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悪役令嬢、頑張ります。  作者: 影干し
第一章 気づいたら侯爵令嬢
13/64

12、ロック解除

今回はほぼ説明回です。最初にここを読んでしまうと前の話のネタバレがありますので順番に読む事をお勧めします、ご注意下さい。逆ハーが好きな方はごめんなさい。


 ここが乙女ゲームの世界だという記憶はなんとなくずっとあった。

 もやが晴れたみたいに全部思い出していく。


 私の役職はプライドの高い我が儘で自分の思い通りにならないと我慢出来ないヒステリックな悪役令嬢。

 ヒロインを追いつめて最終的に公爵家との婚約破棄。

 その後、厄介払いと言わんばかりに、もう少し下の位のこれまた相性の悪いプライドの高いお貴族様に嫁がされて自分の鼻柱をバキバキ折られる生活を強いられる。

 正直言って、小物臭プンプンな悪役である。顔もしっかり描かれていたので制作陣からしたらなんだかんだ愛着があったのかもしれない。

 それこそヒロインを洒落にならない感じに陥れる子達は顔の描かれてないモブ女子か第二王子がほとんどだった。ただ、当然ながら今は現実であり、ゲームではモブであっても皆に顔はある。


 この乙女ゲームのヒロインは名前は入力式なので姿はわかっても名前はわからない。

 そのヒロインが私たちが13歳から6年間通う学園で5人の攻略対象者たちと会って恋愛模様を繰り広げる乙女ゲームだ。


 今まで会った攻略対象者を思い出す。

 第二王子、ヴィズ・イガナスク

 伯爵子息であり、騎士である、レイス・スルファム

 私の弟であり、侯爵子息である、シュナイザー・ウィステリア

 そして今目の前にいる、公爵子息、ライル・マグノリア

 学園で会ってと言ったけれど、もう一人ヒロインとはもう会ってるはずの幼馴染キャラの伯爵子息がいる。


 この乙女ゲームの特色は、一人の攻略対象を選ばない限り話が進まなかったり、主人公に不利益が被ったりするという事。

 一番最初の全員の紹介イベントをこなしてから、攻略対象一人を選んでルート分岐してからがゲーム開始だ。

 要は逆ハーレムルートというものが存在しない。あんまり乙女ゲームって特殊なものじゃない限り逆ハーレムって無いんだけどね。

 私がやってたのはそういうのばっかりだったのかもしれないけど…。

 だって逆ハーレムって女の子の負担、辛すぎるでしょ。

 手を握ったりデートしたりするだけでドキドキするイベントが盛り込まれてるのに同じ時系列で毎回相手が違ったら、ゲームをプレイしてる側だって、なんなのこのクソビッチってなるわ。

 全然ときめけないわ。

 前世の乙女ゲームの話をしても良いならば、大体、攻略対象はヒロインとどこかで一度会っていて元々好きだったり、お前の事が前から気になっていたんだ!という展開で最初からヒロインに好意的だ。

 このゲームではちょっと違うけど。

 このゲームのコンセプトというか、広告ポップには、”一途な恋でイケメンと盛り上がれ!”とか書いてあった気がする。

 第二王子をプレイした時点でふざけんなと思ったけど。

 

