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異世界防衛戦記 ~トンネルの向こうは戦場だった~  作者: よぎそーと
2章 機械群

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98回目 休暇は次の仕事が入るまでの待機時間である

 偵察に調査に地雷や無人機銃座の設置にと。

 とかく色々こき使われた日々はひとまず終わった。

 後方への移動を許されたタクヤ達は、そのまま拠点まで移動。

 そして、そこで正式に休暇を言い渡される。

 それを聞いたタクヤ達は、喜び勇んで……とは言い難い調子で町へと向かっていった。



「長いっすね」

 車を運転する部下からぼやきが届く。

「休暇って言っても、初日はこれだよな」

「タクシーなんて贅沢言わないけど」

「せめて運んでもらいたかったよな」

 こんな言葉が出て来るように、タクヤ達は現在自力で町まで戻ってる最中だった。

 理由は簡単、帰りの輸送部隊の護衛をしている最中だからである。

「ぼやくなぼやくな」

 無線越しに部下をなだめる。

「これも仕事だ。

 もののついでだ。

 町につけば、本当に休暇なんだから」

「それは分かってますけど」

「でもねえ」

「なんでこういうお遣いつーか、おまけが付いてくるんですかね」

 至極ごもっともな意見である。

「人が足りねえんだ。

 諦めろ」

 答えを端的に告げる。

 だからこそ、町に戻る者達が輸送部隊の護衛も兼ねる事は珍しくもない。

 積極的に活用されているくらいだ。

 そうでもしないと仕事が全くまわらない。

 人員の枯渇はそれほど切迫していた。

 それでも休暇が取れるだけまだマシではあるかもしれない。



 そうした事もありつつも、町に戻ったタクヤ達は晴れて正式に休暇に入る事になった。

 久しぶりに人が開拓して建設した町並みを目にする。

 それほど時間が経ってるわけではないが、かなり久しぶりな気がした。

 前線での日々が苛烈だったためだろう。

 人里が妙に恋しく感じられる。

 少なくとも町でならば平和や平穏を多少は感じる事が出来た。

 頻繁に行き来する輸送部隊のトラックを除けば。

 また、そこかしこに迷彩服を来た者達が見える。

 軍も企業の武装部隊も多数集結してるのだろう。

 戦時下である事を、それらが嫌でも思い出させてくれる。



 そのせいだろうか。

 妙に人の密度が高い気がした。

 大勢の人間が一カ所に集まってるせいだろう。

 優先的に開発を進める為に、様々な人間が集まってる事を感じさせる。

 タクヤがまだ町にいた頃も大勢いたが、今はそれ以上だ。

 それに、若い者がやけに多い。

 義務教育を終えた、おそらくは研修中とおぼしき者達だ。

 足りない人手を補う為に、こういった者達が多数集められてるようであった。

 こういった者達が人口密度を上げて、町を狭苦しく感じさせていた。



 町自体も変わっている最中だ。

 人の増加に対応するように様々な建物が増えている。

 住居に商店に事務所にと。

 それらが町を短期間で変えていく。

 道路も一部は舗装がされていた。

 主に港から拠点へと続く主要な部分だけであるが。

 それでも町はタクヤが最後に見た頃より変わっていた。

「すげえなあ」

 それしか言えなかった。



 そんな発展した姿の町の中を進み、自宅へと辿り着く。

 ここだけは以前と全く変わらない姿のままだった。

 そんな自宅(というか自室)に戻ったタクヤは、さっそく布団を敷いて眠りこけるようとした。

 しかし、さほど長く空けていたわけではない部屋の中はうっすらと埃が積もっていた。

 布団も例外ではない。

 それらは一度掃除をしないと使えそうもなかった。

 と言っても、窓を開けて空気を入れ換え、掃除機をかける。

 布団は外に干す。

 それだけで充分ではあったのだが。

 疲れて帰ってきた身にはそれがこたえる。

 なので、とりあえず布団で寝る事は諦めた。

 バギーに積み込んだままの寝袋を使う事になる。

 部屋はさすがにそのままというわけにもいかないので、窓をあけて簡単に掃除をする事になる。

 おかげで帰宅初日は、夜遅くまで室内の片付けに費やされる事になってしまった。



(疲れた……)

 戦闘で疲れ、帰還でもバギーに乗りっぱなし。

 ようやく帰ってきたら、今度は掃除。

 踏んだり蹴ったりな時間を経て、ようやく風呂に入る事が出来た。

 それもそこそこに切り上げて寝袋に入る。

 あとの事などは考える気にもなれない。

(明日だ明日)

 掃除も含めて様々な事は起きてからこなす事にする。

 本当にやるかどうかは分からないが、とにかく今は何も考えたくなかった。

(寝よう)

 横になって目を閉じる。

 あとはそのまま眠りに就くはずだった。

 疲れが溜まってるので、さぞや熟睡できるだろうと。



 そんな考えを、携帯の受信音が妨げた。

 なんだと思ったが、とりあえず手を伸ばす。

 無視してやろうと思ったが、仕事だったらと思うとそれも出来ない。

 そんな真面目さが嫌になりつつ、受信内容を開いていく。

 電話でなくメールだったのは、不幸中の幸いだった。

 通話で相手の話を聞く必要がない。

 だが、受け取ったメールを見て、疲れが一気に噴き上がる。

 そこには、

『休みだよね、付き合ってよ』

という件名が浮かんでいた。

 差出人の名前は確認するまでもない。

「あのガキ……」

 顔なじみの娘の顔が頭に浮かんだ。

 だが、それ以上考えることなく寝袋に戻って寝る。

 こみ上げてくる憤りよりも、積み重なった疲労と眠気を解消するのが先である。

 端末の電源を切り、再び目を閉じる。

 今度こそ邪魔されずにまともな睡眠をとるために。

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おまえら、教えやがれ
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http://rnowhj2anwpq4wa.seesaa.net/article/479725667.html

『ピクシブのブースを使ってるので、その事を伝えておかねば』
http://rnowhj2anwpq4wa.seesaa.net/article/477601321.html

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