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異世界防衛戦記 ~トンネルの向こうは戦場だった~  作者: よぎそーと
1章 異世界

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70回目 日本本国の動き 4

 こうした様々な紆余曲折が外交使節派遣にともなって発生した。

 日本政府はどうにかこうにか第三大陸まで送り届ける目処を付ける事が出来た。

 なお、護衛として自衛隊が外交使節につく事になったが、これが新地道の怒りを更に買う事になる。

 武装も自衛も認めなかった連中が、自分だけは反撃するのかと。



 それでも外交使節の動きにあわせて、新地道自治体の方も動いていく。

 これらの移動を見越し、第三大陸へ戦闘部隊の移動を開始した。

 装甲車などの戦闘車両に、長距離砲を含めた重装備である。

 外交使節を警護する気はさらさらないが、何かあった場合に備えての事だ。

 それを外交使節と平行して移動させていく。

 そうする事で、戦闘部隊の移動の不自然さを少しは消すため。

 単純に戦闘部隊を移動させると本国の者達がうるさい。

 だが、外交使節と平行して動かす事で、傍目には警護や護衛に見える可能性が出てくる。

 これにより、戦闘部隊を動かす言い訳を作る事が出来た。



 また、もっと重要な理由として、外交使節と共に移動してる自衛隊を警戒してのものだ。

 万が一これらが第三大陸などを制圧しようものなら、現地の部隊だけでは対応不可能になる。

 日本政府がそうしないでいる可能性は無い。

 少なくとも新地道の方ではそれを警戒していた。

 言う事を聞かない自治体への対処として、武力制圧をやりかねないという懸念はあった。

 そんな思いを抱く程に、日本政府を疑っている。

 実際にどんな動きを見せるのかは分からないが、疑いもせずに臨む事は出来なかった。



 思惑が絡み合いながら事は進んでいく。

 建設が始まったばかりの本格的な中継地に向けて外交使節が向かっていく。

 途中、護衛の自衛隊が襲ってくるモンスターを撃退していく。

 その様子を、平行して移動する新地道の者達が撮影していく。

 その様子は逐次後方に送られ、様々な方面から報道されていく。

『民間によるモンスターの駆除を遮っておきながら、自分達は撃退していく自分勝手』と題されて。

 これにはさすがに多くの者達が呆れていった。

 むろん政府やそれを擁護する声もあるにはあったが、それらのほとんどは政府の言い訳ととられた。

 擁護する者達も、政府による工作か息のかかった者達によるものと受け取られていった。

 事実がどうであるかは分からないが、そう受け取られても仕方が無い事である。



 そうして到着した中継地においても、政府関係者への協力は一切なされなかった。

 施設の使用や利用については断固として拒否。

 政府関係者は自分達で居場所を作り上げる事になる。

 これに必要な全てを日本本国から持ち込まねばならない。

 外交使節の大半はここで大きな足止めをくらう事になった。



 ただ、外交使節がその先に出向く事は、どれだけ順調でも無理ではあった。

 新地道側で建設した進出先はそこまでが限界である。

 そこから先に行くには、更なる探索や探険が必要だった。

 別世界からの来訪者達も、まだそれほど近くまで来てるわけではない。

 いずれは到達するであろうが、接触するには更に相手側に向かって進んでいかねばならない。

 数百キロという距離を。

 まだ来訪者との距離はそれだけあった。



 接触するには遠すぎる。

 しかし、時間を稼ぐには近すぎる。

 そんな距離である。

 こちらと相手の移動速度、進出していく早さを考えると近い。

 しかし、交渉のための接触をはかろうとするならば、この距離はまだまだ遠いものがあった。



 そこからは相手との接触予定地まで開拓を進めていく事になる。

 外交使節団は更に先に進みたがっていたが、道が無いのでどうしようもない。

 ヘリコプターなどを用いようにも、その為の設備もない。

 発着場所を選ばないヘリコプターであるが、整備や燃料補給の場所は必要になる。

 そんな場所などまだ存在しない。

 いずれは建設されるだろうが、それ以前にやらねばならない事が山積みになっている。

 やむなく外交使節団もここで一時足を止める事になる。

 そして、新地道の者達が作った最前線の拠点で情報収集を始めていく。



 外交使節も闇雲に来訪者達に接触しようとしてるわけではない。

 観測衛星からでは分からない実態を、可能な限り近距離で調べようとしていく。

 その上で相手との交渉にのぞもうとしていた。

 その為にも実際に調査に赴く必要がある。

 だが、これもまた難しい問題があった。

 相手の状態を調べようにも、その為の人員も道具も不足している。

 それらも本国から呼び寄せる事になるが、時間がかかってしまう。

 結局のところ、外交使節と呼ばれる者達は、まずは拠点内に自分達の居場所を作る事から全てを始める事になった。

 もっとも、新地道側は自分達の作った場所を提供するつもりはなく、必要なら自分で作れと言われる事になる。

 これに必要な全ても本土から取り寄せる事になる。



 新地道は新地道で、進出先に拠点を築きつつ更に来訪者にいる方面への探索などを実施していく。

 いずれ接触があるのは彼等も同じであるし、事前に集められる情報は集めねばならなかった。

 接触すれば嫌でも何らかの対応を取る必要がある。

 現地に展開する新地道にとって、それを他人事とするわけにはいかない。

 否応なしに当事者になるのだから、対応策を考えていかねばならない。

 本国の動きを無視して、新地道は新地道で行動を進めていく。



 それでも結局、日本本土側も新地道側も、そこで一旦動きを止める事になった。

 先に進むために必要なあらゆる物が足りなくなったからだ。

 燃料も食料も寝泊まりするための施設も。

 それらがなければそれ以上先に進めなくなっていた。

 これらを手に入れるためには、数ヶ月の時間が必要になる。

 人員や機材に物資を得る為には、どうしてもこれだけの時間がかかる。

 先に進むのはその後になる。

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おまえら、教えやがれ
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http://rnowhj2anwpq4wa.seesaa.net/article/479725667.html

『ピクシブのブースを使ってるので、その事を伝えておかねば』
http://rnowhj2anwpq4wa.seesaa.net/article/477601321.html

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