 きちんと選び続けていなければ主人公に不利益を被る攻略対象だと第二王子が代表格だ。

 中途半端に好感度を上げて他のキャラクターに目移りしようものなら、殺されるのだ。ちなみにヤンデレでは無い。

 第二王子はその強烈なキャラクターに思い出した通りだけれど、もう大体その通りに進んでいってる気がする。

 エレオノーラ様は第二王子に追随してくるキャラクターで王太子妃であり、第二王子の初恋の君である。

 この世界、第二王子をこじらせるために王太子とエレオノーラ様っていうキャラ作ったの?という疑問を抱かざるを得ない。

 そんな感じで第二王子のエレオノーラ様へのこじらせた初恋→執着心をヒロインの一途な愛で溶かさなければならない。

 結局第二王子がヒロインに選ばれても選ばれなくても、エレオノーラ様が初恋も執着心もぶった斬る勢いで振るんだけど。

 ヒロインとくっつけば、やっと一方通行ではない恋愛を怯えた子犬のようにしていく。その分、糖度も高かった。

 けど本当に第二王子だけは苦行だった。


 レイスは騎士見習いの先輩として、剣で主人公を守る。

 ヒロインの可愛らしい見た目に一目惚れするチョロいやつである。あっ、つい私情挟んじゃった。

 いやいや、ゲーム上のレイスはなかなか王道な騎士でかっこよかったのだ。

 ヒロインのピンチに剣を持って颯爽と守ってくれる姿はキャー先輩イケメェエエン!!と叫んだものだ。レイスごときに嬌声を上げるなど前世の私にビンタしたい。

 これが選択肢次第では間に合わなかったりする。がっかりだ。レイスはまぁどうでもいい。


 幼馴染キャラである、伯爵家の子息はノーマ・カリューレ。

 背が低めの女の子と見まごうような可愛らしさを持ったキャラクターだ。

 小さい頃から可愛らしいヒロインにほのかな恋心を持って過ごしている。


 そして私の婚約者である、公爵子息ライル・マグノリア。

 言わずもがな私が主人公の障害だ。一応ゲーム上でも『宝石』と呼ばれていた私との婚約。

 私は自分でいうのはなんだけど、この見た目と周りの評価と両親の甘やかしで天狗になっていた。

 この辺でゲームと現在の私のおかしくなってきてるところに触れないといけないのだけど、我が儘で自分の思い通りにならないとヒステリーを起こすローゼマリーは自分の婚約者とヒロインが一緒にいる事が許せなかった。

 なんというか…ゲームのローゼマリーはライルの事を自分のものだと思っているふしがあった。

 あんたは私のなのに何勝手に身分が子爵風情の女なんかとしゃべってるのよ!と。

 私に恥をかかせて絶対に許さない!と言ってヒロインをいじめるのだ。

 身分の事を言ったらお前が口を噤めと言われるかもしれないが、とても良い解釈をすれば可愛いヤキモチだし、婚約者のいる相手に近づくヒロインもどうかと思う。

 

 何故かゲーム上の私をかばう事になってしまったが、一番違うのがもう一人。

 私の弟、シュナイザー・ウィステリア。

 シュナイザーは3つ下にしてお父様とお母様の良いところをもらった年下にしては背が少し高めの男の子だ。

 そしてローゼマリーがシュナイザーの事を毛嫌いしていて子供の頃からヒステリックでうるさかったため、反対にあまりしゃべらなくなってしまった。

 無口キャラだ。けどたまにしゃべる言葉が思いやりがあって凄くキュンとする。

 シュナイザーを選ぶと年下なので必然的に時系列が少し早くなって見た目がどんどん男の子から男の人になっていくシュナイザーと恋愛出来る。

 ぴゃぁああああ!やっぱり私の弟は世界一可愛くてかっこよいわ!

