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色違いの魔法使い達  作者: 星狼


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5/7

護衛の仕事と紹介状

数ヶ月が過ぎ、酒場の空気はさらに馴染んだものになっていた。

カウンターの木目は使い込まれ、

午後の光が差し込む窓辺には、常連の影が長く伸びる。

マリーとケィティは、もうこの場所の住人のように扉を開けた。


マリーが穏やかに声を掛けた。


「あの、こんにちは〜」


ケィティも、赤いマントを軽く直しながら。


「今日もよろしくお願いします」


ゲイルはグラスを拭く手を止め、二人の姿を一瞥した。

口元に、いつものような笑みが浮かぶ。


「おぉ、マリーとケィティ。頼みたい仕事あるんだけどいいか?」


マリーは少し身を乗り出し、尋ねた。


「あっ、どんなお仕事なんでしょうか?」


ゲイルは帳簿を軽く叩き、説明を始めた。


「王都までの荷運び護衛だ。最近、王都への道で魔物に襲われてるヤツもいるからな? それの護衛だ」


マリーの表情が曇る。


「えぇ……危険な仕事ですね……」


ケィティも、静かに。


「私達にはちょっと……」


ゲイルは短く息を吐き、言葉を続けた。


「いや、不安があるなら、取り分減るけど、ラファエルやダンクも一緒にやればいいだろ。2名の依頼だけど、こっちで4名回せるように調整してやるよ。だから、この仕事やれ」


マリーは少し間を置き、静かに尋ねた。


「あの……なんで、ゲイルさんは私達にこの仕事をやらせようとしてるんですか?」


ケィティも、視線をゲイルに合わせた。


「そうですよ。ラファエルさんとダンクさんの二人でもいいんじゃないですか?」


ゲイルはカウンターに肘をつき、二人をまっすぐ見つめた。

声は低く、しかし確かだった。


「俺は正直、仕事だけなら誰がやってもいいと思ってるんだよ。ただ、これは王都までの護衛だ。王都に行く機会があるんだ。お前ら、王都の魔法ギルドに顔出して来い」


マリーの瞳がわずかに揺れた。


「魔法ギルド……?」


ケィティも、首を傾げた。


「何しに行くんですか?」


ゲイルは棚から古い封筒を取り出し、ペンを走らせ始めた。


「お前らが最初に来た時に話しただろう。俺が魔法ギルドに紹介状書いてやるから、そこでお前らが複合属性かどうかのテスト受けて来い。この街じゃそういう属性解析は出来ねぇんだよ。王都みたいなデカい街じゃないとそれは出来ねぇ」


マリーは目を丸くした。


「えっ? ゲイルさんが紹介状書いてくれるんですか?」


ケィティの声が、わずかに震えた。


「ゲイルさん凄い……ありがとうございます……!」


ゲイルは紹介状を折り畳み、軽く肩をすくめた。


「別に感謝なんていらねぇよ。お前らが複合属性だった場合、俺も厄介な仕事頼めるから、俺が楽になるだけ。自分の為です。だから、とりあえず、この護衛の仕事受けてくれよ」


マリーは少し間を置き、ゆっくりと頷いた。

瞳に、決意のようなものが宿る。


「は、はい……! やってみます!」


ゲイルはグラスを棚に戻し、静かに息を吐いた。

カウンターの向こうで、午後の光が三人を柔らかく包んでいた。

外の通りでは、馬車の車輪が石畳を転がる音が遠く響き、

酒場の扉が静かに閉まる音が、物語の次のページを予感させた。

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