8回目 別大陸におけるモンスター駆除業務
先人達の苦労と努力によって可能となってる武装。
それをもってタクヤ達は、その場にいるモンスター達の駆除を行っていく。
上陸した砂浜から、比較的ひらけた平野へと進み、襲ってくるモンスターに銃口を向ける。
事前に上空を偵察していたヘリコプターにより、どこにどの程度のモンスターがいるのかは把握されている。
なので、不意打ちなどはほとんど起こらない。
着実にモンスターを倒していき、安全地帯を確保していく。
とはいえ、無限といっていいほど出現するモンスターである。
目の前のモンスターを一掃しても、また別の所から流れ込んで来る。
相当な数を倒すまで、本当の意味での安全は確保しようがなかった。
タクヤ達がモンスターを倒してる間にも、必要な物資や機材が上陸していく。
それらを用いて、簡易的な拠点が作られていく。
とりあえず機関銃の銃座が作られ、迫るモンスターに対応出来るようにする。
モンスターを防ぐための壁があれば良いのだが、さすがにすぐに作る事は出来ない。
なので、これが当面はモンスターを排除する事になる。
また、動体探知機なども設置されていく。
人の目以外にもモンスターの接近を察知する機構は必要である。
それを拠点の周辺、それなりに離れた場所に設置していく。
木々によって目が遮られる場所には重点的に。
そうする事で、視界の及ばない場所の監視をしていく。
感度の方はさほどでもないが、人を割く必要がないので重宝する。
こうして防衛用の最低限の設備を設置したところで、上陸初日は終わる。
作業員などは船に撤収していく。
回収可能な機材なども一旦船に戻していく。
陸に置いたままだと、モンスターに壊される可能性があるからだ。
それでも持ち帰れないようなかさばるものは、置いていくしかない。
そして、それらを守るためにも、警備の者達は夜通しで警戒にあたらねばならない。
開拓において、警備の者達が最もつらい思いをする場面である。
「それじゃあ、今日から暫く頑張ろう」
やる気のない声で班員を激励していく。
そんなタクヤに応えるように、
「おー」
というやる気の全く無い返事が上がっていく。
班員達のそんな態度を見て、タクヤはうんうんと頷く。
「まあ、こんな風に大変なのはいつもの事だ。
これも給料のうちって事で、気合いを入れて頑張ろう」
「でも班長。
そんな簡単に気合いもやる気も出ないですよ」
「そんな事分かってる。
分かってるけど、一応がんばるんだ。
モンスターに襲われて死にたくはないだろ」
「そりゃまあ、そうですけど」
「だから、死なない程度に頑張るんだ。
この際、機材がどんだけぶっ壊れても構わん。
俺達の命を優先しろ」
「それなら、まあ」
それで班員達も納得していく。
「でも、いいんですか。
機材が壊れても」
「良くはないさ。
けど、機材の為に死ぬのもばからしい。
もちろん、機材にモンスターが近づかないように頑張るけど」
「けど?」
「それでも駄目だったら、しょうがないと思って諦めよう」
業務的にみれば決して許されない事である。
だが、タクヤは自分達の命をまずは優先する事にした。
その安全が確保される範囲の中で、機材などを守っていこうと。