36.白い壁に取り囲まれる
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湖を渡り城の通用口を破壊したミケーレたちは、もうもうと立ち込める煙と粉塵に目を細めながら城内へ足を踏み入れた。乗り越えたがれきがガラッと大きな音を立てて崩れ、全員が思わず身構える。
「さっきので何人か仕留めてりゃ楽なんだが…誰もいねえな」
ミケーレが目を細めて様子をうかがう。明かり取りの窓もない部屋に霧が流れ込んで、さらに視界を悪くしていた。メノッティが杖を前に差し出し臨戦態勢をとりながら、左手で辺りを探る。小さな部屋の壁に沿って大きな陶器の甕が並んでいるのを確認した。
「水甕だなこりゃ。大量に置いてある。物置か?」
「奥にぼんやり白い壁みてぇのが見えます。扉でしょうか。」
「よし。メノッティ、盾を掲げながら進もう」
メノッティを先頭にして、4人はそろそろと足を運ぶ。レオルーカ弟が緊張のせいで頬を流れた汗を左手でぬぐった時、妙なことに気がついた。ぬぐった左手の甲に何か固いものがついている。なんだ…? と、ちらっと目をやるとそこにはうっすらと氷が張っている。
「…なんで…汗が凍ってる?」
「なんだと?」
レオルーカ弟のつぶやきを聞いたミケーレは一瞬の思考ののち危機を理解し「くそ!」と吐き捨てた。
「炎弾全開! 撃ちまくれ!」
4人の杖の先が白く光り出し、炎の弾が次々に撃ち出される。だが部屋の中は燃えることなく、弾は何かに当たって消えていく。
「…丸見えになるが仕方ねえ! 渦風!!」
メノッティが気流魔法を唱えて粉塵と霧を吹き飛ばす。部屋の奥に見えたのは、分厚い氷の壁だった。思わず振り返ると、入ってきた壁の穴もどんどん凍って閉じられていく。ふいにどこからか氷の刃が放たれて水瓶を破壊した。大量の水が流れ出て床が水浸しになるが、そこも少しずつじゃりじゃりと氷に代わっていく。四方の氷はピキピキと音を立てながら嵩を増していき、四方を囲んだ氷の壁が少しづつだが確実に4人に迫ってくる。
「敵は外だ!外からこの部屋ごと凍らせようってのか!!」
ミケーレがさっきより大きな炎を生成し氷壁を攻撃する。メノッティとレオルーカ兄弟も必死に炎を当て続けるが、溶けた氷はすぐにまた凍っていく。
「なめやがって…!!!」
4人は背中で押し合うように外側を向いた小さな円陣を作っている。スーツや帽子は霜が付いたように白くなっていくが、それに気づく余裕もないまま4人は炎を撃ち続ける。
「ピンチの時にかっこいい男」を書けるようになりたいです




