21.日曜日の港は戦場となる
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運命の日は突然やってきた。
会議から3日後、日曜の午後に港についた定期船から降りてきたのは、いつのもような商人や観光客ではなく15人ほどのスーツを着た男達だった。
港の監視にあたっていたうちのひとり、メノッティは乗客を確認するために桟橋にいた。様子のおかしな集団に気づき「おいおまえら、なにしに…」と声をかけたところで、集団の先頭にいた男がポケットから杖を取り出し、氷弾でメノッティの右足を凍らせた。身動きの取れなくなったメノッティは海に突き落とされる。人々が驚いて声を上げたことで、ファミリーのほかの者が事件に気が付いた。
港が騒然とする中、スーツの男たちは桟橋を陸地に向かって歩き出す。駆け付けたトンマーゾとミケーレは、敵の襲撃を確認すると”海鳥の笛”の魔法で警報を鳴らし、島中に非常事態を知らせた。桟橋から続く市場の入り口に“つむじ風の柱”を何本も立て、その前に“腐葉土巨人”を創って門番とした。
敵は桟橋を渡り終わると散開し、港のあちこちに火を付けて混乱を拡大させた。腐葉土巨人に対しては一斉に水弾丸を浴びせて崩そうと試みるが、両脇のつむじ風がそれを跳ね返して思惑を遂げさせない。巨人が腕を振ると、大量の土が礫のように敵を襲った。物陰に隠れた敵のもとへ、今度はトンマーゾが作り出した“燃える蛇”がくねくねと走る。巨人に目を取られていた何人かは、いつの間にか足に巻きついた燃え盛る蛇に全身を焼かれることとなり、苦しみから逃れるために海に飛び込んでいった。
その頃になると知らせを受けたマッテオやレオルーカ兄弟が駆けつけ、港のコルレオ・ファミリーは俄然勢いを増した。戦闘に集中せざるをえなくなった敵の隙をついて、勇気ある漁師たちが海に落ちたメノッティを救出した。マッテオが”つむじ風の柱”に向けて炎を走らせると、つむじ風は燃え盛る火柱となって暴れ始めた。港の小屋や貨物を巻き込んで、燃やしながら空へ放り投げていく。隠れる場所がなくなり姿を見せた敵を、レオルーカ兄弟らが次々と仕留めていった。
だがここで、立ちはだかっていた腐葉土巨人がどこからか飛んできた巨大な氷の槍に上半身を砕かれ、どさっという音とともに土の山に戻った。巨人を維持していたトンマーゾが消耗を隠せず膝を着く。
定期船で来たのとは別に、どこかの浅瀬からひそかに上陸した別動隊がいると気づいたマッテオは、レオルーカ弟を連れて巨人を倒した狙撃手を探しに行動を開始した。氷と炎の雨が注ぎあい、空は濡れるべきか燃えるべきか迷っているように雲を広げ始めた。
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