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異世界ニンジャグレン  作者: hubukin
第二章
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第9話 エルメナスで初めての食事

都市エルメナスには食を扱う市場と飲食街が複数存在する。それぞれ特色を持っておりどの食材を買いたいか、どの料理を食べたいかでどこに行くか決まる。


ユウスケはユリアにその事の説明を受けて「何が食べたいものはありますか?」と聞かれて悩んでいた。


「んーーーっ何が食べたいかって言われてもなあ、俺この街のことはよくわかんないからなー」


「まあユウスケさんは結構食べますし料理も上手ですから悩むのは当然ですよ」


エクストリア王国では都市と地方では食事のありかたが違っていた。


ユリアの地元町のような地方では家は普通一軒家が基本で家に台所は当たり前のように付いてるので食事は基本的に家で料理して行うもの、だがエルメナスのような都市では住居は大半が台所無しの集合住宅を占めている。過去に起きた急激な人口増加と災害の影響で建設スピードと住居スペースの確保、更に火事対策として台所無しの集合住宅が普通になった。


それ故家の中で料理が出来なくなったため都市の住人たちは自然と外食をする機会が増え、今日都市部では外食文化が盛んとなった。


ユリアの家で1週間居候してたユウスケは食事は彼女の家にある台所で料理して済ましていた。なので彼にとってはこれが初めての外食であるため戸惑っていた。


「店に入って出された飯が自分の舌にかなり合わなくて残すなんて真似はできないからどうしよう」


「それだったら市場に行ってそこで食材を買って、併設している焼き広場で焼いて食べるしかないですね」


「じゃあそうしようか、いやっねえちょっと待って!」


ユリアの案に賛成しようしたユウスケは一旦案を止めて、彼女に自分の希望を1つ述べた。


「この街って屋台はある?ほらユリアの地元って屋台がチラホラ合ったじゃん、これぐらい大きい街だったら屋台なんかいっぱいあるでしょ!?」


「はいそうですか?」


「ほらこの前言ったじゃん!田舎は家で料理して食うけど都会は外食が中心て、こんなに大きい街だったら屋台なんていっぱいあるはずだよ!それに店に入らなくても飯を見ることができて自分ね好みに合うやつを探しやすいんだ!」


「屋台でいいんですか?ユウスケさん屋台のご飯好きじゃない印象が」


「いいや、むしろ好きだよ!だかろ2人でいっしょにおいしい屋台を巡ろうよ!!」


ユウスケのこの希望にユリアは快く受け止めた。


「はい、それじゃあ東側にあるこの街1番の屋台街に行きましょう!」


「屋台街!?それどんな所なの?」


「それは付いてきてからの楽しみです!ユウスケさんにはきっと楽しいところですよ!」


ユリアは心の奥から楽しんでるような笑顔でユウスケの腕を優しく引っ張り、赤レンガで出来た道路を足で軽快なテンポで踏み鳴らしながら歩き、東側の方にある屋台街に連れていった。


ーーーー


ユリアがユウスケを東側の方面に連れて行きしばらく経つと、なにやら美味しそうな料理の匂いが漂っていた。


この匂いを嗅いだユリアは一回足を止めて、匂いの出本であろう人々が出入りしている広場の前までもう一度歩きそこに着くと、ユウスケの腕をそっと放して口を開いた。


「さあ着きました、ユウスケさんここがこの街1番の屋台街です!」


ユウスケの目に写ったのは数百人は軽く収まる広場に並ぶ無数の屋台だった。


1000人は軽く収まるぐらいはあるこの場所は屋台が左右端に向かい合うように連なっており、真ん中はテーブルを人が横切るように間を設けながら境界線のように縦に並んでいた。


ここにいる人々は屋台で買った食べ物を独り、又は複数人で机に囲むかのように座って食べる者もいれば、立ったまま口に頬張る者もいる。


まだ平日の少し昼過ぎでも関わらず、まるで夏祭りのように賑やかな光景を見たユウスケは思わず感動した。


「スゴイ、ここっ人や屋台がいっぱいだしうまそうな匂いが結構するね」


「ここなら屋台の種類が豊富ですからお店に入らなくても口に合う物があると思いますよ!いっしょに選びましょう」


自分に楽しく笑顔で説明するユリアを見てか、ユウスケは屋台街を見た時よりも一層楽しくなってきた。


2人は中に入り右から左へと順番に屋台の料理を観て回り、それぞれ気になって食べたい物を買うと真ん中の空いたテーブルに行き、食べ物をテーブルの上に置いて隣同士に座って昼食にありつく。


ユリアはワッフルやソーセージに複数の果物の砂糖漬けでそれらを少数ずつ買い、色選り取りな選びだ。


対するユウスケが買った食べ物は、全部揚げ物類である。彼は揚げ物なら味は大抵美味しいから問題ないだろうと思いとにかく揚げ物だけを選んで買った。


2人は食事をしながら他愛のない雑談をし始めた。


「ねえ、ここの広場ってなんかぽっかりというかわざとらしく空けてるいるよね?」


「まあここだけじゃなくいろんな広場は最初、災害が起きたときに火事が広がないことと避難区域の使用として空けてたんですけど、今は場所が勿体ないからってほとんどが屋台で埋まってますけど」


「なるほどここってちゃんとした理由で空けてるんだね、それにしてもこの世界ってか国は食べ物というより食材が本当に豊富で驚くよ!」


「そうですか?ユウスケさんの世界とほとんどいっしょだって言ってたんですけどそんなに同じなんですか?」


「ああそうだね、醤油とか味噌が流通してて正直驚いたよ!そうだ今度日本食てを作ってご馳走するよ」


そう宣言するユウスケの言葉にユリアは少し引っかかり質問した。


「えっ待ってください、今まで作ってくれた料理はユウスケさんの国の料理じゃないんですか?」


「ああ実はそうなんだ、ここと日本の食事事情が何もかも違うからこの国の人が食べて喜びそうな外国の料理ばかり作ってたんだよ」


「そうなんですか!?それじゃあ今度おいしい日本の料理をお願いします」


「ああ、楽しみにしてくれ!」


「ユウスケさんの言う日本食てどういうのだろう」


「それは食べる時が来るまでの楽しーーーッ!!」


その時、ユウスケの背筋に強い邪気を感じた。


この世界へ来た時にリリーという女の子を襲うとしてきた妖怪たちの邪気を束ねても、それを軽く越える程の凶悪な邪気を感じる。


それもたった1体の妖怪から放たれている。


ついさっき子どものような顔つきで話してきたユウスケが一気に顔色が変わったことで、「大丈夫ですか?」と心配に声をかけたユリアにユウスケは警告した。


「妖怪だ、妖怪がこの街に現れた!」


「えっそれは本当なんてですか!?」


「ああ嘘じゃない、この前のやつよりは厄介だ!ここから北西の方にいやがるそれも近い!」


「ユリア、お前はなるべく北西から遠く離れろ!俺はあの妖怪を倒しに行ってくる」


ユリアに避難するよう指示したユウスケはその場からマンションを越える高さを飛び越えた。


「ちょっと待ってくだいユウスケーーーッ!」


高く飛ぶ彼にに声をかけたユリアはあるモノを見て途中言葉を失う。


それはユウスケの身体が炎に包まれ、やがて炎が消えると彼は紅色の人に似て人馴れざる姿へなった。


これを目撃した彼女は小さく、一言だけ呟いた。


「‥‥‥ーーーッグレン」


グレンは今、人々のために、弱き者のために妖怪を倒しに向かい出た。

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