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悪役令嬢、頑張ります。  作者: 影干し
第一章 気づいたら侯爵令嬢
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閑話 ジークとルネ

口の悪いキャラが出てきます。ご注意下さい


 私はジーク。

 最近、王太子様とエレオノーラ様による力が大きいが、あの紙幣の数え方が多く導入されて、それなりに満足している。

 私はローゼマリー様がマグノリア領との流行を生み出す依頼で忙しそうなので家庭教師は休みだった。

 その休みを利用して珍しく帰郷していた。


 けれど今、私の目の前には目障りな者がいた。


「よぉ、相変わらずしけたツラしてんなぁジーク。いい加減女の一人でも出来ねぇのか?まぁお前にゃ無理か」


「……………。」


 この男と喋ると馬鹿馬鹿しすぎて何も言葉が出てこない。

 私は心底見下した目でルネとかいう阿呆を睨みつけた。

 同郷でのかろうじてのよしみがあるだけで、正直言ってなんの繋がりも無い。


「まだあなたみたいな人が奥さんに見切りをつけられていなかったんですか?予想外です」


「父ちゃんは母ちゃんにこれ以上浮気したら別れるって…、なんだっけ?「サイシュウチューコク」されてたぞ!」


 彼の連れている息子たち2人がわいわいと周りから野次を飛ばしてきた。応援してるのか貶してるのかよくわからないが。

 私は目の前にいるこの男を鼻で嗤った。


「おいこら馬鹿ども黙ってろ!あ?なんか文句あんのか、冷徹鉄面皮××××(ピ――――)野郎」


「あるがお前と喋ると口が腐るんだよ、万年発情期××××(ピ――――)が」



 周りにいるルネの息子たちは、喧嘩だ喧嘩だと何故か嬉しそうに話しながら、あまりにも険悪なムードが漂う私達の周りに野次馬を呼び寄せていた。

 私は他人が基本的に嫌いだが、この男とはとことん相性が悪かった。

 あまり暇ではないのに王都からわざわざ田舎の故郷に赴いたのだ。お互いに仲が悪いと知っているルネからの連絡で。やはり早まったかもしれない。

 そこへ一人、身振りから護衛の仕事をしてるであろう男性が私達に割って入ってきた。恰好は地味にして目立たないようにしているようだが、貴族に仕えるために丁寧な物腰を身につけているという感じがした。


「お二人とも往来の真ん中でお止しください。ルネさん、喧嘩を売ってどうするんですか。ジークさんに聞きたい事があったのでしょう?」


 ルネはチッと舌打ちをしてから、誰かを探すように周りを見渡していた。

 その目線が一人の女の子に止まる。

 不揃いなぼさぼさにしたピンク色の三つ編みを下げた眼鏡をかけた子で町娘に混ざってもパッとしない子だ。


「る…ルネさん何事ですか?あ、護衛さん止めてくださって、ありがとうございました」


 その子が信じられない言葉を吐いた。まず役職で呼ぶのはありえない事で特に目立たないようにしているなら、なおさら誤魔化せるよう普通従者の名前を呼び捨てにする。

 それなのにこの子が自分が主だと言ったという事は、貴族である。


「…この子が?」


 私が驚いて訝しげにその子の方を見ると、びっくりしてルネの後ろに隠れてしまった。

 この子が私が呼び寄せられた原因だ。ルネは黙って頷いた。


「ここじゃ人が多い。一端、家へ行くぞ」


 ルネがそう言ってルネの家族とその子と護衛と私を引き連れてルネの家へと向かった。

 ルネの妻が出迎えてくれて、一室へと通された。

 何故かピンクの髪の女の子はルネの妻がお茶を出すための手伝いをしに行っていて呆気にとられた。

 本当に貴族なのか怪しい。護衛もルネもルネの妻も当たり前にこの行動を受け取っているのだ。

 何故、貴族が一人で出歩いている?普通ならば侍女がやる事だ。何故、護衛だけで侍女がついていない?


「どういう事だ?本当に貴族なのか?あの子は」


「あ~、まぁ一応。変なのは知ってるんだけど、やりたいって言うからな」


 そう言いながら、息子たちとルネは今日の商売の売り上げを数えていた。

 ルネは貴族相手と普通の市場で商品を売りさばいている商人だ。

 市場での売り上げはコインケースを使って、紙幣はたどたどしいながらも、あの数え方で数えていた。

 紙幣はルネが、銅貨などはコインケースを使って息子たちが紙に書きだしていた。

 ルネは貴族相手に商売をしている商人の一人なのもあるだろうが、紙幣の数え方がこの田舎にも届いていたらしい。


「この数え方を広めたのはお前なんだろう?ジーク」


「その事で私を呼んだんだろ?」


「まぁな。あのお嬢ちゃんが、この新しいやり方見て『ルネさんもそれが出来るんですか?凄いですね』って言うんだよ。まるで見てきたみたいに。あの子はこのやり方なんて知ってる人間にツテなんて無いはずなんだけどな。お前知ってるか?」


「全く。貴族であんな子は見た事が無い。ほとんど存在感がお前の息子よりも無いぞ」


「あ~~~…、あの子は貴族恐怖症でな。特に目立つ事を嫌うんだよ。けどもう8歳だ。家でもあんまりうまくないみたいでな。頭がかなり良いんだが家庭教師つけるにも本人が嫌がりそうでもったいないと思ってよ。いろいろと知らない事を知ってて助かったりするしな」


「お節介は相変わらずですか。他人の家庭に土足で踏み込むのが好きですね」


「あ゛?」


「あ~、もう父ちゃん、早くしてよ!俺達早く飯食いたい」


「はぁ、貸して下さい。確かに遅いですよ。そんなに枚数無いでしょう」


 そう言ってルネが数えていた紙幣分をさっさと数えて紙に書きだした。

 ルネの息子たちが「早ぇ!!!なんだこいつ!すげーぞ!」と騒いでルネの妻やあの子も見にきていた。

 その子が言った一言を私は聞き逃さなかった。


「お~、凄い。銀行員さんみたい」


 確かにどこかで見てきたようだ。ギンコウインとは何だ?

 その後、ルネが監督として計算機で売り上げの総計を出していたが、その子が計算の手伝いをしているようで、私が見ている事を気にしていたが明らかにルネよりも計算が早かった。

 そこにはお嬢様と同じ数字の縦列が記載されていた。

 その計算と合っているかルネが確認しているようだ。頭の良いというのはこういうところを見たのか。

 私はニヤリと笑った。情報元がルネという事もあり半信半疑だったが、興味に従って良い拾い物をしたようだ。


「初めまして、私は平民で家庭教師をしております、ジークと申します。以後お見知りおき下さい」


「はぁ…。初めまして…。ルネさんのお友達…ですか?」


「違います」「違ぇ」


 その子は首を傾げながらこちらを見ていた。




ジーク:おもちゃ第二号発見。


と言っても家庭教師としてきちんと授業を受けるならば雇われなければならないので、ジークがやりたいと思っても王都からは遠いですし、工夫が必要になってきます。

ルネの方が年上ですが、元々故郷でご近所なため、ジークにいろいろと絡んでくるうざい奴認定されています。

ヒロインはルネ宅で平民の生活を教えてもらっています。恐妻家。お調子者の息子が2人います。

ヒロインはルネの方にいる時は服も平民の物をもらって着ているため、町で普通にオシャレしてる子よりも目立たないです。

ヒロインパパも心配じゃない訳では無いので護衛が最低ライン。やっと閑話挟めた…。


閲覧、ブクマ、評価いつもありがとうございます。

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