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異世界防衛戦記 ~トンネルの向こうは戦場だった~  作者: よぎそーと
2章 機械群

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84回目 ままならない防衛体制の構築

 第三大陸の最大進出地点。

 そこに作られていく拠点を中心として、新地道の者達は異世界からの来訪者に対抗しようとしていた。

 現状で出来る限りの速度で進出地を増強し、戦力を拡大しながら。

 とはいえ、それは順調とは言い難いものがあった。



 まだ港湾設備もととのってないので、陸揚げ能力に限界がある。

 また、海上輸送に必要な護衛艦も揃ってない。

 どうしても輸送力に限界が出てしまうので、大規模な拡大が出来ずにいた。

 港湾設備の建設も、護衛艦や輸送用の船舶も増産が始まってるが、それらが実際に就役するのはまだもう少し先になる。

 それでも、少しずつ確実に第三大陸の開発は進められていった。

 簡易ながらも航空機の発着が可能な滑走路もつくられ、輸送機の運行も開始された。

 それに伴うように自治体の軍も派遣されはじめ、戦力は着実に強化されていっている。



 しかし、敵の規模に対して充分なものであるかは悩ましい。

 計測が難しいほどの数で存在する敵の機械群。

 それらが一斉に動き出したら、第三大陸に展開してる軍勢だけで撃退するのは不可能である。

 その為にも早急な戦力拡大が求められている。

 単に稼働してる機械群を壊滅させるだけではない。

 その敵を作ってる生産設備の破壊も含めた戦略的な行動が必要だった。

 問題なのはそれをやるだけの戦力を第三大陸に投入できない事である。



 輸送能力だけの問題ではない。

 現地に大規模な兵力を置いておけるだけの用意がない。

 場所もそうだが、食料や燃料が足りない。

 生活するための社会基盤もない。

 戦う以前に生活するための設備がまだ足りてない。

 兵器の整備・維持以前に、人間の居住がままならない。

 そんな所に大部隊を放り込んでも、まともに活動させる事は出来ない。

 このため、戦力を集結させようにも、それが出来ないでいた。



 軍隊は何もない所に進軍しても活動出来るようにはなっている。

 武器弾薬や食料、整備に必要な機材などを持ち込む事で。

 しかし、それも問題無く補給や補充が出来るという前提条件があっての話だ。

 それがままならない現状では、どれだけ送り込んでも意味は無い。

 物資の輸送・運搬能力に限界がある現状では、これを改善する事は出来ない。

 送り込む事は出来るが、その後が続かない。

 最初のうちはともかく、時間が経過する毎に行動力は低下していく。

 このため、第三大陸における戦力増強は頭打ちになってしまっている。



 こんな状況なので、もし敵が一斉攻撃を仕掛けてきたらひとたまりもない。

 ろくな迎撃も出来ずに壊滅するだろう。

 それは新地道の上層部から、少しは頭が回る一般人まで誰もが考えるところである。

 だからといって即座に状況を改善する方法があるわけもない。

 せいぜい、何事もないように願うくらいがせいぜいであった。



 そんな中でも、可能な限りの改善や増強をはかろうとはしている。

 問題無く運用出来る範囲で、最大限の火力を発揮出来るように考えて。

 そのほとんどが無人化・省力化がなされたものになる。

 人が必要無い無人機銃座。

 同じく、自動装填装置などを搭載した長距離砲。

 航路を設定しておけば、自動的に行動する無人偵察機。

 整備や運用に手間はかかるが、出来るだけ人を省くこうしたものは積極的に用いられていた。

 これらによって、拠点の防衛力や戦闘力の向上が計られていた。



 他にもいくつかの兵器と部隊が投入され、少しずつであるが戦力は向上している。

 大規模な敵の襲来に対応出来る程では無いが、それでも無力というわけではない。

 現状で出来うる最大の戦力は第三大陸に送り込まれてはいた。

 ただ、それでもこの状態で敵との大規模な戦闘は避けたいところだった。

 その為に、強行偵察という名の遊撃戦が続けられていた。

 敵が接近する前に減少させ、少しでも侵攻を送らせるために。

 それは勝つためではなく、負けないための戦いだった。


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おまえら、教えやがれ
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  ↓
http://rnowhj2anwpq4wa.seesaa.net/article/479725667.html

『ピクシブのブースを使ってるので、その事を伝えておかねば』
http://rnowhj2anwpq4wa.seesaa.net/article/477601321.html

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