41回目 新たな大陸にて 6
とにもかくにも、二つの別大陸における開拓と開発は進めねばならない。
二番目の大陸は生産地点として更なる開発を。
三番目の来訪者がいる大陸では上陸のための港湾と万が一の為の防備を。
その為に必要になる様々な事が検討されていく。
何にしても二番目の大陸での社会基盤の構築が急がれた。
資源採掘と加工が出来るようになるまで発展させねばならない。
単に中継地になるだけでなく、それだけでそれなりの生産力を持つように。
これについては10年20年という時間がかかるのは覚悟でやっていく事になる。
これは来訪者対策とは別の事業ととらえて進められる。
この星における今後の発展の為として。
その為の布石ととらえて行動していく事になった。
でなければやってられないほどの大事業である。
どのみち、新たな開拓地は必要になる事だし、それを踏まえてのものだった。
もっとも、本格的に必要になるのは、この調子で加速を付けて発展していってもかなり未来の事ではあるが。
だからと言って来訪者の事を横に置いているわけではない。
結果的に二番目の大陸の発展は、背後の生産地構築にもなっていくのだから。
どちらに焦点をあてようと、得られる結果は同じである。
ただ、どちらを優先するか、何が目的なのかが違うだけである。
必要になる様々な物資や物品を作り出せる状態を作るなら、基本となる社会基盤が必要になる。
それが無ければ、万が一の為の兵器生産すらおぼつかない。
あらゆる産業は社会がまともに運営されねば成り立たない。
その土台を作る為に今は奔走する時期である。
だからと言って三番目の大陸を放置するわけにもいかない。
必要になる設備や施設は構築していかねばならない。
その為の機材や資材や人員などを送り込まねばならない。
最低でも現地の上陸地点を確保するために必要な物は用意せねばならない。
モンスターから身を守り、被害が出ないようにするために。
でなければ、無理をして上陸させ、どうにか確保した拠点を失う羽目になる。
その損失はとてつもなく大きくなる。
一井物産としては、そんな損害をみとめるわけにはいかなかった。
やむなき事情があるならば、仕方のない損失とする事は出来る。
だが、自分らの手抜きで損失を出すわけにはいかない。
あくまで事業として見てるわけだが、事業であるから余計な無駄になる損失は出せない。
如何にして二番目の大陸における開発を進めるか。
それでいて、三番目の大陸における体勢をどうやって構築するか。
その為に必要な様々な事を考え、企画部では連日終わらない議論が進んでいく。