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 オレには、幼馴染がいるのだけれど正直…かわいい。

 

 いや、めっちゃかわいい。

 

 お人形さんかな?ってくらいかわいくて、つい見入ってしまう勢いだ。

 

 こんなかわいいコが、ほぼ毎日オレの家に遊びに来ている。

 

 幼馴染の名前は、夏葉なつはだ。

 そしてオレの名前は、莉央人りおと

 

 夏葉がオレの部屋にくる目的は…たぶんオレの部屋のタブレットだ。

 

 

 お絵描きが好きな菜葉にとって、このタブレットは、とても最適らしい。

 

 一瞬で枠の中の色を塗ることができたりして、すごい才能を発揮してくれるタブレットなのだそう。

 

 夏葉は、そのうちお金が貯まったら自分でも購入したいと、つね日頃もくろんでいる。

 

 でも…それ買ったら、オレの部屋に、来なくなるよね?

 

 だから、オレは…

「もったいないからそれ使ってなよ?オレは、あんまり使わないから」

 って、必死に引き止めたよね。

 

 それにさ、夏葉の絵がすごく幻想的で大好きだから、完成したらすぐみせてもらえるところも、いい。

 

 夏葉の作品を、一番にみれる優越感。

 

 

 しかし、タブレットだけで何年もオレの部屋にいてもらうのは、少々難しい。

 

 こしょう少々って言われるくらい難しい。

 

 どれくらいだよ?ってなるよね。

 

 

 だから、オレはいろんな策を考えている。

 

 まあ、オレたちは中学生なのでやっぱり勉強も大事だ。

 

 だからオレは、必死に勉強している。

 

 そもそもそれは、夏葉のためだ。

 

 テスト前、一緒に勉強するんだけど…わからないところあったらなんでも聞いてっていつもオレは夏葉にいうんだ。

 

 頼りになるミニ教師、莉央人だ。

 

 頭がいい幼馴染がいるんだから、そりゃもちろん夏葉もオレに教われるでしょ?

 

 オレから離れないで作戦だ。

 

 

 あとは、やっぱりビジュだよね。

 

 夏葉くらいかわいいと、モテるんよ…。

 

 だから、オレは見た目も頑張った。

 

 目指せ‼︎小鼻と高身長ってことですね。

 

 毎日カルシウムを摂る食べる摂る食べるのエンドレスだ。

 

 摂るのも食べるのも同じ意味な気もするが、いいだろう。

 

 

 あと顔の中心を陣取っている鼻!

 小鼻マッサージは、大事だよね。

 

 頭皮マッサージも大事だよね。

 

 とにかく、自分メンテナンス。

 

 そんなオレは、睡眠も大事にしている。

 

 寝ている間に、カラダの臓器はバージョンアップしている…はず。

 

 アップデートですね。

 

 ほんとうにしてるのかは、知らんけど…でもそうあってもらいたい。

 

 うん、してるはず。

 

 というわけで、オレは夏葉のために沢山のことを頑張りました。

 

 そして…あっという間に中学の卒業式。

 

 オレと夏葉は、別々の高校です。

 

 …これは困りました。

 

 夏葉が、どの高校を選んでも同じところに行けるように、勉強したのに…それなのに夏葉は、女子校へ行くっていうじゃありませんかっ‼︎

 

 なんでだよっ‼︎

 

 

 

 …

 

 

 春休み…

 

 考えて、考え抜いた結果…

 

 ならばせめてバイトは、一緒のところがいいって言ったら…

 

 まさかの…

 

 彼氏がイヤがるから、それはごめんなさいだって。

 

 えっ⁉︎彼氏⁇

 

 なんじゃそら?

 

 え、ウソなんだよね⁇

 

 お願い…嘘って言って、めっちゃ鼻長くなってよ!って夏葉の鼻を凝視したよね。

 

 でもさ…ならなかったね。

 

 鼻筋の通った、美しい小鼻のままでした。

 

 …

 

 なんで女子校なのに、速攻で彼氏できんだよ⁉︎

 

 てか、まだ春休みだけど?

 おかしいだろ?

 

 オレが考えて…せめてバイトだけでもって考えていたこの数日で、どうしたら彼氏ができてしまうんよ?

 

 

 そりゃ夏葉は、かわいいけどさ…だからって、そんなにすぐに彼氏って…

 

 春休みに何があったんだよ⁉︎

 

 どこ行って、どうしたら速攻で彼氏できたんよ⁉︎

 

 

 …

 

 ウソだと信じたかった。

 

 しかし…オレの母ちゃんが、なっちゃん彼氏できたんだってぇ♡と、はしゃいでいたから…間違いないだろう。

 

 オレはその話を聞いて、やっぱりかと落ち込んだ。

 

 もうさ、コンクリートの隙間にとけて入り込んでトロトロになってしまったくらい、脱力感半端なかった。

 

 夏葉…彼氏なんて欲しかったのかよ⁉︎

 

 夏葉が欲しかったのは、タブレットじゃなかったのかよ⁉︎

 

 

 今まで、夏葉が彼氏募集中だったなんて知らんかったよ?

 

 オレも立候補してたら、もしかしたら彼氏に今ごろなれていましたか?

 

 いや、なりたかったですけど?

 

 あー…、なら告白しときゃよかったじゃねーかよ。

 

 なんで、母ちゃん教えてくんなかったんだよ⁉︎

 

 無駄にいっつも、夏葉の母ちゃんとせんべいだのお菓子だのテーブルに広げて、無駄話してたくせにさ…

 

 彼氏募集中とかさ、大事なこと…

 

 そんな大事なこと、オレに教えとけってんだよ!

 

 まぁさ…あんたも毎日一緒にいたくせに、そんな話しなかったのが悪いって言われたら…言い返せないんですけどね。

 

 母ちゃんのせいにしては、なりませんね。

 

 結論からすると、オレに魅力がなかったと。

 

 あるのは、学力とタブレットだけだったようです。

 

 

 

 …

 

 続く。

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