青年たちの話題作り
★NG動画集!
櫻の家のリビングで、結城、櫻、静流の3人がショート動画の成功に気を良くし、次なる話題を模索していた。テーブルの上には余ったイチゴやリンゴが並び、結城が何気なく呟く。
「そういや、イチゴ飴だけどさ、あれイチゴだけじゃなくて基本的に季節の果物でできるよな」
静流が一つ頷き、穏やかに答える。
「うん、基本的に大抵の果物でできるんじゃないかな……シャインマスカット飴とか、可愛いだろうし美味しいだろうけど、考えたくないよ、単価高いし」
結城が苦笑する。
「けっこー切実だよな、その辺」
大真面目に考える二人。余市や近隣の共和町ではブドウの栽培も行われているが、市場価格が高いものも多く、気軽に加工に使うのはためらわれるのが正直なところだ。
櫻がリンゴを手に頷く。
「そーだよね、実際ボクらが加工してるのも基本的にはB級品だし」
静流がイチゴをつまみながら補足する。
「だね、もちろんぶどうにも傷物とかあるから、そういうのを使う事になるだろうけど」
櫻が首をかしげて言う。
「流石にブドウはウチもしずるちゃん所もやってないしねぇ」
結城が頷く。
「まぁ、そうだよな……それでさ、お前ら」
やっぱり大真面目に考えている静流と櫻に向けて、少し困惑したように声をかける。
櫻が「ん?」、静流が「どうしたの?」ときょとんと顔を上げる。美少女二人の純粋な視線に、結城が続ける。
「なんでお前ら、会話の切れ目切れ目で俺に果物出してくるんだ?」
確かに、話しながら余り物のリンゴやイチゴをつまんでいたのだが、いつの間にか結城自身が果物を持ち上げることがなくなり、代わりに静流と櫻が交互に「あ~ん」と果物を差し出していた。櫻がリンゴを、静流がイチゴを、それぞれ結城の口元に持ってくるのだ。
櫻が首をかしげて言う。
「ん~、なんとなく?」
静流が小さく笑いながら返す。
「なんとなくだよ。私も、なんか自然にやっちゃってたみたい」
結城が呆れた顔で呟く。
「あのなぁ……」
そして3人はすっかり忘れていた。話題作りついでに、スマホで相談の様子を生配信していたことを。
NG動画集:生配信のハプニング
結城のスマホがテーブルの上に置かれ、画面には「ライブ配信中」の文字が点滅している。視聴者数はすでに数百人に達し、コメント欄が賑わっていた。
「え、果物あ~んしてるの可愛すぎる!」
「美少女農家が自然にあ~んとか、余市やばいな」
「櫻ちゃんと静流さん、結城に餌付けしてるwww」
「シャインマスカット飴とか贅沢すぎるだろ、笑った」
櫻がふとスマホに気づき、目を丸くする。
「うわっ、ゆーき! なんぼか撮ってるべさ! 生配信ってこれ!?」
静流が慌ててスマホを手に取る。
「えっ、ほんとだよ! なんぼか忘れてた……コメント、すごい増えてるね」
結城が頭を抱える。
「お前ら、配信中だって気づけよ……俺に果物差し出してるのが全部流れてるじゃないか」
櫻がソファで跳ねながら笑う。
「なんか面白くなってきたべさ! ボク、もっと果物持ってくるよぉ!」
勢いよくキッチンに走り、イチゴをさらに持ってくる。
静流がクスッと笑いながら言う。
「結城、ごめんね。なんか自然にやっちゃってたよ。でも、視聴者さん楽しんでるみたい」
コメント欄がさらに加速する。
「櫻ちゃんの勢い最高! 結城もっと食べさせられてくれ!」
「静流さん可愛い。方言女子最高だな」
「NG集としてこれ保存してほしいwww」
結城がスマホに向かって呟く。
「これ、NG動画集だろ……まぁ、楽しんでるならいいけどさ」
櫻がイチゴを手に結城に差し出し、
「ゆーき、あ~んだべさ! 視聴者さん喜ぶよぉ!」と笑う。
静流がリンゴを手に加わり、
「じゃあ、私も。あ~ん、なまら恥ずかしいけどね」と穏やかに続ける。
結城が渋々口を開け、内心で思う。
何だこの状況……でも、まぁ、悪くないか。
結果と笑いもの
生配信が終わり、録画された「NG動画集」がSNSで拡散される。タイトルは「余市美少女農家のNGハプニング!」となり、視聴回数が急上昇。シャインマスカット飴の話や「あ~ん」のシーンが話題になり、リンゴジャムとイチゴ飴の注文がさらに増えた。
櫻が目を輝かせて言う。
「なんかすごいべさ! ボクたちのNGで余市有名になったよぉ!」
静流がノートに書き込みながら笑う。
「うっかりだったけど、なんぼかいい結果になったね。結城、ありがと」
結城が苦笑する。
「ありがとって言われてもなぁ……お前らのうっかりのおかげだよ。次は配信中って忘れんなよ」
