110回目 飛行場建設
建設は速やかに開始されていく。
とにかく、発着が可能なように滑走路を。
高低差を無くし、水平な面を作っていく。
何千メートルという距離を確保していく。
その横に管制の為の設備を設置していく。
ここを使う事になる機体を格納しておく設備も設置していく。
送り込まれた人員と資材が形を作っていく。
そうした作業と平行して、戦闘部隊は飛行場予定地より更に敵側に向かっていく。
今後の襲来に備え布陣をするために。
やらねばならない事は多い。
敵が失った兵力を回復しているのは衛星からの観測で確認されている。
今も増加を続ける生産設備の力もあり、回復速度はかなりのものであるという。
それでも前回と攻勢と同程度の規模になるまでには時間がかかる。
しかし、いずれやってくるのは明白だ。
だからこそ、前回以上に重厚な防衛陣を構築せねばならなかった。
いつもそうだが、時間が無かった。
次の敵の襲撃がいつになるか分からない。
だからこそ、急いで陣地を作らねばならなかった。
敵の攻勢が予想より早く到来しても対処出来るように。
飛行場も同じだ。
ここを拠点として行う予定の爆撃。
それを少しでも早く行う為にも、建設は急いでやらねばならなかった。
特に爆撃は早急に行う必要があった。
敵の生産速度が増大しており、これ以上の増加は抵抗が不可能になる可能性があるからだ。
敵の生産設備増加は危険なまでに高まっていた。
今はまだどうにか押し返せてるが、これ以上続くならそれも出来なくなる。
前回の攻勢はなんとか凌ぐ事が出来たが、それも相当な消耗を強いられた。
その消耗量は今後増大する事はあっても減る事はない。
何もしなければ、そうなっていくだろう。
食い止める為にも相手の生産体制を破壊する必要があった。
その為の爆撃である。
どれ程効果があるのかは分からないが、やらねばならなかった。
活動してる機械を破壊するだけでは意味が無い。
様々な工作や活動を行ってるのは機械だが、それを生産してる施設がより優先すべき対象である。
これを破壊しない限り、際限なく生産されてくる。
それを止めねばならない。
発着が出来る程度の平坦な道が出来上がる。
必要な機材なども運ばれてくる。
航空機の運用に必要な最低限の施設が揃っていく。
本当に最低限の運用しか出来ないが、それでも発着は可能になっていく。
そうなってからは輸送機が到着し、空輸で必要な機材を運んでくる。
物資運搬にほんの少し余裕が生まれた。
飛行場建設を目指して第一陣が出発してから一ヶ月後。
空爆に必要な最低限の状態がととのった。
爆弾を搭載した輸送機が飛び立ったのは、そんな頃だった。




