神室 総色[1日目]
ピピピ
アラームがなる。それを止め、布団をたたみカーテンを開ける。そして散らかった部屋を片ずける。それが私、神室色の日課。ーーーーー
色は昨日のことを考える。
[まずいことになった。昨日は学校に行く約束をしてしまった。産まれてから一度も外に出たことがない私が行かなければならない]
色はおもむろにズボンを脱ぎ裏に着いている刺繍糸を切り鍵を取りだした。ボロボロの机の引き出しをその鍵を使って開けた。その中にはたくさんのノートが入っている。色は何も書かれてない6枚のノートに何かを書いた。
「よし!」
と一言言うと鍵を閉め、鍵をズボンの裏に入れ慣れた手つきでそれ縫う。そして身支度を済ませて家を出る。
「これが外か....たしかにいい気持ちだ」
そういい家を出発した。
色にとって周りの物は全て初めて。走る車。あくびをする猫。吠える犬。その中には色にとって許せないものがあった、それはいじめ。だから止めに入った。
「やめないか!!」
その言葉に反応したチンピラは
「おま」
言葉と同時に振り返り色の顔を見ると言葉が止まった。
「ひ 神室 色ッ ひえぇぇ」
そう言ってチンピラは逃げていった。
「大丈夫かい?」
それに返して
「はい 大丈夫です 慣れてるんで」
そのいじめられっ子の顔を見るとそれは昨日色がいじめた生徒だった。生徒は驚き逃げていった。そんなこんなしているうちに時間は立ち着いた時には3時限目が終わっていた。自分の教室に入るとクラスは騒然とした。
「おはようございます。」
「お おはようございます」
怯えながらも挨拶を返したのは担当の先生だった。
「あ〜 来てくれたんだ おはよう!! もうこんにちはになるけどね」
元気な挨拶をしたのは織織世奈だった。
「おはよう織織さん」
そう言いながらバッグを机に掛けた。たったこれだけのことそれだけで驚かれている。
[この反応はあいつせいなんだろう]
そういう気持ちも授業にかき消された。
[授業は一度も受けたことがなかったがこんなに楽しいのか]
色はなぜ昨日あいつが授業を受けなかったか不思議だった。
昼休みーーーーーー放課後と時間が経ち家に帰ろうとすると世奈が待っていた
「こっちこっち」
色が駆け寄るとそのまま世奈は歩き出した。
「なぜ一緒に帰るんですか」
色が単純な疑問を問うと
「先生にね 学校来させる代わりに登下校の付き添いを頼まれたの。
そうじゃなくても一緒に帰るけどね」
そう言うと楽しそうに会話を続けた。
「なんか雰囲気変わったね」
世奈はおもむろに言った。
返答に困ったように答えた。
「そのことは来週話すよ。織織さん。」
「世奈でいいよ。世奈で」
と軽い口調で距離を詰めていくのに対してどうすればいいか色はわからなくなった。
「わかりました。せ 世奈さん」
そして世奈は
「また明日」
と言って帰っていった。
キャラクター説明
神室総色
白い髪にがっしりとした体型で目立たないほどのく
まがある。常識に疎く真面目な性格。
織織世奈
青い髪にツインテール。落ち着いた顔立ちだが明る
くポジティブな性格で抜けているところがある