど、布団から出るのはキライだ。
仕方なく、月曜日をウェルカムする。
そして学校。
そして火曜日学校とバイト、水曜日もまた、当たり前にウェルカムして、また学校とバイトのルーティンだ。
幼い頃…時計覚えるの苦戦したけど、曜日を覚えるのは、あっという間だった。
そんないつも通りのルーティンを過ごしていると、夕方珍しく中学の同級生の葉山から連絡がきた。
(寿司デートうらやま♡)
って。
…はて、なんのことだろう?
(どういうこと?)
と送信すると
(夏葉ちゃんが寿司屋で二人をみたってさ♡彼女かわいいらしいじゃん)
と。
…
なぜ夏葉が…?
あー…、葉山と夏葉って同じ学校なん?って一瞬思ったが、夏葉って女子校だよね?
(あの人は、彼女じゃない。てか、なんで夏葉から聞いたの?どういう経由?)
…
それからしばらく葉山から連絡がなかった。
もしかして…オレに間違って送っちゃった系?
ん?
なに?って思いながら、二人の関係性を考えていた。
二人って…まぁ中学のころ仲良かったけど…まさか夏葉の彼氏…なわけないっか!
って結論にいたると、携帯がオレを呼んだ。
いや、正確には葉山がオレを呼んだ。
ピコンと。
携帯をみると…
…
オレは絶句した。
だって…
(照れ屋さん♡てか、オレ夏葉ちゃんと付き合ってる)
ってきたんです。
…
葉山と夏葉が…恋人?
だから春休みに夏葉に速攻彼氏ができたのか。
春休みに…
同級生だから、連絡つきやすいもんね。
てか、葉山って…バレンタインに夏葉の親友のユリさんと付き合いだしたよね⁉︎
あのころは、オレはまだ夏葉と仲良くて…夏葉がキャーキャー言いながらオレに教えてくれたのに…
数ヶ月でユリさんと破局して、その親友夏葉と葉山は…付き合ってるの⁉︎
てか、夏葉とユリさんって…同じ高校だよね…。
親友…解散したの⁉︎
夏葉…
大丈夫か⁉︎
色んな意味で心配になった。
そりゃ、葉山は…いいやつだけど…
夏葉の親友と速攻別れて夏葉と付き合うって…
どうなのだろう…
心配だけど…オレは今、夏葉からめっちゃ避けられてるからな…。
…
どうすれば…
…どうもこうもないけど…
でも…
心配だ…
続く。