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怪狩り  作者: 大和煮の甘辛炒め
4/11

怪狩隊の頂点、三つ柱

 出久が叫んだ。

「光閃の意、解唱!」

次の瞬間、かれは白銀色に輝くロングソードを手にしていた。

「次行っていーよー」

炎遠理が促す。

「毒慈の意、解唱!」

二股の槍が現れた。

全体的に黒だが、白い模様が良いアクセントになっている。

口金より先は鮮やかな紫色をしている。

次は鳴村だ。

「雷の意、解唱!」

炎遠理が近づいて、刀身をさわって呟く。

「やっぱり、この剣は滅速に特化してる……」

その刀身は時折、青い電流を放出した。

「じゃあ最後だね」

炎輪が解唱する。

「天照の意、解唱!」

深紅に染まった刃を持つ七支刀が現れる。

柄には赤い布が括られている。

炎輪から放たれる深紅のオーラが部屋にいる全員の髪、服をなびかせる。

「なるほどね」

炎遠理が微笑む。

「はい、みんな良いよ」

四人は意を『封唱』した。

すると、部屋に吹き荒れていた風が止んだ。

「君たちは炎遠理隊のどの中隊にも属さない。つまり、君たち四人の特別分隊を今日付けで結成する。隊長は出久輝、副隊長は朔谷梨世。二人は軍に所属してるから、状況判断はお手の物でしょ?炎輪ちゃんとナリくんは……努力で二人を上回ってるから」

『なんだその雑なフォローは』

「じゃあ会議が有るからこれで」

四人は隊長室を出た。

扉の横に先程の厳つい男性が立っていた。

男性は出久に指令書と書かれた封筒を渡した。

「待機室に案内する、そこについたら開けろ」


⭐⭐⭐

炎遠理は既に始まっている会議に参加した。

モニターに地球連合軍の将校と怪狩隊トップクラスの戦士九人、そして最高指導者が写っている。

「おぉ、炎遠理さん、どうも。さっき選別会場での一件を話し始めたとこなんです」

地球連合空軍、羽衣隊総司令官の羽飛が話しかける。

「上ノ八のこと?」

「ああ、そいつが紛れ込んでたせいで七十人いた生徒が四人にまで減っちまった」

聖厄柱の聖滝も言う。

「まあ、討伐できたのですし、よかったと思います」

焔水柱の水火が言った。

「出久元帥のご子息の命を狙ったのでは……」

心配そうに言う死生柱の鬼人に、風柱の守音が頷く。

「それもあるし、こちらの戦力を削ぐためだけ、という可能性もある」

「ところでエン」

雷無義柱の奥雷が炎遠理に尋ねる。

「上ノ八を倒した新入隊員は?」

炎遠理が答える。

「炎輪千花、十六歳。訓練時には水の意を使用していましたが、上ノ八との戦いで炎の意を解唱したようです」

「ほう」

怪狩隊の最高指導者が呟く。

「何か心当たりでも?」

岩柱の読意が尋ねる。

「珍しいと思ってね。それに『始祖の意』の使い手と同じ苗字だから、何か関係があるのかと」

最高指導者の言葉に水火が頷く。

「名字が同じですしね、その子が子孫だとすれば、奴に対抗できる数少ない隊員に成長するかもしれません。まあ、現代まで『始祖の意』の使い手の血脈が途絶えなかったとは思えませんけどね」

「俺達十人以外で奴に対抗できる隊員は我々にとって大きなアドバンテージになる。本当に奴がその子孫だというのならな」

花寒柱の床高が言い、闇月牙柱の邪馬取も

「まー、そんな平隊員、認めたくはないですけどねー」

という。

必打柱の無界も炎輪の扱いには慎重になるべきだと思っているようで。

「『始祖の意』の継承者を怪使い側が放っておくとも思えないし、その子に関しては慎重に見極める必要があると思う」

最高指導者が口を開く。

「分かった。この件はまた今度話し合おう。会議はこれでお開きだ.......ここにいる十人は江戸より始まる怪狩隊史上最高の戦士が揃ったと確信しているよ」

彼はモニターに写る十人を眺める。

聖滝ひじたき水火すいか鬼人おにひと守音もりね奥雷おくらい炎遠理ほおり読意どくい床高とこだか邪馬取やまどり無界むかい

一人づつ名前を読み上げると、こう付け加えた。

「君たちの活躍を期待しているよ」

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