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異世界防衛戦記 ~トンネルの向こうは戦場だった~  作者: よぎそーと
2章 機械群

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88/176

88回目 動きがないのは力を蓄えて嵐になるためのようだった

「敵が集結してます」

 衛星からの観測でその事態が判明した。

 途切れる事無く敵を送り込んでいた敵。

 その動きに変化が出た。

 進軍が完全に止まったのだ。

 その敵は、出撃する事無く生産拠点近くに屯している。

「生産は続いてます。

 それらは敵の勢力圏の中に留まり続けてるだけです」

「だとすると……」

「兵力を貯めてる?」

「可能性はあるな」

 でなければ、わざわざ踏みとどまる必要がない」

「生産設備の増設とかじゃないのか?」

「その可能性もあったんですが、どうも違うみたいです」

 もしそうならば、新たに生産された機械は工場建設などに携わってるはずである。

 だが、そういった気配は無い。

「何もしないで、ひたすら待機してます。

 強いていうなら、待機場所確保の為に、勢力圏周辺の木々をなぎ倒してるくらいです」

「なるほど」

 だとすると、建設や生産などに注力してるというわけではなさそうだった。

「侵攻のために戦力を揃えてると考えた方が無難か」

「おそらく。

 そうでないのを願いたいですが」

 しかし、そんな楽観をする者はいない。

 新地道における中心や中枢と言える部分にいる者達である。

 そんな甘い見通しなんてこれっぽっちもしない。

「関係各所に通達を。

 各企業にもだ。

 必要な情報もちゃんと渡せ」



 その報告はすぐに第三大陸にとどいた。

 敵の攻勢が止まったのは、それが終了したからではない。

 より大規模な構成の前触れである。

 そうなる可能性は極めて高い。

 この情報により、大多数は混乱していった。

 恐慌状態ともいう。

 ただでさえ大量にやってくる敵に苦慮している。

 それが数を蓄え一斉に襲いかかってくるというのだ。

 対応しようにもそんな手段は思いつかない。

 作戦を立てようにも、効果的な手段など思いつくわけもなかった。



 衛星からの画像をざっと見ただけでも、相当な数である。

 数千という程度ではおさまらない。

 何万という単位になるだろう。

 それが、いつ終わるともなく増産を続けている。

 何時頃行動を開始するのかも分からない。

 そんな連中が大量に襲いかかってこようとしている。

 どうにかしないとまずい状況だった。



「けど、やるしかない」

 意志決定をする場では覚悟を決めて目の前の問題に取り組んでいく。

「敵が戦力を蓄えてるのは確かだ。

 だが、その間はこちらへの攻撃もしてこない。

 この時間を有効活用するしかない」

 どれだけ猶予があるか分からないが、迎撃態勢の構築。

 それを行うしかなかった。

「可能な限りの戦力を集結させよう。

 それと、敵の侵攻経路に出来るだけの障害を設置しよう」

 そうするしかなかった。

 真っ正直に正面からぶつかるわけにはいかない。

 敵がこちらに向かってくる前に、出来るだけ数を減らさねばならない。

 最終的に拠点で敵を迎え打つにしても、その数は少ない方が良い。

「地雷に警戒装置。

 これをとにかく設置しよう。

 それと、可能な限り遠方まで出向いて間引きをする部隊を展開する」

 前線を可能な限り遠方に設置する。

 そこから漸減による撤退戦。

 考えつくのはこれくらいしかない。

 それを徹底するために、出来る事を可能な限り行っていく。



 とにかく、現在用意出来る物資などは可能な限り運び込む。

 そして、出来るだけ前進して迎撃地点を作っていく。

 第一大陸から第二大陸を経由して次々に物資が運び込まれていく。

 輸送能力の限界に挑戦し、それをあっさりと突破するような状態に陥っていく。

 ひっきりなしにやってくる船と、陸揚げされた荷物に群がるトラックの群。

 それらが全て最前線へと向かっていく。

 それでもなお、増幅し続ける敵を前にはささやかな抵抗に見えていく。

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おまえら、教えやがれ
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  ↓
http://rnowhj2anwpq4wa.seesaa.net/article/479725667.html

『ピクシブのブースを使ってるので、その事を伝えておかねば』
http://rnowhj2anwpq4wa.seesaa.net/article/477601321.html

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