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134回目 新たな者達

 攻勢の終了伴って事後処理も始まっていく。

 兵員の休息、消耗した物品の補充。

 今回の戦闘結果の確認と、そこから始まる様々な検証。

 今後の展開について必要な措置を策定。

 既に規定通りの流れとなったこれらが始まっていく。

 そんな時だった、新たな存在があらわれたのは。



 異世界の衛星軌道を飛ぶ監視の目。

 それらが新たな存在をとらえていった。

 いずれも地球以外の異世界に繋がれてるはずのそれらが、何を吐き出してくるのかと。

 機械群があらわれた事により、そういった警戒は更に強まっていた。

 もし、また強大な存在がわらわれてしまったら、対処不能になってしまう。

 そうならないよう願いながら。



 懸念と恐怖をはらんだその思いは、この時期に具現化してしまう。

 大穴から出て来た者達によって。

 それらは小さな点としてしか映っていない。

 しかし別世界からの来訪者である事は間違いない。

 その現実に、情報を得た者達は等しく困惑した。



 状況が状況である。

 機械群の対処におわれてる状態だ。

 そんな時にやってきたので、対応する手段がない。

 遠く離れた他の大陸にいるので、そもそもとして接触すら出来ないが。

 即座に何かが起こるという事態ではない。

 だが、相手が何をしていても手が出せないという事でもある。

 最悪の事態に至る前に手を打つという事も出来なくなる。



「やむをえんが……」

 情報を受けた者達は一様にため息を吐く。

「暫くは静観するしかない」

 何をしてるのかを見てるしかない。

 それで分かる範囲でどうにかしていく。

 今すぐには動けないから、せめて今後の対応や対策がうてるよう出方を見る。

 消極的だがそれしかする事がなかった。



 ただ、一点だけ気がかりな事もある。

 新たな勢力が出現した場所。

 その中には第二大陸も含まれている。

 そこには第三大陸への中継地点として港町が建設されている。

 ここが潰されたらひとたまりもない。

 また、その大陸は一井物産が開発を一手に引き受けてる場所でもある。

 事実上の自治状態である。

 そこが襲撃を受ければひとたまりもない。

 さりとて防衛の為に貼り付ける兵力もない。

 新地道の軍はほとんどが第三大陸に展開していた。

 第二大陸には海上護衛の為の艦船と、それらが停泊する軍港を守る施設防衛部隊しかいない。

 あとは警察と、企業の戦闘部隊だけである。

 これらだけで対処出来るのかどうか。

 不安は大きい。



 もしここが襲撃を受けて壊滅でもしてしまったら目もあてられない。

 そうなったら第三大陸に展開してる部隊への補給が滞る。

 そうなったら新地道自体の存続も危うくなる。

 機械群への対処が出来なくなるだけに留まらない。

 国力のほとんどを第三大陸に注ぎ込んでるのだ。

 それらの全てを失う事にもなる。

 その中には当然ながら人も含まれる。

 物資の損失も問題だが、何よりも大きいのはこうした人の消失だ。

 戦闘部隊だけでなく、それを支える為の人員、更には宿舎や生産設備にサービス業。

 これらに数十万以上の人間が従事している。

 失ってしまえば、その損失は大きい。

 急激に増加してるとはいえ、現在の人口は1200万。

 そこから数十万が失われたら、莫大な損失となる。



「どうにもならないな」

 状況を考えればそうなってしまう。

 余力がないから何も出来ない。

 それがあらゆる方面に影響を与えてしまっている。

「事が終わるまでに何も起こらなければいいが」

 せめて第三大陸の敵を片付けるまでは。

 そう思ってしまう。

 それまでは特に大きな動きがない事を願うしかなかった。

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おまえら、教えやがれ
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  ↓
http://rnowhj2anwpq4wa.seesaa.net/article/479725667.html

『ピクシブのブースを使ってるので、その事を伝えておかねば』
http://rnowhj2anwpq4wa.seesaa.net/article/477601321.html

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