勘違い
オレのいきなりの誘いに二人は、驚いていたけど…
なぜか葉山が
「それはダメ‼︎」
ってはっきりと言った。
葉山は、やっぱりクリスマス…ユリさんと過ごすんだ?
じゃあ、やっぱり葉山の本命ってユリさんなんじゃん。
少しホッとしてしまった。
葉山がユリさんを選んだんなら、ユリさんが夏葉にお仕置きしないんじゃないかってさ。
「なら、夏葉はオレとクリスマス過ごすでいい?」
ゴフッ
また後ろの席の人がむせていたっぽい…。
で…
葉山とユリさんは、キョトンだった。
「あのさ……莉央人くんって彼女と別れたの?」
「え?彼女なんかいないけど?」
「「は?」」
「だから、彼女いない」
「え、いつ別れたの?」
「そもそも彼女いないし」
「うそ、いつも寿司屋の自転車置き場でイチャイチャしてるんでしょ?彼女が、好きーって叫んだり、お祭り行く前に莉央人くんが彼女の胸元ツンってしたり…それと、彼女いるいない関係ないけど…いきなり夏葉の家に押しかけて、こわい話しようとしたよね?今朝、みたんだって言ってさ」
え…?
ユリさんは、何を言っているのだろうか⁇
もしかして…
「それって…佐藤さんのこと?好きーって言ったのは、そのシャツ好きーってやつ…かな?あと、胸元ツンってのは…たぶん、ボタンズレてるよって教えてあげたやつかも?触ってないし…そもそも佐藤さん彼氏いるし。てか、オレもう夏葉にホラーとか言わないし。ユリさんの仕返しの方がこわいからさ…。みちゃったって言おうとしたのは…葉山とユリさんのことだった。」
「えっ⁉︎そ…そうなんだ?じゃあ、全部…勘違い…?」
コホンって後ろの人が咳払いした。
「でも、なんで彼女いるって言ったの?…わたしは、夏葉からそう聞いてて…」
「あー、夏葉に彼氏できたってきいて、悔しくてつい言った。なんか…ごめん」
…
葉山とユリさんが顔を見合わせた。
すると葉山も
「ごめん」
って謝ってきた。
「なんであやまんの?葉山…?」
「実は、オレも…夏葉ちゃんと付き合ってない。」
…
「は?」
「ごめんなさい。わたしが…わたしが余計な提案したから…」
「どんな?」
「夏葉…が…その…」
「ユリ‼︎葉山くんもごめんね‼︎ずっと付き合わせてごめん‼︎莉央人もごめん‼︎みんなごめんなさいっ‼︎」
って、いきなりオレの後ろの人が謝ってきた。
…ん?
…
夏葉⁇
なぜかオレの後ろの席から夏葉が現れた。
すげー技、使うじゃん⁉︎
いきなり現れるとかって…
オレがびっくりしていると、青ざめた夏葉がオレの隣にストンと座った。
「みなさんほんっとうに…ごめんなさい」
と謝りながら。
いきなり始まった…ごめんなさい劇団
みんな…ごめんなさいって、一人一回は言った。
劇団じゃなくて、ごめんなさいゲームか⁇
なんなんだ?
流行ってんのか⁉︎
「莉央人…わたし…」
「うん。オレも好き」
⁉︎
三人がびっくりしていた。
「えっ…莉央人?」
「みんな、ごめん。オレがモタモタしてたから、みんなを巻き込んだってことだよね?」
「え、違う。莉央人くん…ごめんなさい。わたし…夏葉が悩んでたから、彼氏できたって言ったら焦って告白してくるんじゃん?とか、言っちゃって…そしたら、まさかの展開になって…純太まで巻き込んで…」
…
「でも、よかったー。夏葉がユリさんの彼氏奪ったんじゃなくて。オレさ、夏葉がユリさんからお仕置き受けるんじゃないかって心配で…」
「莉央人…」
夏葉がオレに抱きついた。
「夏葉…ここは、みんなが…みなさんがお食事する場所だから、後で…そのあとでめいいっぱい抱きしめてキスしてあげるから、もう少し我慢だ。オレも必死に耐えるから‼︎ここは、乗り切ろう!」
「うん‼︎」
「「あはは」」
ユリさんと葉山が笑ったのにつられて、オレたちも笑った。
「手ぐらいなら繋いでてもいいんじゃん?オレたちみたいに」
葉山がユリさんと繋いだ手をみせてくれた。
「その手があったか‼︎手だけに」
「「「「あはは」」」」
どうなることかと思ったけど、まさかこんなことになるとは…
でも、みんなと仲直りできてよかった。
どうやら、オレが彼女いるくせに幼馴染である夏葉もキープ、みたいに思われていたみたいだ。
オレは夏葉と帰り道、夜クリスマスデートしようって話していた。
夏葉も、クリスマスの昼間バイトだった。
しかも、オレの寿司屋の前のうどん屋…
だからいつもうどん屋から…
うどん屋の出入り口から、オレのバイト先の自転車置き場がよく見える。
夏葉は、オレたちがイチャイチャしてると思って、外であんなことしない方がいいとか汚らわしいとか言ってたんだな…。
誤解が解けてほんとよかった。
「夏葉は、クリスマス何が食べたい?」
「うーん、莉央人は?」
「オレは夏葉が食べたいな。」
チュ♡
「「ふふ」」
「まだクリスマスじゃないよ?でも…莉央人、これっておかわり自由?」
「うん、自由放題」
「なにそれ?ふふ♡」
チュ〜♡
オレたちは、冷凍うどんみたいにギューってくっついた。
クリスマス何食べるよりも、ずっと一緒にいられたら、もうそれが一番の幸せだ。
「夏葉は、絵まだ描いてる?」
「うん、絵のゲームしてるよ。」
夏葉が見せてくれたのは、佐藤さんが絵の上手い人いるって教えてくれたその絵だった。
「絵のタッチかえたの?」
「うん、気分転換」
「そっかー、オレこれからもっと夏葉を知り尽くさないとだな」
「えー?なにそれ?」
「秘密。夏葉、彼女いるってウソついてごめんな」
「ううん。先に言ったのわたしだし、わたしこそごめん」
「なぁ、夏葉」
「なに?」
「オレ、冷凍うどんになりたい」
「はぁ?意味わかんないよ?」
ギュ〜♡
「こういうこと」
「なんか、わかる♡」
こうして、オレたちはすれ違いから交際へと発展したのであります。
おしまい♡




