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33回目 業務の説明を受けて強制的に仕事に参加する事に

 実際、アマネに言った通り、それ程時間があるわけではなかった。

 4月に入り、新たな業務の説明を受けたタクヤ達は、ほとんど間を置かずに移動となる。

 その行き先と遂行するべき作業内容を聞いて戦慄をおぼえながら。

 なんでそんな事に自分達が投入されるのかと思いつつ。



 それからは本当に色々と動きだしていった。

 業務説明を受けた部屋からそのまま待機室へ。

 更に、宿舎に戻る事もなくそのまま社内で寝泊まり。

 他に移動させないよう、逃げ出さないよう、更には情報が漏れないようにするためだろう。

 かなりの徹底ぶりだった。

 仕事の内容を考えればそれも当然ではあるのだろう。

 それくらい機密性が高い業務という事である。

 話を聞いたタクヤ達も納得するくらいには。

 だが、だからと言ってその後の流れの早さと監禁の如き拘留状態には言いたい事もあるが。



「なんなんだ、あれは」

 社内の監禁部屋……ではなく、宿泊施設の中。

 他の班員と同じ部屋に入ってるタクヤは、業務内容を思い出してぼやく。

「冗談だろ」

「他の大穴から別の世界の連中がって奴ですか?」

「ありえない話ってわけじゃないですけどね」

「むしろ、今までいなかったのが不思議というか」

 班員達からも様々な声が上がってくる。

 だが、それらは監禁状態におかれた事への文句などではない。

 説明された内容についてがほとんどだった。



「他の世界か」

 異世界に繋がってる大穴。

 それらがある以上、ここから更に別の世界に繋がっていてもおかしくはない。

 むしろ、その世界からの来訪者が今まで居なかった事の方が不思議と言える。

 それがとうとうやって来たというだけ……なのだろう。

 だが、それが幸せなものであるかは分からない。

「どうなるんだろうな」

 心配の方が大きい。

 異世界の存在との接触が上手くいくかどうかなんて分からないのだから。

 そもそもとして、新地道のあるこの異世界でも既にそれは示されている。

 モンスターという存在がそれを物語っている。

 それは紛れもなく異世界に存在する生命体との接触である。

 それがどういう結果に陥ったのかは、現状が物語っている。

 地球からやってきた者達にとって、この世界の住人だったモンスターは、明確な脅威である。

 敵と言って良い。

 そして、いまだに協調は出来てない。

 それ以前に、意思の疎通がそもそも出来ないでいる。

 交渉すらも成り立ってない。

 それを考えれば、異世界の住人と協調出来ると考える事は難しかった。



 だからこそタクヤ達武装警備隊の者達が集められていた。

 これから新たな来訪者達の所に赴き、接触を試みるために。

 その際に、最悪の事態に陥った時を考えて。

 最悪、戦闘になる事も充分に考えられる。

 タクヤ達が集められたのは、それを見越しての事だった。



 その為、タクヤ達以外の武装警備隊も集められている。

 いずれもそれなりの業務経験を持ってる者達ばかりだった。

 これだけ集めたら、今行ってる業務に支障が出るのではないかと思えるほどに。

 そうせねばならないほど、来訪者達との接触に危機感を持ってるのだろう。

 また、新人達による新たな班を急造したのも納得出来る。

 こうして抽出した部隊の穴埋めの為なのだろうと。

 とにかく班の数を増やして、業務にあてるために。

 それにしても急ぎすぎだとは思うのだが。



「それにしても、別の大陸か」

「こっちもまだ開拓中だっていうのに」

「相当焦ってるみたいだな」

 一年でまた別の所に移動。

 しかも、また海を渡る事になる。

 その事にも驚く。

「切羽詰まってるって事なんだろうな」

 相手の出方というか動きが早い。

 だからこれだけ急激な動きをしてるのだろうと思った。

 でなければここまで無理をする必要がない。

 準備もそこそこにして事を進めねばならない。

「こんな調子で大丈夫なのかねえ……」

 おそらく全てがギリギリなのだろうとは思えた。

 そんな調子で上手くいくのかと心配になる。

 だとしても、業務を断る事も出来ない。

「面倒な事になったな」

 本心からそう思った。

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おまえら、教えやがれ
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  ↓
http://rnowhj2anwpq4wa.seesaa.net/article/479725667.html

『ピクシブのブースを使ってるので、その事を伝えておかねば』
http://rnowhj2anwpq4wa.seesaa.net/article/477601321.html

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