5回目 開拓に関わるモンスターの脅威と、現地のおける武装事情 2
このため、現地に入植した者達からは、より強力な武装を求められるようになった。
当然ながら政府や現地自治体はそれを許可しなかった。
武装の強化がもたらす治安への懸念などがあったためだ。
しかし、現実を無視したこういった措置は、現地で作業をしてる者達の反感を買った。
企業も企業でこういった対応には失望をしていった。
また、現地で実際に活動する立場でもあったので、早急な対応をしてもいった。
モンスターに襲われる度に多大な損失を出してはいられないのだから。
人命の損失もそうだが、それを含めた赤字の拡大を企業は恐れた。
だからこそ、密かに武器の製造を開始していく。
幸い、日本にも兵器産業は存在する。
それこそ自国開発で戦車に戦闘機に艦船を造り出す国だ。
作ろうと思って作れない事もない。
とりあえず銃器、そして戦闘に適した車輌の製造。
これらが先に行われていった。
幸いにして、資源はある。
開拓に必要だからと持ち込まれた物があるので、これを一部使って武器の製造にあてていった。
そうして出来た装備で武装した者達が、迫るモンスターを次々に撃破していった。
軍用の歩兵銃と兵士用機関銃、車載用の重機関銃。
更には、四輪駆動自動車に酷似した軽装甲車輌。
これらをとりあえず装備した武装部隊は、モンスターに大して恐ろしい程の威力を発揮した。
大量に出現するモンスターも、連射される銃弾には叶わない。
もともと、小型モンスターなら銃弾で簡単に倒せる。
ただ、数で圧倒されていたから危険だったのだ。
銃弾を連射する事が出来るようなった時点で、小型モンスターは脅威でもなんでもなくなった。
中型モンスターも重機関銃の連射の前に倒れていく。
この重機関銃、かつては戦闘機の武装にもつかわれていた12.7ミリ口径の弾丸を使う。
それは強靱な筋肉で覆われてる中型モンスターであっても、簡単に貫通していく。
そんなものが、引き金が引かれてる間は連射されるのだ。
頭を、胸、腹を何十発も撃ち抜かれるのだから、生きていられるわけがない。
強靱とはいえ、生命体である以上、重要器官を破壊されて生きていく事は不可能だ。
この重機関銃が一丁あるだけで、遭遇する事の多い中型のモンスターまで撃破する事が可能となった。