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七冊目《相棒の》
パイの甘い匂いが、僕を目覚めさせる。
あれ、白河先生と福助探しにいったのに?
辺りを見回すと、いつもの僕の部屋。
「あ、起きた?紫苑」
「僕……福助を探してたのに……」
「うん、ごめんねーちょっと木に引っかかっちゃって、出るのに時間かかった」
「そう……良かった…って、え?」
振り返るとそこには、銀髪の髪に黒色の目をした僕と同じくらいの年の少年が。
少年は僕をリビングのテーブルに座らせると、持ってきたパイを綺麗に切り分けて僕に渡す。
そしてにこりと微笑むと、向かいの席に座って同じようにパイを食べ始めた。
「あ、安心して?ぼさぼさ頭はちゃんと追い払ったから」
「………誰?」
何がなんだか分からず、パイをほお張る少年を見て聞いた。
帰ってきた返事は直ぐには理解できなかった。
「紫苑の相棒の福助だよ」
………はいぃ?