 って、そうだった。ゲーム上の私はシュナイザーの事を毛嫌いしているのだ。

 私が死ぬほど甘やかされ放題で育っていたところに弟が産まれたため、お父様とお母様の愛情が独り占め出来なくなってしまって弟に辛く当たっていたのだ。

 シュナイザーも両親の性格を知っていたため、しょうがないかな、という諦めなのか懐が広すぎるのかわからない解釈をしていた。

 本当ゲーム上の私馬鹿。信じられない。

 私が!シュナイザーを毛嫌いするなんてありえない。

 ここから違ってきてしまっているので、弟のキャラクターに何らかの影響を与えてしまっているかもしれない。

 無口キャラじゃなくなっちゃうのかな?シュナイザーならおしゃべりでもなんでも構わないけど。

 はぁ…、早く会いたいよシュナイザー…。



「なんだか元気が無いけど、どうしたの?」


 って、私、お見合いの最中だったわ。

 お見合い?まぁ良いか。

 いつの間にか両親たちは違う部屋に行ってしまった。

 6歳だてらに、後は若いお二人で…ってやつだ。子供だけで交流を深めろって事みたいだけど。


「えぇと…、ここに来る前に弟と喧嘩してしまって…早く仲直りしたいなって…。こんな時にすみません。」


 あんな事実を思い出しちゃった今、余計に心苦しいよ。


「だから君のお父上がいた時も上の空だったんだね。私の顔を見た後に黙り込んでしまったから凄く心配していたよ?」


「え?そうだったんですか?」


 いや、その時は乙女ゲームの事を全部思い出して頭がぐるぐるしていました。

 そういえば、この婚約も破棄しちゃうんだよな。まだわかんないけど。


「なんだか侯爵夫人と私の母上が「お互いにとても気に入ってしまったのね!」と盛り上がってしまって、ウィステリア侯爵は凄く焦ってローゼマリー嬢に話しかけていたけど、それも聞いてなかった?」


「全然…。」


 ぎゃー!やらかしてしまった…!

 帰りのお父様凄く面倒くさそう!!

 思わず頭を抱えてしまった。


「私は噂のローゼマリー嬢が、噂以上でとても気に入ったけど?」


 と言って頭をこてんと傾けながら優しい笑顔で言ってくる。

 なっ…!こんな自然とこんな言葉が出てくるなんて、本当に同じ6歳か…!?

 口をぱくぱくさせて顔を紅くさせてしまう。


「輝くようなプラチナブロンドの髪の毛に、宝石みたいな青い瞳、本の中のお姫様みたいだ。…私の髪は黒いし、瞳の色もハッキリしないから羨ましい。」


「息をするように褒めるの恥ずかしいから止めて下さいませ…。髪の色を気にしているのですか?私は好きですよ。ライル様の瞳の色も緑がかった金色の目で綺麗です。」


 髪の毛が黒い色だとやっぱり元日本人としては落ち着くし。こっちで金色の目もあんまり見た事無いよ。

 ライル様は恥ずかしそうに笑った。


「婚約者になったのだし、ライルで良いよ。口調も崩してもらって大丈夫。私もローズって呼んで良い?」


「構いません。ライ…ル?」


「うん、ローズ。これからよろしく。」


 いやいや、ちょっと待って。この良い雰囲気ちょっと待って。

 やっぱりゲームの通りに進むっていうの!?いやゲーム通りかはわかんないけども!

 子どもの内から口説きスキルが高いなんて将来怖いわ!攻略対象だけあるっていう事なのね…。

 

 ヒロインが現れてライルを選んだ時にライルが私に情が残ったら、ちょっとなぁ…。

 思う存分、婚約破棄してスッキリ出来ないよね。

 正直言って、下される罰が他の貴族との結婚っていうのが私的に痛くも痒くも無い。

 家を取り潰される訳でもなく私が牢に入れられる訳でもない。

 貴族として格下にはなるかもしれないけれど、生活は保障されている。

 

 なら私、悪役として突き進んでも良いんじゃない?

 

 この世界で主人公をいじめ倒して攻略キャラ達と上手くいくよう悪役令嬢、頑張っちゃっても良いんじゃない?


 あっ、まずい。ワクワクしてきた。

 私の弟を誑かす前に阻止してやるわ!!あ、これは素だった。

 前世でアラサーになるまで仕事一本でお局と呼ばれる立ち位置にいた私にとって悪役になる事など日常茶飯事だったし。

 私、これから悪役令嬢、楽しんでみようと思います。

俺達の戦いはこれからだ!!


やっとあらすじ回収できました。

一度乙女ゲームを作ろうとして挫折したことがあるんですが、それもこんなに人数いませんでした。

この話を書くに当たって、主要人物以外は攻略対象、なんとなーく決めてたところを急ごしらえで決めました。

特に名前とか固有名詞を決めるの物凄く苦手です…。

今回は前半ほぼゲームの説明です。前半はゆるっとですが前から決めてた事が多いので、後半の方がどうしようと思いました。


閲覧、ブクマ、評価ありがとうございます。

帰ってきて見ると励みになります。

普段読むばかりなので空いてる時間に読んでましたが、おもしろくて文才のある人って凄いですね…。

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