10回目 別大陸におけるモンスター駆除業務 3
海岸周辺の拠点作りと、その周辺のモンスター退治が行われていく。
少しずつ安全地帯が拡がっていく。
それと同時に、伐採などで更地が拡げられていった。
とにかく場所が必要である。
これから作る様々なものを作る為の物資。
それを置いておくためだけでも場所が必要になる。
その為に場所を拡げた、拡げた場所に必要なものを建設していく。
この場所が拡がるごとに、タクヤ達の仕事も増えていく。
守る範囲が広くなれば、当然ながら警備もしづらくなる。
モンスターの出現する場所全てに警備がつけるわけもないのだ。
その為に、防壁や監視装置なども設置していくのだが。
それが追いつかないほどモンスターが多い。
人手の少なさを補うために、遠隔操作が可能な無人機銃座も設置されてはいるのだが。
それらを用いても、警備の大変さは軽減される事はなかった。
「──というわけで、今日も外の見回りだ」
「えー!」
班員に本日の業務を伝えれば、毎度毎度文句が上がってくる。
「今日もですか」
「昨日もでしたよね」
「毎回モンスターに襲われるんだけど」
このあたりが理由である。
拠点の外を見回るのだから、当然こうなる。
「少しはモンスターが減ってくれればいいんだけど」
まだまだモンスターは多く、襲撃回数が大人しくなる事は無い。
一応、回数そのものは徐々に減ってるのだが、差を感じるほど大きなものではない。
なので、外に出て状況を確認する作業は、戦闘と同じ意味になる。
いくら十分な火力と防御力を持ってるとはいえ、危険が大きい。
しかも、まだ未開の地域が多い。
視界を塞ぐ森などもある。
そういったところからモンスターが襲ってきたら、かなり不利になる。
人類のモンスターへの優位は、遠距離から銃によって攻撃出来る事が大きな比重を占めている。
その利点を失ったら、瞬時に蹴散らされる事だってある。
それが分かってるから、誰もが外回りは遠慮していた。
だが、そういった業務をこなすのが、武装警備隊の仕事である。
タクヤ達に拒否権は全く無かった。
問題になるのはモンスターから近距離で襲われる事である。
その場合、十分な防御力がないと一気に蹴散らされてしまう。
それに備えて、軽装甲車輌があるのだが、これが全体に行き渡ってるかというとそうではない。
戦闘車両や装甲車両の中では安く調達出来る方なのだが、企業の武装部隊が備えるにしては高価である。
維持や整備の手間もかかるので、どうしても運用できる数は限られている。
年々増加していってはいるのだが、それでも全体に行き渡るほどではない。
残念ながら、タクヤ達にまでこの便利な車輌は回ってきてなかった。
「まったく」
文句、ぼやき、愚痴が口から出て来る。
いつもの事ではあるのだが、出撃前だと特にこれが増える。
無茶な仕事が振られた時の定番とも言える。
「せめて装甲車くらいよこせっての」
そう言いながら、自分はバギーにまたがっていく。
その頭に設置されてる歩兵用7ミリ機関銃に弾丸を装填し、出発の準備を調える。
いつも使ってる道具であるので、その動きは馴れたものだ。
また、軽くではあるが具合も確かめていく。
これがまともに動かないと命に関わる。
装甲に守られてないバギーなので、万が一全く動作しなかったらそれだけで致命的だ。
だからこの時だけは少しばかり真剣になる。
どれほど愚痴っても、いかねばならないのは変わらないのだから、その為の準備はしっかりしていった。
直前で外回りの中止が言い渡されれば話は変わってくるのだが。
そんな事は滅多にない。
この日も奇跡は起きず、いつも通りに出発となる。
「それじゃ、行くぞ」
部下の班員に声をかけ、全員に動くよう言い渡す。
合同で動く他の班と共に、活動拠点から出て危険な外へと出発していった。




