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52回目 新たな大陸にて 17

「それで……」

 説明が終わったところでタクヤが質問をする。

「もし相手が攻撃してきたらどうするんだ?

 さすがに反撃くらいはさせてもらいたいんだけど」

「その場合についてはやむを得ないと判断してます。

 さすがに死んでも戦闘をするなとは言えませんから。

 ただ、可能な限りそうなるのは避けてもらえれば、というところです」

「無抵抗でいろってわけじゃないと?」

「もちろんです。

 攻撃された場合はもちろんですが、直接的な攻撃行動でなくてもかまいません。

 例えば、攻撃はしてこないが、周囲を包囲してくるとか。

 明らかに自分達が不利になる、逃げ道が無くなるといった場合には強硬手段をとってもらって構いません」

「なるほど」

 それが聞けて安心した。

 こういった調査の場合、文字通りに命がけで情報を集める事になりかねない。

 今でもモンスターの生態調査などでは、可能な限り危害を加えないで接近するという事が行われてたりする。

 そういった事を強要されるるのではないかと思っていた。



「また、探索に出るにあたって、必要になる道具は可能な限り用意します。

 これは戦闘も含めたものになります。

 そうでなくても未探査の地域へ出向いてもらいますから。

 可能な限り装備を充実させたいと考えてます」

「じゃあ、戦車とかも持ってきてくれるのか?」

「調達が可能であれば、それも考えたいと思ってます。

 ただ、さすがにすぐには用意出来ないので、だいぶ後回しになると思いますが」

「ああ、本当に欲しいってわけじゃない。

 ただ、どれだけ本気でやってくれるのかなと思ってね」

 このあたり、戦闘部隊の者達は懐疑的になってしまう。

 欲しい装備や支援がなかなか得られないとういのはよくある事なのだ。

 業務の困難さに関わらず。

 むしろ、困難な仕事ほど満足な支援が得られない事がある。

 準備時間がとれない突発的な業務になる場合が多いので仕方が無い。

 戦闘部隊の者達もそれは分かってるのであまり無理は言えないでいる。

 ただ、今回は会社も本腰を入れてるのを感じる。

 そうであるならば、少しは増しな状態で臨む事が出来そうではあった。

「とりあえず屋根付きの車は用意してくれ。

 最低でもそれくらいないと話にならない」

「出来れば装甲車がいいんだけどな」

「可能な限り用意します。

 とりあえず、今回持ち込んだものの中には装甲車も入ってます。

 こちらで使ってください」

 思ってもいない言葉に、タクヤ達は驚いた。

 会社がここまで気前が良いのは珍しい。

 それだけこの業務が重要という事なのだろう。

 同時に、この仕事の困難さ示していた。

 優先順位の低い仕事に力を入れるわけがない。

 また、これだけの用意をしてくるという事は、難しい仕事である事を示している。



 早速装備が支給されていく。

 その充実ぶりはこれまで無かったほどだった。

 真新しいものはそれほど無いが、全員に不足なく行き渡る。

 こんな事、入社以来経験した事がない者がほとんどである。

 何かしら足りなかったり、補充が来るまで結構待たされるのが当たり前だった。

 その常識が覆される。

「本気でやるつもりか」

 自分の班にあてがわれた車輌を見てタクヤは呟く。

 新たに支給された車輌は、ハッチバックタイプの四輪駆動車だった。

 後部にバギーを搭載出来るくらいの大きさがある。

 バギーはそこに格納し、必要な時に取り出せるようになっている。

 基本的には車輌で移動するが、必要ならバギーによる行動も可能とする為である。

 これだけでもあれば、簡単な偵察や火力の補強にはなる。

 とにかく少しでも戦力を増やそうというのだろう。

 おかげでタクヤは、愛用してるバギーを手放さずに済んだ。

 同時に、体が剥き出しのバギーにまだまだ縛られる事にもなった。

「良いことなのか、悪い事なのか」

 判断しづらいものである。



 他にも警戒用の装置や上空から偵察する為のドローン。

 追加の銃器に弾薬、手榴弾などの火器。

 更には無反動砲なども持ち込まれている。

 単なる探索には過剰なほどの戦力だ。

 よほど大型のモンスターでもない限り、これらを使う機会は無い。

 それはつまり、大型のモンスターとの会敵もありえるという事なのかもしれない。

 事前の説明ではそういった事は全く話に出てこなかったのだが。

(注意はしておいた方がいいのかもな)

 わざわざ口にしなかっただけなのかもしれない。

 大型モンスターの出現は言うまでもないほど注意する事なので。

 そう思いタクヤは、班員にそれらも注意するよう告げていく。



 タクヤ達が出発をしたのは、その年の春が終わり、夏に入った時期であった。

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おまえら、教えやがれ
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  ↓
http://rnowhj2anwpq4wa.seesaa.net/article/479725667.html

『ピクシブのブースを使ってるので、その事を伝えておかねば』
http://rnowhj2anwpq4wa.seesaa.net/article/477601321.html

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