第3話: 無理難題再び!限界突破のブラック企業
朝。まだ陽も昇らないうちに、僕は目を覚ました。スマホのアラームが鳴り響くと同時に、僕の一日の始まりだ。
「はぁ……今日も早朝から仕事かよ……」
昨日の夜中まで続いた仕事が、まだ頭をぐるぐる回っている。だが、ブラック企業に勤める者に、そんな甘えは許されない。魔法の力があるはずのこの世界でも、ブラック企業というものは変わらないらしい。
「行くか……」
寝ぼけまなこのまま僕は会社に向かう。通勤路では、今日も異世界の奇妙な風景が広がっている。ドラゴンが空を飛び、冒険者が剣を振るい、露店では魔法のポーションが売られている――けれど、僕にはそのどれもがただの背景でしかなかった。なぜなら、僕はただの会社員だからだ。
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会社に到着し、いつものデスクに座る。すると、すぐに上司がやってきた。彼はスーツ姿で、恐ろしいほどに冷静な表情を浮かべている。
「お前、今日中にこの魔法プロジェクトの提案書をまとめろ。あと、明日の会議資料も準備しとけ。それと、来週の納品物の確認も頼むぞ。」
「えっ、えええっ!?」
次々と無理難題が降りかかる。これがブラック企業のリアルだ。しかも、異世界だからと言って、それが優しくなることはない。むしろ現実よりもタチが悪い。だって、上司は魔法を使って資料を増やしてくるんだから。
「え、増えた!? いやいや、これはどう見ても不可能だって!」
そんな僕の声など、もちろん聞いてもらえるはずもない。上司はそのまま、僕の悲鳴を無視して去っていった。
「うわぁ……またこれかよ……」
机の上に山積みされた資料を前に、僕は絶望感に打ちひしがれながらも、スマホを取り出して配信を開始する。
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「みんな、今日もやってきたよ……この異世界ブラック企業。相変わらず無理難題の嵐だ。今日は、魔法プロジェクトの提案書と、会議資料と、納品物の確認だってさ。これ、どうやって全部終わらせればいいと思う?」
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**コメント:**
- 「うわっ、地獄じゃん」
- 「無理ゲーすぎるだろwww」
- 「魔法で資料増やすとか聞いたことないわ」
- 「お前ができることじゃないぞ、それwww」
- 「逃げるんだよぉ!www」
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「逃げたいよ! めっちゃ逃げたい! でもさ、逃げたらこの世界、どうなっちゃうんだろうな……?」
そう言いながらも、僕は笑うしかなかった。異世界に来たというのに、現実以上に過酷な状況に追い込まれているなんて、笑わなきゃやってられない。
「でも、逃げるわけにはいかないんだ。ここでやるべきことをやるしかないんだよ……はぁ。」
溜息をつきつつ、僕は机の上に広げられた魔法プロジェクトの資料を手に取った。すると、ページの隅に何やら見慣れない魔法の文字がびっしりと書かれている。
「ん? これって……」
資料をめくるたびに、どこかで見たことがあるような不思議な符号が書かれていることに気づいた。まさか、これは――。
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**コメント:**
- 「どうした?」
- 「なんかやばそうだぞwww」
- 「その反応、何か見つけたな?」
- 「フラグが立ってる予感!」
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「おいおい……これ、例の暗号解読の魔法じゃないか!?」
そうだ。僕は転生してから何度か、この異世界特有の暗号を解読する仕事をさせられていた。それがまさか、こんなところでまた登場するなんて……。これはまさに「仕事の嵐」だ。
「うわああああ! 誰か助けてくれ!」
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**コメント:**
- 「来たwww 暗号地獄www」
- 「フラグ通り越して絶望しかないwww」
- 「転生してもブラックから逃げられない宿命か」
- 「だから逃げろって言ったのにw」
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僕は頭を抱えながら、資料を読み進める。だが、気づいたことがある。これは以前に解読したものとは少し違う。より複雑で、時間がかかりそうだ。
「……これは無理だ。いや、無理って言うか、時間が足りない!」
絶望しながらも、僕はなんとか資料をまとめるために奮闘する。しかし、時折視聴者たちからのコメントが流れてきて、それが少しだけ僕の気持ちを軽くしてくれる。
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**コメント:**
- 「頑張れよ!www」
- 「その暗号、なんか面白そうだな」
- 「配信しながら解読するって新しいなwww」
- 「お前ならいける……たぶん」
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「ありがとう……みんなが応援してくれるなら、頑張れる気がしてきた!」
そう呟きながら、僕は手元の資料に没頭する。時間はかかるかもしれないが、少しずつでも前進するしかない。ブラック企業の圧力に負けず、少しでも自分の力を証明するんだ。
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### エピローグ:限界を越えて
時間はあっという間に過ぎ去り、気がつけば夜が更けていた。僕はなんとか魔法プロジェクトの提案書をまとめ、会議資料も準備した。納品物の確認も終えたが、やはり仕事は山積みのままだ。
「……疲れた。でも、なんとか終わった。」
僕はデスクに寄りかかりながら、スマホを手に取った。視聴者たちが見守ってくれているおかげで、今日もなんとか乗り切ることができた。
「みんな、ありがとうな。これからも、この異世界ブラック企業を生き抜くために、頑張るよ……!」
配信を終了し、僕は深呼吸をする。明日もまた、仕事が待っているが、少しずつこの状況を変えていけるかもしれない――そんな希望を胸に、僕は眠りについた。




