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怪狩り  作者: 大和煮の甘辛炒め
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炎遠理隊配属

久しぶりの更新です

 炎輪は雪降の背で目を覚ました。 「……あ、先生」 「おっ、起きたか。上ノ八を倒したんだってな」 雪降が感心したように尋ねた。 「ええ、何とか……」 「俺も助けを呼ぶついでに五人の怪使いを倒したんだぜ」 鳴村が得意気に語った。 「この選別で生き残ったのはお前達二人と軍人二人だ」 「えっ、俺の助けた人たちは?」 「さあな、死んだんだろ」 雪降はさも当たり前であるかのように言った。そうこうしているうちに炎輪達はとある建物の前に到着した。 「ここがお前達の配属部隊だ」 「ここが?」 「中に入って警備の奴に新入隊員だと言え」 雪降が炎輪を降ろしながら言った。 「えっ、いきなり……」 炎輪と鳴村が焦るが、雪降は目もくれずに姿を消した。 「先生、ホントはまだ現役じゃねーの?」 鳴村が呆れ返った。 「とにかく行こう」 二人は扉を開けて中に入った。近くにいた厳つい警備の人に事情を話すと、二人を隊長室まで案内してくれた。炎輪が震える手でノックした。返事はすぐに返ってきた。 「どーぞ~」 意外と子供っぽい声だ。 「失礼します!」 扉を開くと、すでに先客がいた。 「出久くんと朔谷ちゃんはもう来てるよ」 炎輪達は隊長を見て目を疑った。隊長はセーラー服を着ていて、歳も炎輪とさほど変わらないように見えたのだ。他の二人も驚きが冷めやらぬようだ。しかし、彼らは炎輪達のほうを見て笑っていた。男は愛想のいい笑顔を振り撒いていたが、女のほうは蔑んだ目でこちらを見てニヤニヤしている。炎輪は女のほうをチラリと見た。 「みんなの成績を見せてもらうね」 隊長が資料をペラペラ捲る。 「まずは出久くん」 男のほうが敬礼した。それを見て炎輪はピンときた。 『この人地球連合軍の人だ』 地球連合軍とは、地球と他の系外植民惑星を結ぶルートなどを守る大規模軍隊だ。 「えーと、倒したのが二十人、援護が八人か。新人にしてはかなりの成績だね」 出久輝(いずひさてる)が誇らしげに胸を張る。 「じゃあ次は朔谷ちゃんのほうね」 今度は女のほうが敬礼した。 『こいつも軍人だ……!』 炎輪は居心地が悪くなってしまった。 「何々、倒したのが十八人、援護が九人。まあ訓練とかで身体は鍛えてるだろうし、これぐらいは妥当かもね」 そこで隊長が資料から目を上げた。 「私の自己紹介がまだだったね、炎遠理炎(ほおりえん)、よろしくね、じゃあ次は鳴村くん」 鳴村がペコッと頭を下げた。 「倒したのが六人、援護が十八人……逆だよね普通。まいっか、てか滅速使えるんだね、すごいじゃん」 炎は少しうきうきしているようだ。そして炎輪の番がきた。 「最後は炎輪ちゃんだね……炎輪、まいっか。えっと、倒したのが二人、援護はゼロか」 朔谷が耐えきれずに吹き出した。 炎輪が拳を握りしめる。上ノ八との戦闘でそれどころではなかったのだ。辛うじて倒すことは出来たが。その事をこの人は触れてくれるのだろうか、というか何故父の『天照の意』が使えたのだろう。謎は深まるばかりである。 「あ、武器壊れちゃったんだね、その代わりに新しい『意』が解唱されたんだ。桜の女の子って君のことだったんだ」 炎が席から立って、突如としてこんなことを言い出した。 「一人づつ解唱してみてくれる?千花ちゃんは新しいほうね」

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