表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/26

55回目の奇跡

「うわっ!ちょっ!痛っ!」

「お前も2度と来るな!!」

「うぅ・・・。」


ケイもまた神の下僕達によって神の間の門から放り出されてしまった。


「いたた・・・。放り投げる事無いのに・・・。」


もう大分慣れてきたが相変わらず岩盤に放り投げられるのは痛いものだ。


(でも昔より放り投げれた時の痛みが小さい・・・!僕も成長しているんだ!)


と、意味不明な解釈をしていると突然声を掛けられる。


「あら・・・、アンタも放り出されたのね。滑稽な姿よ。お似合いね・・・。」


そう言う彼女は先程の少女、リリィだ。

口調だけで分かってしまう。


しかし先程の態度とは全く別人だ。


投げ出された衝撃で白いローブが痛み、泥塗れになり小さく体育座りをして落ち込んでいる様子だ。


(さっきの僕と似てるって言われたの傷ついたのかな。)


そう思ったケイは彼女に声をかける。


「あ・・・さっきのは気に「私、時間が無いの。」・・・・へっ?」

「私が死んだ理由は戦死。種族の争いによるものだったけど何の力にもなれずに死んでしまったわ。」

「・・・。」


少女はぽつりぽつりと零すように続ける。


「戦争が始まってから一年が経つけれど未だ戦争が終わる気配も無い。聞いた話だと私の種族がおされてるみたい。このままじゃ絶滅も近いわね。」


フッ、と情けない表情で笑い立ち上がるリリィ。


「ダメみたい。私じゃコツコツなんて到底無理。諦めるしかなさそうね。じゃあ。」

「ちょっと待って!」

「何?醜態晒したしあなたにあまり顔を見られたく無いんだけど。」

「何言ってるか半分から分からなかった!」

「・・・アンタもしかして馬鹿なの?」

「何言ってるか分からなかったけど諦めること・・・、無い・・・と思う。」

「ハァ?アンタ何言ってるか分かってるの?今ほっぽり出されたばっかりよ?」

「リリィさん・・・だったよね。今月何回神の間を襲撃したって言ってたっけ?」

「襲撃・・・54回よ。それがどうしたの?」


それを聞いてスクっと立ち上がりニコッと笑うケイ。


「それじゃあ55回目で奇跡が起きるかもしれないよ!」


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