表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/27

一冊目《僕は》

いらだたしい声。


僕はこの声が苦手だ。


教室の中でひそひそと聞こえる、噂話。


しかも当の本人がそこで座っているというのに。


「ねぇ、知ってる?柊さんってさぁ、殺人犯の娘なんだって」


「えー!?ホントに!?」


違う。それは違う。


ただ、帰ってこないだけ。


僕の、父さんは帰ってこない。


母さんはー……実家に帰った。


「しかも、柊さん家ないんだって」


それは初耳。そんな大袈裟な噂になっていたのか、と思い少しふきだしてしまった。


「ふふっ」


「なにあれ、こわーい」


「いこっ」


噂話は終わったようで、教室にいた女子はパタパタと駆け足で出て行く。


さぁ、人も帰ったことだし。僕も帰らなきゃ。


締め切っていなかった窓に鍵をかけながら出口へと向かう。


ゆっくりと最後のドアに鍵を差し、がちゃりと音を立てて閉めた。


夕日が僕の足元を照らす。


鍵とお気に入りの本を手に、職員室へと向かって歩き出した。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