初夏の余市が、NG動画を通じてさらに賑やかに広がり、櫻と静流の魅力が予想外の形で視聴者の心をつかんでいた。
★ シャインマスカット飴の試作
櫻の家のリビングで、結城、櫻、静流の3人が「NG動画集」の反響に驚いていた。生配信中の「シャインマスカット飴」の話題が視聴者にウケ、コメント欄には「シャインマスカット飴食べてみたい!」「贅沢すぎるだろ!」と期待の声が溢れている。
櫻がスマホを手に目を輝かせる。
「なんかすごいべさ! みんなシャインマスカット飴って言ってるよぉ! ボク、作りたいべさ!」
結城が苦笑しながら言う。
「お前、シャインマスカットって高いって話したばっかりだろ。視聴者が盛り上がってるからって簡単に作れるもんじゃないぞ」
静流がノートを手に穏やかに提案する。
「でも、なんか面白そうじゃない? NG動画で話題になったんだし、試しに作ってみてもいいよね。傷物のブドウなら手に入るかも」
結城が首をかしげる。
「傷物なら安く手に入るか……確かに、それなら現実的かもしれないな。で、どうやって作るんだ?」
櫻が勢いよく立ち上がり、
「イチゴ飴と同じでいいべさ! シャインマスカット串に刺して、飴絡めるだけだよぉ!」とキッチンに
向かう。
静流が笑いながら言う。
「櫻ちゃん、急ぐのはいいけど、ちょっと待ってね。私、作り方考えてみるよ」
シャインマスカット飴の詳細:試作開始
3人はキッチンに移動し、シャインマスカット飴の試作に取り掛かる。櫻の母親が近所の農家から傷物のシャインマスカットを少量譲ってもらい、テーブルに並べる。緑色の実がキラキラと光り、櫻が目を輝かせる。
「なまらめんこいべさ! これで飴にしたら最高だよぉ!」
結城が実を手に持つ。
「見た目はいいけど、やっぱり少し傷ついてるな。これなら加工に使うのはアリか」
静流がノートに書き込みながら説明する。
「イチゴ飴と同じで、砂糖と水でシロップ作って絡めるだけだよ。ただ、シャインマスカットは皮が薄いから、熱に気をつけないとね」
作り方の詳細:
準備:シャインマスカットを洗い、傷ついた部分を軽く取り除く。小粒を選び、竹串に2~3粒刺す。
シロップ作り:鍋に砂糖(100g)と水(大さじ2)を入れ、弱火で透明なシロップになるまで溶かす。焦がさないよう注意。
絡める:シロップが少し茶色っぽくなったら火を止め、串に刺したシャインマスクットを素早く浸す。熱すぎると実が崩れるので、手早く。
冷ます:クッキングシートに並べ、冷まして固める。
櫻が鍋をかき混ぜながら叫ぶ。
「なんぼか甘い匂いだべさ! ボク、早く絡めたいよぉ!」
勢い余ってシロップを少しこぼし、結城が慌てて言う。
「お前、落ち着けよ! また飛び散らす気か?」
静流が穏やかにフォローする。
「櫻ちゃん、急ぎすぎだよ。私が絡めるから、ちょっと待っててね」
静流が丁寧にシャインマスカットをシロップに浸し、キラキラした飴が実を包む。
完成したシャインマスカット飴を手に、櫻が叫ぶ。
「できたべさ! キラキラしてて、めんこいよぉ!」
結城が一つ試食し、頷く。
「うん、甘さと酸味がいい感じだな。イチゴ飴より贅沢な味がする。傷物でもこれなら全然いけるよ」
静流が笑顔で言う。
「シャインマスカットの皮がパリッとしてて、飴と合うね。なんぼか美味しくできたよ」
★SNSへの投稿と反応
結城が試作の様子をショート動画に撮り、「余市美少女農家のシャインマスカット飴試作!」としてSNSに投稿する。櫻が「なんぼか美味いべさ!」と笑い、静流が「傷物でも美味しいよ」と説明する動画が、視聴者の心をつかむ。
コメント欄はすぐに反応で埋まる。
「シャインマスカット飴キラキラすぎる! 食べたい!」
「櫻ちゃんのドタバタと静流さんの落ち着き、最高のコンビだな」
「結城、また裏で撮ってるの羨ましいぞ!」
櫻が跳ねながら言う。
「なんかすごいべさ! シャインマスカット飴、みんな喜んでるよぉ!」
静流がノートに書き込みながら笑う。
「NG動画からこんなアイデアが生まれるなんて、なんぼか面白いね。結城、ありがと」
結城が苦笑する。
「俺は撮っただけだよ。お前らの美少女パワーと傷物ブドウのおかげだろ。次はちゃんと量産できるか考えろよ」
櫻が目を輝かせて絡む。
「ゆーき、量産するべさ! 余市でシャインマスカット飴売ったら、なんぼか有名になるよぉ!」
初夏の余市が、シャインマスカット飴の試作でまた一つ賑やかになり、SNSを通じて新たな話題を提供していた。




