139回目 本拠地突入
その後も何度か繰り返された偵察で現地の状況が少しずつ把握されていった。
今まで上空からしか見れなかった敵地の様子。
ここにきてようやく地上からの、人間の視点でようやく見る事が出来た。
それにより分かる事もあり、今後の作戦を練る上での参考にされていった。
めまぐるしく準備が進んでいく。
ついに敵の本拠地に踏み込むとあって、慎重に事は進められていった。
可能な限りの物資が送り込まれるのは言うまでもない。
加えて、それらを作り出す生産設備も増加していく。
前線を支えるだけの物がなければ何も始まらない。
また、何よりも人々の生活を支えるだけの余裕がなければどうにもならない。
その為にも様々な物資の増産が出来る状態が作り出されていく。
今後も増え続ける人口を見込んでの事でもある。
戦争だけが目的ではない。
だが、結果として戦争を有利に運ぶ事に繋がっていく。
それでも、まずは目先の敵を倒す事に主眼は置かれている。
終わった後の事も考えねばならないが、それも目の前の問題を片付けてからの話だ。
生産設備をととのえるのも、今は戦争に勝つためである。
ここを超えなければ先は無い。
幸いにして、物資の統制・配給などまではなされてない。
そこまでする程無理をしてるわけではない。
生活にまだ少し余裕があるだけ、かつての大戦中よりはマシではあるだろう。
だが、あちこちで残業・休日出勤が連続するのは避けられない。
職場に泊まり込みも行われている。
これだけは避けられなかった。
残業代や休日出勤の分もしっかり給料に繁栄されるのが救いであろうか。
対して敵の方はさほど大きな動きを見せてはいない。
攻勢に出るために兵力を集めてはいるようだが、その拡大は決して早いものではない。
繰り返される空爆の影響が更に出てるようだった。
おかげで何よりも重要な時間を確保する事が出来ている。
その時間で人類は突入戦力をととのえていく。
そうして三ヶ月。
前回の攻勢より半年。
いまだ万全とはいえない状態ながらも攻撃を開始していく。
これ以上時間を引き延ばせば敵の増大をゆるす事になる。
他の大陸への対処も遅れる。
それらを考えての決定だった。
見込める戦果は求める程にはならないのは分かってる。
だが、まずは目の前の敵の戦力を削ぐ事。
それを求めて攻撃は開始されていった。